第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター48群 継続教育①

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:國江 慶子

[ポスターY-48-4] 小児看護実践能力の向上を目指したe-ラーニング教材による学習効果の検討

石川 紀子1, 前田 留美2, 堂前 有香3, 齊藤 千晶4 (1.和洋女子大学看護学部看護学科, 2.東京医科大学医学部看護学科, 3.千葉県こども病院, 4.岩田こどもクリニック)

Keywords:継続教育、配属異動、小児看護実践能力

【目的】部署異動後に小児看護に新たに携わる看護師を対象とした「小児看護実践能力の向上を目指したe-ラーニング教材」による学習を実施し、学習の効果を検討することを目的とする。【方法】1.対象:小児が入院する部署に異動し、小児看護に新たに携わることになった、異動後1年以内の看護師。2.e-ラーニング教材:先行研究を基に研究者間で検討し、小児看護特有の知 識や小児の発達段階・親の心理状況について7つの単元から構成した。1つの単元は約10分の動画教材で、Web上のシステムを用いて学習する。3.データ収集:A県内で小児病棟を有する医療施設宛に研究依頼書を送付し、同意の得られた看護師を対象とした。対象者は各自の都合に合わせてe-ラーニング教材を用いて学習を進め、学習後1カ月時に半構成的面接で、子どもや家族をアセスメントする際の変化、病棟での看護実践の変化について調査した。対象者の背景は質問紙で調査した。4.分析方法:対象者ごとに逐語録を作成し質的帰納的に分析した。5.倫理的配慮:所属機関での倫理審査を受け、研究の趣旨・方法・ 結果の公表、研究参加の任意性、プライバシーの保護等を依頼文書に示し、口頭と文書で説明し同意が得られた場合に調査した。【結果】4施設4名の看護師が対象となり、看護師経験年数は4~18年、部署異動後の期間は3~9か月であった。子どもをアセスメントする際の変化では、子どもの呼吸状態が変化しやすいことを踏まえて〔フィジカルアセスメントを行う順番や測定方法を意識〕や、〔子どもの発達段階を意識して関わる〕こと、〔子どもの機嫌やストレスに注目〕が あげられた。家族のアセスメントでは、〔親のストレスに注目〕し、〔親の体調や自宅にいる家族について意識的にアセスメントする〕ことがあげられた 。看護実践における変化では、〔教材の具体例を参考に子どもに話しかけるようになった〕、〔処置前に子どもの理解に合わせた説明をする〕よう になったことが述べられた。また親の心配を軽減する必要性を感じ、〔測定したバイタルサインの測定値を伝える〕などの変化もみられた。【考察】教材での自己学習を通じて、子どもの発達や身体的特徴などの根拠をふまえた子どもと家族のアセスメントにつな がったこと、教材で示した声掛けや関わりの具体例を踏まえて病棟での看護実践につなげていくことができていると推察された。