第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター48群 継続教育①

2023年11月9日(木) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:國江 慶子

[ポスターY-48-5] 手術室研修後の病棟看護師の意識変容とその効果

平田 早弥香, 北川 治子, 前崎 恵子 (山陽小野田市民病院)

キーワード:手術室研修、周手術期看護、意識変容

【目的】A病院では入職2年目の看護師に対し手術室看護研修を行っているが、業務の合間で行っているため研修時間や内容に違いがあり、研修の効果が十分に得られていなかった。そこで手術室看護研修プログラムを独自で作成し、時間を統一して研修を行ったことでどのような効果があり、看護師の意識変容に繋がったかを調査することとした。【方法】対象者は入職2年目の病棟看護師7名で研修プログラムに沿って研修を行った。その前後で研修プログラムに沿ったアンケートを行い、各項目の実施可能度を「そうである」から「そうでない」の4段階で回答を得た。また、研修の1ヶ月後に「手術室看護に対するイメージの変化」について自由に語ってもらった。得られた逐語録はスーパーバイズと共にカテゴリー化した。アンケートは無記名とし、アンケートと面接で得られた結果は厳重に保管し研究以外で使用しないことを書面にて説明した。本研究は研修者の所属する施設の医療倫理審査委員会にて承認を得て行った。(承認番号21-1)【結果】アンケート結果は研修前の平均値が2.51±0.24、研修後が3.52±0.41であった。特に「手術室での体温測定方法」と「挿管から抜管までの流れ」の実施可能度に大きな差が認められた。面接では、挿管介助に対し「難しかった」「緊張した」が、研修を行って「手順を覚えることの大切さ」や「スムーズな介助の必要性」などの言葉が聞かれた。また、「手術室は緊張した空間」「患者が不安に思っている」が、研修を行って「患者に声かけをしっかりすることが緊張や不安を軽減する」や「術前の声かけが具体的にできる」などの言葉が聞かれた。【考察】研修前後のアンケート結果で平均値が上がっていたことにより研修の効果はあったのではないかと考える。挿管介助や体温測定は手術室看護の独自の方法であるため研修に効果が現れやすいのではないかと思われた。面接では研修で挿管介助を体験することで、正しい知識を得てスムーズな介助を行うことの必要性を実感できていた。また、手術を受ける患者に対し緊張や不安を軽減するために適切な術前の説明と手術中の声かけが重要であると学んでいた。つまり意識変容に繋がったのではないかと考える。