[ポスターY-49-1] 現任教育体制再構築のための「育ち合う」「学び合う」を目指した取り組み
キーワード:現任教育、OJT、中堅看護師
【目的】A病院では、教育担当者を各部署に配置し体制作りを進めてきたが、教育担当者は、部署の人材育成の課題に試行錯誤していた。そこで教育担当者・管理者で現状を共有し、「中堅看護師を巻き込む」、「看護について立ち止まって考える機会を意識的に設ける」等の課題を確認した。本研究は、この課題を踏まえ、部署全体で『育ち合う・学びあう』ことを中核に実践的に取り組み、教育体制の再構築に示唆を得ることを目的とした。【方法】1.研究期間:令和4年7月~令和5年2月。2.教育担当者・師長・主幹・中堅看護師対象のワークショップの実施:1回目は『育ち合う・学びあう』各自の経験の共有と今後取り組みたいことの検討、2回目『育ち合う・学びあう』現任教育体制作りへの提案を目的とした。全体報告内容を記述し、ワークショップ後の意見感想を質的に分析した。3.評価:ワークショップ約1か月後に無記名自記式質問紙調査を行い、内容を質的に分析した。4.倫理的配慮:本研究は岐阜県立看護大学研究倫理委員会の承認を得た。研究目的・方法、自由意思での参加、データは匿名化しプライバシー保護に努めることを説明し書面で同意を得た。【結果】2回のワークショップは27名が参加した。1回目は、学びの経験や「お互いを大事に思う」「一緒に考える」「わからないことを教える側も言える」等今後取り組みたいことを共有した。ワークショップ後の意見感想は、「相手への理解と承認」「心理的に安心な環境つくり」「他者と共に学び成長すること」等であった。2回目は、現任教育体制作りへの提案として「年代・職位関係なく同じ話題で語り合う場の提供」「中堅が集まり話しあう機会」等を共有した。ワークショップ終了後の意見では、「他者と意見を共有することの重要性」等であった。1か月後の質問紙調査結果で、参加者はワークショップ後「スタッフとの看護実践の振り返り」「実践能力を高める関わり」を実施し、現任教育に対する自身の役割を「育ち合うを意識した活動」、学習の「環境作り」等と捉えていた。【考察】部署全体での教育体制を目指し部署教育の核となる師長・主幹・中堅看護師・教育担当者が立場を超えて語り合い思いを共有した。言語化することで具体的な行動や働きかけの内容、部署教育への各自の役割が明確になり『育ち合う、学び合う』意識を持ち部署や看護部全体で教育を行う土台作りに繋がった。