第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター49群 継続教育②

Thu. Nov 9, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:渡邉 眞理

[ポスターY-49-3] ラダーレベル3を目指す看護師のフィジカルアセスメント力向上への取り組み

―院内研修にOSCEを導入した有効性を検証する―

池谷 綾子, 岩堀 聖子, 鍋田 泉, 上野山 良子, 市川 昭美 (静岡市立静岡病院)

Keywords:ラダーレベル3、院内研修、アセスメント力向上、客観的臨床能力試験(OSCE)、フィードバック

【目的】日替わりリーダー業務およびプリセプターの役割を担うラダー3を目指す看護師に対し、根拠に基づいた看護実践および後輩指導に良い影響をもたらすよう、アセスメント力向上をめざして客観的臨床能力試験(OSCE)とフィードバックを実施した。実施前後の変化を明らかにし、ラダー3を目指す看護師に対し院内研修で行うOSCEの有効性を検証する。【方法】ラダー3を目指す看護師38名に、クリティカルケア及び救急看護認定看護師がフィジカルアセスメントのOSCEと、その直後に個別にフィードバックを行った。OSCE実施前及び実施2ヶ月後、38名の受講者が「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」を組み込んだキャリアラダーモデルの内、看護の核となる実践能力に関する5項目、及び「自己の看護実践を根拠や理論を用いて振り返り意味づける」「行動変容につなげる」「日常の臨床現場で倫理的に配慮した看護を実践する」等、計11項目について4段階で自己評価した。自己評価による前後の変化をウイルコクソン検定を用いて検証した。またOSCE後に自身が変化したと感じることを自由記述した内容を集約し、カテゴリー化した。本研究は研究倫理に則ること及び研究参加の自由について書面で説明し同意を得た看護師34名を対象とした。【結果】自己評価した11項目の内、ウイルコクソン検定結果は8項目でp<0.001、2項目でp<0.01の有意差を認めた。しかし「自己の感情の傾向を理解し、ストレス状況においても意図的に感情をコントロールして対応できる」はp>0.05で有意差はなかった。自身の変化をカテゴリー化した結果は、12のサブカテゴリーと、5つのカテゴリー「アセスメント不足に気づく」「症状一つだけで判断せずいろいろな可能性を考える」「患者のニーズや個別性を考えた看護実践を意識する」「五感を使って全身を観察することを意識する」「相手にわかりやすいような報告・相談を心がける」に分類できた。【考察】OSCEと直後のフィードバックは、観察、アセスメント、判断、報告という一連の行為を客観的に振り返る機会となった。ラダー3を目指す看護師に、院内研修でOSCEとフィードバックを行った結果、看護行為を意識し、明確になった自身の課題を行動変容につなげていることが明らかになった。ラダー3を目指す看護師にとってOSCEと個別の振り返りは有効であった。