第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター50群 継続教育③

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:髙橋 久美

[ポスターY-50-3] マネジメントリフレクションを活用した副看護師長研修とコンピテンシーによる評価

大坂間 ひろみ, 横田 佳子, 牛島 久美子 (済生会熊本病院)

Keywords:コンピテンシー、リフレクション、管理者教育

【目的】A病院では院内看護管理者教育として、マネジメントラダー承認会、毎月の部署毎の実践報告や改善活動の報告会などの研修会で育成を行ってきたが、次期看護師長候補となる副看護師長(以下副師長)の育成が課題であった。今回副師長を対象とした看護管理実践能力の向上を目的に、マネジメントリフレクションを活用した研修を実践し、コンピテンシー評価を行った取り組みを報告する。【方法】副師長7名(経験年数4.5±4.3年)を対象に2020年9月から2022年10月の期間で、集合研修4回実施後、管理実践報告会を行った。集合研修内容は、eラーニングでの事前学習、テーマに沿ったディスカッション、先輩師長の経験談を聞き内省しながら看護管理課題を学ぶプログラムとした。テーマは具体的な勤務表作成を用いた労務管理、面接方法やコミュニケーション技法を取り入れた人材育成、キャリアアップ支援を目標とした組織分析とした。また研修の企画運営を一部副師長に委任した。研修前後は、25コンピテンシーの自己評価と、研修毎の意識調査を行い研修効果について評価した。分析は、統計ソフトSPSSを使用した。倫理的配慮として個別の評価データは使用しない事の同意を得、A病院看護部倫理審査会の承認を得た。【結果】25コンピテンシーの5段階評価の自己評価の平均値は研修前3.25±0.19、研修後3.71±0.20と上昇した。全てのコンピテンシーで研修後平均値は上昇したが有意差(P<0.05)を認めたのは「専門性の発揮」「分析的思考」「概念化」「達成思考」「育成力」であった。意識調査では「テーマの検討や周囲との調整等を担うことで、管理者としての行動や態度等を学ぶ機会となった」「副部長や師長の実践事例や考え方を聞くことで思考能力を高める機会となった」と回答していた。【考察】「専門性の発揮」「分析的思考」「概念化」「育成力」のコンピテンシー上昇は、先輩や同僚との意見交換により自身の看護管理を内省したこと、集合研修での組織分析結果の職務への活用が上昇の要因と思われる。加えて研修企画への主体的な参画を促す意図的な関わりが「達成思考」の上昇に繋がったと推察する。今回は自己評価のみであり、他者評価は行えていないため、今後は他者評価結果と併せ、優先の高い項目を絞り込み看護管理者育成に取り組んで行く。