第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター9群 ポストコロナ社会の看護への示唆~家族看護①~

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:松沼 早苗

[ポスターY-9-3] 面会制限下にある家族のニーズを知る

井川 紗耶乃, 佐々木 葉月, 矢口 舞美, 山本 有希, 齊藤 めぐみ, 吉田 茂広, 北村 恵美子, 鈴木 ちひろ, 銭谷 智子, 岡田 由紀 (NTT 東日本札幌病院)

Keywords:面会制限、家族のニーズ、家族看護

【目的】コロナ疑似症病棟での日々の看護を通じ、面会制限下における家族のニーズを明らかにする。【方法】A 病院B病棟から自宅退院した患者の家族に対し面会制限下における家族のニーズについて半構造化面接を電話で実施し、KJ 法を用いて分析した。A 病院の倫理委員会で承認を得て対象者に研究の趣旨を説明し同意を得て行った。【結果】対象者5 名から面会制限下の家族の経験による潜在ニーズと顕在ニーズが抽出された。潜在ニーズとして《面会制限への理解》《本人と家族が連絡がとれていた》《ADL・体力が思ったより落ちていてギャップがあった》《退院前の情報でギャップが無かった》《医療者からの情報提供があった》、顕在ニーズとして《会いたい》《声が聞きたい》《面会して手助けしたい》《退院後に役立つ情報が欲しい》の9 個の大ラベル、17 個の小ラベルが抽出された。【考察】家族は《面会して手助けしたい》《退院後に役立つ情報が欲しい》事から《会いたい》という顕在ニーズを満たしたかったと示唆される。しかし《面会制限への理解》があり、面会できない代わりに《声が聞きたい》ニーズが生まれたと考える。潜在ニーズとして抽出されたカテゴリーは、医療者の関わりによりニーズが満たされたため顕在化しなかったと推測される。対象は隔離中で高齢のため看護師が介助する事で《本人と家族が連絡がとれていた》。電話を掛けられない患者に対し《声が聞きたい》ニーズが満たせるように援助をしていく必要がある。面会制限について統一した対応を行い、会えない辛い気持ちを傾聴し不安の軽減に努める必要がある。入院時や検査時に《医療者からの情報提供があった》と全員が回答した。《会いたい》ニーズを満たすことができない状況で医療者が情報提供を行い、看護師は患者に対し十分なケアを行っている事を家族へ伝え《面会して手助けしたい》というニーズを満たす事で、信頼関係が構築でき安心できたと考える。対象は高齢のため《医療者からの情報提供があった》が、退院時に《ADL・体力が思ったより落ちていてギャップがあった》と感じていた反面、過去の入院経験から経過を予測でき《退院前の情報でギャップが無かった》と感じた家族もいた。《会いたい》ニーズの代わりに《退院後に役立つ情報が欲しい》というニーズを満たす事で、会えなくても入院中の状況がイメージできるように支援していく事が重要だと考える。