[G-23] 企画セミナー12:上肢および手の損傷例に対する神経生理学を活用した作業療法 -研究動向と臨床応用
ひとの手は非常にすぐれた機能を備えた精密な器官であり,ひとが人間らしく生きるために重要な器官である.ひとは生涯を通じて手を使い,手のスキルを磨き,様々な作業を学習し生活を送っている.この背景には進化の過程で中枢神経が発達したことが挙げられ,大脳皮質において運動・体性感覚野を占める手の領域は広い.ひとたび手に外傷や炎症が引き起こされると,中枢神経系にも影響が及ぶことが報告されている.そのため,手外科領域の作業療法では,「運動器」だけでなく「その運動器をコントールする神経系」の両方に着目したアプローチが重要とされる.こうした観点から,近年は手外科領域の作業療法においても神経生理学を活用した作業療法の研究が行われ,臨床応用もなされている.しかし,解明されていない点は多く,研究課題も多い.したがって,これからさらに作業療法士の活躍が期待される領域とも言える.
そこで,今回は手外科領域における神経生理学の研究動向と臨床応用について学べるセミナーを企画した.セミナー講師は,上肢,手外科領域に精通しており,本テーマに豊富な臨床や研究の経験をお持ちの3名の講師にご講演いただく.まず,蓬莱谷耕士OTRに近年の臨床および研究の動向についてご説明いただく.続いて,外傷術後の筋収縮異常に対する作業療法としてバイオフィードバック療法を中心に高橋里奈OTRに,痛みに対する振動刺激と映像観察法について成田大地OTRにご講演いただく.「運動器」,そして「運動器をコントロールする神経系」双方の機能回復を促し,日常生活で使える上肢,手の獲得に活かせる内容とした.
運動器疾患においても中枢神経系に着目したアプローチが求められる時代であり,作業療法士には,神経生理学を活かしたEBMに基づいた作業療法の実践と研究が期待されている.本セミナーを通して,運動器疾患に従事している多くの作業療法士の臨床や研究活動に役に立ち,作業療法がさらに発展することを期待する.
そこで,今回は手外科領域における神経生理学の研究動向と臨床応用について学べるセミナーを企画した.セミナー講師は,上肢,手外科領域に精通しており,本テーマに豊富な臨床や研究の経験をお持ちの3名の講師にご講演いただく.まず,蓬莱谷耕士OTRに近年の臨床および研究の動向についてご説明いただく.続いて,外傷術後の筋収縮異常に対する作業療法としてバイオフィードバック療法を中心に高橋里奈OTRに,痛みに対する振動刺激と映像観察法について成田大地OTRにご講演いただく.「運動器」,そして「運動器をコントロールする神経系」双方の機能回復を促し,日常生活で使える上肢,手の獲得に活かせる内容とした.
運動器疾患においても中枢神経系に着目したアプローチが求められる時代であり,作業療法士には,神経生理学を活かしたEBMに基づいた作業療法の実践と研究が期待されている.本セミナーを通して,運動器疾患に従事している多くの作業療法士の臨床や研究活動に役に立ち,作業療法がさらに発展することを期待する.