第56回日本作業療法学会

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企画セミナー

[C-13] 企画セミナー13 CIOTS Japan

Sat. Sep 17, 2022 4:40 PM - 5:40 PM 第8会場 (RoomE)

司会(コーディネーター):鈴木 達也(聖隷クリストファー大学)

[G-24] 企画セミナー13:作業療法士は誰一人取り残さずに作業遂行を支援する

1,斎藤さわ子,2.石橋 裕,3.古山千佳子,4.南 庄一郎 (1.筑波大学附属病院, 2.東京都立大学,3.県立広島大学 保健福祉学部 作業療法学コース,4.大阪精神医療センター
)

 「誰一人取り残さない」
 SDGs(持続可能な開発目標)の合言葉です。SDGsは、医療、保健、福祉などの領域に従事する作業療法士とも関わりがあり、17の大きな目標のうち3番目の「Good Health and Well-Being(全ての人に健康と福祉を)」とサブタイトルの「Ensure healthy lives and promote well-being for all at all ages(あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)」は馴染みがある言葉となっています。
 人々の健康的な生活を確保するために、作業療法士は作業に焦点を当てて関わります。その実践の流れの一つに、作業療法介入プロセスモデル(OTIPM)があります。このモデルでは、対象者から作業に関するニーズを聴き、作業遂行を評価します。ADL/IADLに関するニーズに対してはAMPSで、学校課題に関するニーズに対してはSchool AMPSで評価します。対人交流に関するニーズに対してはESIで評価します。その結果を踏まえて、作業遂行が上手くできるように介入モデルを選択し実行します。OTIPMで進めることで、時間をかけずに作業に変化を生み出し、対象者は健康的な生活に近づくことができます。
 実際の臨床場面の例で、回復期リハビリテーション 病棟ではADLの改善と入院期間の短縮が算定要件になっており、AMPSはその有効な手段となりえます。また、高齢者の介護予防・日常生活支援総合事業でもAMPSを活用することで効果をあげています。2021年の障害福祉サービス等報酬改定で、放課後等デイサービス、児童発達支援センター、児童発達支援事業所や就労支援継続支援A型、B型に専門職の配置加算として作業療法士の名前が明記され、今後、SchooAMPSとESIを活用する場面が増えることが予測されます。
 急速に変化する社会、制度の中、私たちは作業に焦点を当てた治療、指導、援助技術を用いることで、幅広い視点から人々の健康的な生活を支援したり、人々を社会につなげることで、持続可能な社会の一端を担うことができます。本セミナーでは、全ての人の健康を促進し社会につなげ、誰一人取り残さず、持続可能な社会を創る一助となるように、2019年に刷新された最新版のOTIPMを紹介し、各評価を使用した事例を紹介します。