[OR-3-5] 口述発表:教育 3「吹田OTプロジェクト」に関わってみて
~事例報告を中心としたオンライン学習会からの学び~
【はじめに】日本作業療法士協会は2021年3月5日に「2021年度新人作業療法士の入職にあたって配慮のお願い」を通知.「新人は臨床実習ができていないことを必要以上に重く受け止め,自分を過小評価したり本来の力を発揮できないことが懸念され,施設,都道府県作業療法士会,協会で協力して育成に取り組みたい」という内容であった.これを受け大阪府作業療法士会のモデル事業として「吹田OTプロジェクト」と題し市内2病院(以下,病院)と地域の施設の作業療法士(以下,OT)間で事例学習会(以下,会)を実施,会の運営に携わった経験を報告する.関係者には文書及び口頭で了承を得た.
【目的】会を振り返り,全容を明らかにする.
【方法】1.会の目的2.テーマ3.運営体制4.対象5.立ち上げ経緯6.プログラム7.事例概要8.成果物9.参加者意見を振り返る.
【結果】1.コロナ禍で出来なかった臨床経験のカバー.2.退院後の生活イメージの共有.3.病院OT部門責任者(以下,代表者)が3人.訪問看護事業所(以下,訪看)所属の3人と放課後等デイサービス(以下,放デイ)所属の2人の計5人がコーディネーターを担当.4.運営者で協議し病院の1~4年目のOT19人とした.オブザーバーで5年目以上も7人参加.5.コーディネーターと代表者が対話し発足.病院に事前アンケートを実施しテーマを設定.説明会を実施し参加希望者を募集.6.2021年6月~12月に計8回,全てWeb会議ツールZoomにて開催.1)回復期病棟から訪看に繋がった事例について各担当療法士から事例報告2)成果物作成の為のコーディネーターとの相談会3)病院別に成果物の内容を先輩に相談する会4)成果物作成の1)~4)を2回実施.成果物には事例報告からの気付きを自分の担当にどう活かしたかを記載.2回目は2)時点で成果物が完成した為3)の代わりにケアマネジャーや福祉用具専門相談員を招き退院後の社会資源やオンライン家屋調査等について意見交換を実施.7.1例目:転倒により頚髄損傷を受傷,退院後は妻が介助している70代男性.2例目:クモ膜下出血後,復職を希望する70代女性.8.1例目は17件,2例目は14件完成.1例目は家族・介護者との接触機会を増やす,他職種連携の機会を増やす,退院後のADLを不調時や介護者能力に合わせて低めに見積もる等.2例目はサマリーに個人因子を記載,退院時に本人に社会参加の話題や注意点を伝える,訓練に趣味活動を取り入れる等の気づきが活かされた.9.動画で退院後の生活を見られて良かった,退院後は機能維持のイメージだったが向上しており驚いた,社会参加にも段階があると知った,会の進め方に十分な説明を,3)の相談会は時間が足りない等の意見があった.
【考察】今回,代表者の理解の下継続して26人のOTに参加頂けた要因は1)事例報告から退院後の生活が確認でき生活イメージが共有できた2)オンラインツールの使用で参加のハードルが下がり,場所や職種を問わず参加できた3)生活イメージの共有という新型コロナ感染症流行以前からの課題に焦点を当てたことで5年目以上も参加しやすかった,の3点と考える.説明方法等は今後の課題.
【おわりに】筆者は新卒で放デイに入職以来4年間同期がおらず,大学の友達と話す度「同期より劣っている気がする」等漠たる不安を抱え,会の運営についても「共有以前に自分に退院後の生活イメージがないから難しい」と思っていた.これは協会の言う新人像と重なる部分があると思う.しかし会の参加者の姿を間近に見て,自己評価こそ変わらないが「人と比べても仕方ない,進み続けるしかないんだ」と割り切れた.運営に携わる機会を得て今まで見えなかった世界が見え,それが心境の変化に繋がったのだと思う.
【目的】会を振り返り,全容を明らかにする.
【方法】1.会の目的2.テーマ3.運営体制4.対象5.立ち上げ経緯6.プログラム7.事例概要8.成果物9.参加者意見を振り返る.
【結果】1.コロナ禍で出来なかった臨床経験のカバー.2.退院後の生活イメージの共有.3.病院OT部門責任者(以下,代表者)が3人.訪問看護事業所(以下,訪看)所属の3人と放課後等デイサービス(以下,放デイ)所属の2人の計5人がコーディネーターを担当.4.運営者で協議し病院の1~4年目のOT19人とした.オブザーバーで5年目以上も7人参加.5.コーディネーターと代表者が対話し発足.病院に事前アンケートを実施しテーマを設定.説明会を実施し参加希望者を募集.6.2021年6月~12月に計8回,全てWeb会議ツールZoomにて開催.1)回復期病棟から訪看に繋がった事例について各担当療法士から事例報告2)成果物作成の為のコーディネーターとの相談会3)病院別に成果物の内容を先輩に相談する会4)成果物作成の1)~4)を2回実施.成果物には事例報告からの気付きを自分の担当にどう活かしたかを記載.2回目は2)時点で成果物が完成した為3)の代わりにケアマネジャーや福祉用具専門相談員を招き退院後の社会資源やオンライン家屋調査等について意見交換を実施.7.1例目:転倒により頚髄損傷を受傷,退院後は妻が介助している70代男性.2例目:クモ膜下出血後,復職を希望する70代女性.8.1例目は17件,2例目は14件完成.1例目は家族・介護者との接触機会を増やす,他職種連携の機会を増やす,退院後のADLを不調時や介護者能力に合わせて低めに見積もる等.2例目はサマリーに個人因子を記載,退院時に本人に社会参加の話題や注意点を伝える,訓練に趣味活動を取り入れる等の気づきが活かされた.9.動画で退院後の生活を見られて良かった,退院後は機能維持のイメージだったが向上しており驚いた,社会参加にも段階があると知った,会の進め方に十分な説明を,3)の相談会は時間が足りない等の意見があった.
【考察】今回,代表者の理解の下継続して26人のOTに参加頂けた要因は1)事例報告から退院後の生活が確認でき生活イメージが共有できた2)オンラインツールの使用で参加のハードルが下がり,場所や職種を問わず参加できた3)生活イメージの共有という新型コロナ感染症流行以前からの課題に焦点を当てたことで5年目以上も参加しやすかった,の3点と考える.説明方法等は今後の課題.
【おわりに】筆者は新卒で放デイに入職以来4年間同期がおらず,大学の友達と話す度「同期より劣っている気がする」等漠たる不安を抱え,会の運営についても「共有以前に自分に退院後の生活イメージがないから難しい」と思っていた.これは協会の言う新人像と重なる部分があると思う.しかし会の参加者の姿を間近に見て,自己評価こそ変わらないが「人と比べても仕方ない,進み続けるしかないんだ」と割り切れた.運営に携わる機会を得て今まで見えなかった世界が見え,それが心境の変化に繋がったのだと思う.