[PA-2-1] ポスター:脳血管疾患等 2回復期リハビリテーション病棟における脳卒中患者の退院時FIM予後予測
【序論】回復期リハビリテーション病棟(以下回リハ病棟)では2016年度の診療報酬改定で初めてアウトカム評価が導入された.そのアウトカム評価はFunctional independence measure(以下FIM)の運動項目の利得と在院日数が重要となってくる.その後も2018年度には回リハ病棟入院料Ⅰで37以上が求められ,2020年度診療報酬改訂では40以上が求められている.このように診療報酬改定ごとに実績指数が引き上げられてきている.実績指数を良好に保つためにはFIMの予後予測を正確に行う必要がある.
【目的】今回は,特に回リハ病棟の入院患者の多くの割合を占める脳血管障害について検討した.退院時FIMの予後予測は活況で徳永誠ら(2015)の調査ではmFIM effectivenessから退院時FIMを算出する方法は,退院時mFIMを直接推算するよりも予測精度が高かったと報告している.本研究では,初発脳卒中患者の帰結予測に対してどのような方法が有効か検討した.
【方法】本研究は倫理委員会の承認を得て実施した.
対象:取り込み基準として,2019年4月から2021年3月までに入院した当院の脳血管疾患対象者のうち初発患者で疾患名は脳梗塞,脳出血を呈した116名を対象とした.評価項目:年齢,性別,疾患の種類,入院までの日数,入院時mFIM,入院時cFIMの6因子とした.初発対象者の選定はカルテの既往歴からピックアップして行った.分析方法:従属変数を予測値はmFIMeffectiveness,実測値は退院時FIM,独立変数を年齢,性別,疾患の種類,入院までの日数,入院時mFIM,入院時cFIMの6 因子を制御した多重ロジスティック回帰分析を行った.名義尺度変数である性別,疾患の種類についてはダミー変数化した.
【結果】予測値ではVIFは全て10.0未満であり多重共線性には問題がなく,調整済みR2は0.65であった.年齢(標準化係数:-0.28),性別(標準化係数:0.05),疾患の種類(標準化係数:0.01),入院までの日数(標準化係数:0.13),入院時mFIM(標準化係数:0.49),入院時cFIM(標準化係数:0.21)であった.実測値ではVIFは全て10.0未満であり多重共線性には問題がなく,調整済みR2は0.75であった.年齢(標準化係数:-0.17),性別(標準化係数:0.06),疾患の種類(標準化係数:0.02),入院までの日数(標準化係数:-0.05),入院時mFIM(標準化係数:0.65),入院時cFIM(標準化係数:0.18)であった.
【考察】本研究では,先行研究の徳永誠ら(2015)と比較してサンプルサイズが小さかったことも影響する可能性はあるが結果に相違があった.病院ごとの特性もあることも考えられるため先行研究の方法の一般化は慎重に行う必要性があると考える.また,今回は脳血管初発患者で検討しており脳卒中全患者や運動器疾患での検討も必要になってくると考える.
【目的】今回は,特に回リハ病棟の入院患者の多くの割合を占める脳血管障害について検討した.退院時FIMの予後予測は活況で徳永誠ら(2015)の調査ではmFIM effectivenessから退院時FIMを算出する方法は,退院時mFIMを直接推算するよりも予測精度が高かったと報告している.本研究では,初発脳卒中患者の帰結予測に対してどのような方法が有効か検討した.
【方法】本研究は倫理委員会の承認を得て実施した.
対象:取り込み基準として,2019年4月から2021年3月までに入院した当院の脳血管疾患対象者のうち初発患者で疾患名は脳梗塞,脳出血を呈した116名を対象とした.評価項目:年齢,性別,疾患の種類,入院までの日数,入院時mFIM,入院時cFIMの6因子とした.初発対象者の選定はカルテの既往歴からピックアップして行った.分析方法:従属変数を予測値はmFIMeffectiveness,実測値は退院時FIM,独立変数を年齢,性別,疾患の種類,入院までの日数,入院時mFIM,入院時cFIMの6 因子を制御した多重ロジスティック回帰分析を行った.名義尺度変数である性別,疾患の種類についてはダミー変数化した.
【結果】予測値ではVIFは全て10.0未満であり多重共線性には問題がなく,調整済みR2は0.65であった.年齢(標準化係数:-0.28),性別(標準化係数:0.05),疾患の種類(標準化係数:0.01),入院までの日数(標準化係数:0.13),入院時mFIM(標準化係数:0.49),入院時cFIM(標準化係数:0.21)であった.実測値ではVIFは全て10.0未満であり多重共線性には問題がなく,調整済みR2は0.75であった.年齢(標準化係数:-0.17),性別(標準化係数:0.06),疾患の種類(標準化係数:0.02),入院までの日数(標準化係数:-0.05),入院時mFIM(標準化係数:0.65),入院時cFIM(標準化係数:0.18)であった.
【考察】本研究では,先行研究の徳永誠ら(2015)と比較してサンプルサイズが小さかったことも影響する可能性はあるが結果に相違があった.病院ごとの特性もあることも考えられるため先行研究の方法の一般化は慎重に行う必要性があると考える.また,今回は脳血管初発患者で検討しており脳卒中全患者や運動器疾患での検討も必要になってくると考える.