[PC-1-1] ポスター:呼吸器疾患 1新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対する作業療法での関わりと課題の報告
【はじめに】
COVID-19は2022年2月現在,感染症法上2類感染症であるため,隔離対応が必要となる呼吸器疾患であり,リハビリテーション(リハ)介入時には,感染防護具を着用した状態での関わりが必要となる.2020年2月,ダイヤモンドプリンセス号にて国内での集団感染が発生した当初より対象者の受け入れを行い,リハ科としては同年4月より理学療法士(PT)が介入開始,作業療法士(OT)は2021年1月より介入を始めた.OT介入より約1年経過し,2月現在で約50名の方を介入する機会があった.呼吸器疾患であり,感染症という特殊な対応が必要な疾患に行ってきた関わりを報告する.なお,本発表に際し,当院倫理委員会に同意を得ている.
【目的】
これまでのCOVID-19を罹患された方への対応を振り返ることで,OTの関わりについて情報と今後の課題について整理する.
【作業療法の実際】
各対象者への共通した関わりとして,関節可動域訓練(ROMex)や筋力強化訓練,基本動作練習,ADL練習,精神面の賦活を行った.リハ介入で使用する物品使用の際には,感染対策室にその都度確認を行い,必要な対応の上持ち込んだ.重症例の対象者は,人工呼吸器装着中から介入を開始した.人工呼吸器装着中からも積極的なリハビリを行った.筋力訓練では,徒手による筋力強化やグリップ,セラバンドなど物品を使用した訓練を実施した.中等症例では,上記の訓練に加え,酸素の数値を見ながら立位でのバランス練習やタオルを用いた粗大運動を行った.軽症例では,テラスエルゴメーターを用いた運動や室内,廊下での連続歩行など有酸素運動,スクワットやペットボトルを活用したレジスタンストレーニング,全身運動の体操を行った.直接的な介入以外にも,自主トレーニングも指導し積極的な介入を実施した.認知症を有する対象者には,車椅子乗車訓練や全身の体操,リアリティーオリエンテーションという現実見当識訓練を行った.物品としてカレンダーや時計,テレビや新聞などの情報を用いて介入を行った.また,元々の生活習慣に合わせたADL訓練を心がけ,昼食時に食事摂取評価を,夕方に着替えの時間に合わせて実施した.TVの体操番組の時間に合わせ運動療法を実施した.認知機能検査が必要な方には,MMSEの検査も行った.
【結果と課題】
まず,感染症対策を行いながらリハ介入を行う必要があり,様々な制約が生じた.感染対策のために感染防護具の着用が必要であり,適切な対応をすることが求められた.訓練場所や物品に関しては,対象者の評価や訓練内容に制限が生じるため感染対策室との情報共有が重要であった.経験を通じて今後の課題として感じたことは,感染対策を行った形で持ち込める物品を増やしていくことが挙げられる.また,病棟スタッフでも実施できる形の訓練プログラムも準備しておくことで,運動や活動する機会を増やすことが大切である.そして,どのリハ職でも必要なニーズに応じて対応できる感染対策や職場環境を整えることが重要である.
【まとめ】
COVID-19は新しい疾患であるため前例がなく,適宜様々なことについて情報収集を行いながらリハ介入をしてきた.今後,感染症の分類が変わり一般病棟や地域で対応することになり,OTの介入を求められる機会が増えたとき,必要なニーズに対して効果的なリハビリテーションが提供できるよう,適切な感染対策と対象者への評価や介入の仕方について学んでいくことは,医療職として重要な役割であると考える.
COVID-19は2022年2月現在,感染症法上2類感染症であるため,隔離対応が必要となる呼吸器疾患であり,リハビリテーション(リハ)介入時には,感染防護具を着用した状態での関わりが必要となる.2020年2月,ダイヤモンドプリンセス号にて国内での集団感染が発生した当初より対象者の受け入れを行い,リハ科としては同年4月より理学療法士(PT)が介入開始,作業療法士(OT)は2021年1月より介入を始めた.OT介入より約1年経過し,2月現在で約50名の方を介入する機会があった.呼吸器疾患であり,感染症という特殊な対応が必要な疾患に行ってきた関わりを報告する.なお,本発表に際し,当院倫理委員会に同意を得ている.
【目的】
これまでのCOVID-19を罹患された方への対応を振り返ることで,OTの関わりについて情報と今後の課題について整理する.
【作業療法の実際】
各対象者への共通した関わりとして,関節可動域訓練(ROMex)や筋力強化訓練,基本動作練習,ADL練習,精神面の賦活を行った.リハ介入で使用する物品使用の際には,感染対策室にその都度確認を行い,必要な対応の上持ち込んだ.重症例の対象者は,人工呼吸器装着中から介入を開始した.人工呼吸器装着中からも積極的なリハビリを行った.筋力訓練では,徒手による筋力強化やグリップ,セラバンドなど物品を使用した訓練を実施した.中等症例では,上記の訓練に加え,酸素の数値を見ながら立位でのバランス練習やタオルを用いた粗大運動を行った.軽症例では,テラスエルゴメーターを用いた運動や室内,廊下での連続歩行など有酸素運動,スクワットやペットボトルを活用したレジスタンストレーニング,全身運動の体操を行った.直接的な介入以外にも,自主トレーニングも指導し積極的な介入を実施した.認知症を有する対象者には,車椅子乗車訓練や全身の体操,リアリティーオリエンテーションという現実見当識訓練を行った.物品としてカレンダーや時計,テレビや新聞などの情報を用いて介入を行った.また,元々の生活習慣に合わせたADL訓練を心がけ,昼食時に食事摂取評価を,夕方に着替えの時間に合わせて実施した.TVの体操番組の時間に合わせ運動療法を実施した.認知機能検査が必要な方には,MMSEの検査も行った.
【結果と課題】
まず,感染症対策を行いながらリハ介入を行う必要があり,様々な制約が生じた.感染対策のために感染防護具の着用が必要であり,適切な対応をすることが求められた.訓練場所や物品に関しては,対象者の評価や訓練内容に制限が生じるため感染対策室との情報共有が重要であった.経験を通じて今後の課題として感じたことは,感染対策を行った形で持ち込める物品を増やしていくことが挙げられる.また,病棟スタッフでも実施できる形の訓練プログラムも準備しておくことで,運動や活動する機会を増やすことが大切である.そして,どのリハ職でも必要なニーズに応じて対応できる感染対策や職場環境を整えることが重要である.
【まとめ】
COVID-19は新しい疾患であるため前例がなく,適宜様々なことについて情報収集を行いながらリハ介入をしてきた.今後,感染症の分類が変わり一般病棟や地域で対応することになり,OTの介入を求められる機会が増えたとき,必要なニーズに対して効果的なリハビリテーションが提供できるよう,適切な感染対策と対象者への評価や介入の仕方について学んでいくことは,医療職として重要な役割であると考える.