[PH-2-5] ポスター:精神障害 2気分障害者の復職後の就労継続に関わる要因
【序論】
近年,気分障害をはじめとする精神障害による休職者の増加が社会的問題となっている.精神障害者の就労支援においては,単に復職するだけでなく,復職を継続することの問題について指摘されている.これまで,気分障害者の復職後の就労継続要因が明らかとなってきているが,作業療法分野においての研究は少ない現状である.
【目的】
本研究では系統的文献レビューを通して,気分障害者が復職後,再休職することなく就労を継続するための要因を明らかにし,作業療法の役割について検討することを目的とした.
【方法】
気分障害者の復職後の就労継続に関する文献について医学中央雑誌WEB版(ver.5)を使用し,検索キーワードはリワークand要因として検索し,就労継続の要因についてまとめた.
【結果】
1.文献の精査
文献検索の結果,300件が該当し最終的に12件の文献から6つの就労継続の要因に分類した.また,作業療法士が著者である文献は1件のみであった.
2.文献の結果
1)属性:<促進因子> 40歳代.<阻害因子> 女性,未婚者,単身生活者.
2) 基本的生活:<促進因子> 基本的生活,健康管理,家事の手伝い,睡眠リズムが安定,生活リズムの安定.<阻害因子> 二度寝の程度, PCの長時間の使用.
3)人的環境:<促進因子> 職場との関係,家族からの協力,上司との連絡,ジョブコーチ等人的支援,就職時に福祉機関との連携,人事労務スタッフとの定期面談.<阻害因子> 従業員が持つ社会的スティグマ,多忙な業務による管理の困難さ,職場側の配慮不足,家族の問題.
4)休職期間・回数:<促進因子> 職歴がなかった場合,休職回数1回群.<阻害因子> 過去の長期の総休職期間,過去に3回以上休職.
5)医学的背景:<促進因子> 課題や作業を継続できる力,抑うつ症状の改善.<阻害因子>障害特性による問題,社会的未熟さ,若い初診時年齢,病前からの不適応,発達障害,課題や作業を継続できないほどの回避傾向,仕事の不適応感,他罰傾向のある人,様々な本人自身の問題,不慮の事故.
6)復職・リワークプログラムへの適応:<促進因子> 復職意欲,プログラムの必要性の理解,症状の再燃防止に役立つ何らかの工夫を持っている,休職を良い転機であったと捉えている,復職後もリワークで学んだ事を実践していく,職場に焦点化した認知行動療法.<阻害因子> 復職意欲の乏しさ,プログラムの必要性の理解不足.
【考察】
様々な要因が挙げられている中で,作業療法士が関わる上で最も重要な点は基本的生活や課題や作業を継続できる力であると考える.基本的生活では,家事や睡眠などの作業バランスを考える必要があり,生活を支える作業療法士が関わることが有効である.リワークに関わるスタッフの主な資格は,臨床心理士が最も多く,作業療法士が12.9%と作業療法士が関わっている機関が少ない.第三次作業療法5ヵ年戦略(2018-2022)では,作業療法士もそれぞれの地域が抱える課題を把握し,それぞれの地域の医療・介護・保健・福祉・教育の場でどの様な貢献ができるかを問われているとあり,地域で暮らし,働くという役割を持ち続けることを支えることが作業療法士としての役割であり,作業療法士がリワークに積極的に関与していく必要があると考える.
近年,気分障害をはじめとする精神障害による休職者の増加が社会的問題となっている.精神障害者の就労支援においては,単に復職するだけでなく,復職を継続することの問題について指摘されている.これまで,気分障害者の復職後の就労継続要因が明らかとなってきているが,作業療法分野においての研究は少ない現状である.
【目的】
本研究では系統的文献レビューを通して,気分障害者が復職後,再休職することなく就労を継続するための要因を明らかにし,作業療法の役割について検討することを目的とした.
【方法】
気分障害者の復職後の就労継続に関する文献について医学中央雑誌WEB版(ver.5)を使用し,検索キーワードはリワークand要因として検索し,就労継続の要因についてまとめた.
【結果】
1.文献の精査
文献検索の結果,300件が該当し最終的に12件の文献から6つの就労継続の要因に分類した.また,作業療法士が著者である文献は1件のみであった.
2.文献の結果
1)属性:<促進因子> 40歳代.<阻害因子> 女性,未婚者,単身生活者.
2) 基本的生活:<促進因子> 基本的生活,健康管理,家事の手伝い,睡眠リズムが安定,生活リズムの安定.<阻害因子> 二度寝の程度, PCの長時間の使用.
3)人的環境:<促進因子> 職場との関係,家族からの協力,上司との連絡,ジョブコーチ等人的支援,就職時に福祉機関との連携,人事労務スタッフとの定期面談.<阻害因子> 従業員が持つ社会的スティグマ,多忙な業務による管理の困難さ,職場側の配慮不足,家族の問題.
4)休職期間・回数:<促進因子> 職歴がなかった場合,休職回数1回群.<阻害因子> 過去の長期の総休職期間,過去に3回以上休職.
5)医学的背景:<促進因子> 課題や作業を継続できる力,抑うつ症状の改善.<阻害因子>障害特性による問題,社会的未熟さ,若い初診時年齢,病前からの不適応,発達障害,課題や作業を継続できないほどの回避傾向,仕事の不適応感,他罰傾向のある人,様々な本人自身の問題,不慮の事故.
6)復職・リワークプログラムへの適応:<促進因子> 復職意欲,プログラムの必要性の理解,症状の再燃防止に役立つ何らかの工夫を持っている,休職を良い転機であったと捉えている,復職後もリワークで学んだ事を実践していく,職場に焦点化した認知行動療法.<阻害因子> 復職意欲の乏しさ,プログラムの必要性の理解不足.
【考察】
様々な要因が挙げられている中で,作業療法士が関わる上で最も重要な点は基本的生活や課題や作業を継続できる力であると考える.基本的生活では,家事や睡眠などの作業バランスを考える必要があり,生活を支える作業療法士が関わることが有効である.リワークに関わるスタッフの主な資格は,臨床心理士が最も多く,作業療法士が12.9%と作業療法士が関わっている機関が少ない.第三次作業療法5ヵ年戦略(2018-2022)では,作業療法士もそれぞれの地域が抱える課題を把握し,それぞれの地域の医療・介護・保健・福祉・教育の場でどの様な貢献ができるかを問われているとあり,地域で暮らし,働くという役割を持ち続けることを支えることが作業療法士としての役割であり,作業療法士がリワークに積極的に関与していく必要があると考える.