[PI-1-6] ポスター:発達障害 1ABC分析を用いて学童保育における作業療法コンサルテーションを行った事例
【はじめに】近年,利用児が増加している学童保育は,小学校で過ごす時間よりも学童保育で過ごす時間が多いと報告されており,多くの小学生が「生活と遊び」を通じて自分自身を成長・発達させる重要な場所になっている.学童保育では近年自閉スペクトラム症や注意欠如/多動症といった発達障害をもつ児童の受け入れや支援方法が問題となっており,2016年より岡山県学童保育連絡協議会を中心に,学童保育に作業療法士(以下,OT)が赴いてコンサルテーションを行うモデル事業(以下,OTコンサル事業)が全国で行われている.OTコンサル事業の対象児童である発達障害の子ども達への支援方法の1つに,応用行動分析(以下,ABA)がある.ABAは「子どもの行動」だけではなく,行動の「きっかけ」と「結果」に注目することで,子どもに対する理解を深めていくものであり,その際に使われるのがAntecedent=行動前の状況 → Behavior=行動 → Consequence=行動の結果で考えられるABC分析である.OTコンサル事業では,このABC分析により子どもの困った行動の原因や背景を指導員とのカンファレンスで一緒に考えいくことで相互の理解が深まりやすい.今回,ABC分析にて子どもの行動を評価し,カンファレンスを行った内容を報告する.なお,本発表に際してコンサルテーションを行った学童保育より同意を得ている.
【子どもの様子と主訴】様子小学校2年生男児.診断名:ADHD.1年生の3学期の終わりごろ,学童保育へ来所中に階段で滑って転び,右足首骨折.5月中旬に学校から下校し学童保育へ来所する道路で走っていたところ転倒し,再度同じ右足首を骨折.2週間後ギプスが外れるも小学校の階段を踏み外し左足首捻挫.左足首ギプス,右足首サポーターで松葉杖での歩行になる.主訴:学童保育内で走らせないことは大変困難.移動はほどんどが駆け足になってしまう.行動を止めることにより児のストレスが多くなりイライラの原因となる.足が完治するまで,走らせない方法はあるのでしょうか?
【評価結果とABC分析】評価:全体的に低緊張で扁平足.姿勢保持やバランス保持に難しさがある.眼球運動が苦手で見ようとすると身体全体が動いてしまう.つまみが下手.手元を見ないと開けることができない.ABC分析:A:低緊張・眼球運動が拙劣 → B:転倒する.注目しようとすると頭部が動く → C:怪我をする.多動に見えてしまう.
【カンファレンスとその後】カンファレンスにてABC分析にて主訴の背景を説明した.Aの低緊張や眼球運動にアプローチするために,ブランコ遊びを提案したが近隣公園にはブランコはないとのこと.それでは,同時収縮やバランスを必要とする遊びは何かできないかと相談すると,その遊びの中で木登りなどはどうかという話になった.指導員は,児童の情報を共有し児童の背景に寄り添うような関わりを行った.転んでも良いように庭に砂を敷き詰め,砂遊びや木登りなどにさりげなく誘うようにした.3ヶ月後のアフターフォローでは,自分1人で木に登るなど元気に外で遊んでいる姿が観察された.指導員からは,「安心して見ていられるようになった」という意見が聞かれた.
【考察】OTコンサル事業ではOTは生活や遊び場面を観察しながら主訴の原因や背景を考察し,その支援方法を指導員とのカンファレンスで一緒に考える間接支援となっている.カンファレンスの場では分かりやすく主訴の原因や背景を説明し,指導員と一緒にその対応策を考えていく必要があるが,ABC分析を用いて子どもの行動を評価することで,指導員の理解が深まったものと考えらえられる.
【子どもの様子と主訴】様子小学校2年生男児.診断名:ADHD.1年生の3学期の終わりごろ,学童保育へ来所中に階段で滑って転び,右足首骨折.5月中旬に学校から下校し学童保育へ来所する道路で走っていたところ転倒し,再度同じ右足首を骨折.2週間後ギプスが外れるも小学校の階段を踏み外し左足首捻挫.左足首ギプス,右足首サポーターで松葉杖での歩行になる.主訴:学童保育内で走らせないことは大変困難.移動はほどんどが駆け足になってしまう.行動を止めることにより児のストレスが多くなりイライラの原因となる.足が完治するまで,走らせない方法はあるのでしょうか?
【評価結果とABC分析】評価:全体的に低緊張で扁平足.姿勢保持やバランス保持に難しさがある.眼球運動が苦手で見ようとすると身体全体が動いてしまう.つまみが下手.手元を見ないと開けることができない.ABC分析:A:低緊張・眼球運動が拙劣 → B:転倒する.注目しようとすると頭部が動く → C:怪我をする.多動に見えてしまう.
【カンファレンスとその後】カンファレンスにてABC分析にて主訴の背景を説明した.Aの低緊張や眼球運動にアプローチするために,ブランコ遊びを提案したが近隣公園にはブランコはないとのこと.それでは,同時収縮やバランスを必要とする遊びは何かできないかと相談すると,その遊びの中で木登りなどはどうかという話になった.指導員は,児童の情報を共有し児童の背景に寄り添うような関わりを行った.転んでも良いように庭に砂を敷き詰め,砂遊びや木登りなどにさりげなく誘うようにした.3ヶ月後のアフターフォローでは,自分1人で木に登るなど元気に外で遊んでいる姿が観察された.指導員からは,「安心して見ていられるようになった」という意見が聞かれた.
【考察】OTコンサル事業ではOTは生活や遊び場面を観察しながら主訴の原因や背景を考察し,その支援方法を指導員とのカンファレンスで一緒に考える間接支援となっている.カンファレンスの場では分かりやすく主訴の原因や背景を説明し,指導員と一緒にその対応策を考えていく必要があるが,ABC分析を用いて子どもの行動を評価することで,指導員の理解が深まったものと考えらえられる.