[PI-4-4] ポスター:発達障害 4レット症候群児(者)の手の常同運動を減らす介入
保護者に対する質問紙調査
1.序論・目的
手の常同運動はレット症候群児(者)の多くに見られ,関節拘縮や皮膚損傷等を誘発することが指摘されている.一方で,レット症候群児(者)の手の常同運動を減らす介入は体系化されていない.そこで,本研究においては,レット症候群児(者)の手の常同運動を減らす介入の実態とその内容について明らかにすることを目的とした.
2.方法
日本レット症候群協会会員の131家族とレット症候群支援機構会員の63家族の計194家族を対象に,2020年9–11月にかけて自記式質問紙を用い郵送と返送によって情報を収集した.質問紙には手の常同運動を減らす介入について,現在の介入の有無と過去の介入の有無,介入を受けている場合はその内容を含めた.得られた情報については記述統計を行った.本研究は所属機関の倫理審査委員会の承認を得て行われた.
3.結果
レット症候群児(者)72名,平均±標準偏差12.8±10.4歳(範囲1–46歳)の情報を収集することができた.横地分類では主にA1–6に36名,B1–6に30名が属していた.手の常同運動は全例に確認された.手の常同運動を減らす介入を現在受けている児(者)は35名(48.6%),受けていない児(者)は37名(51.4%)であった.過去に介入を受けていた児(者)は26名(54.2%),受けていなかった児(者)は22名(45.8%),不明24名であった.現在あるいは過去に介入を受けた経験のある児(者)は49名(72.1%),経験のない児(者)は19名(27.9%),不明4名であった.介入の内容については,現在介入を受けている児(者)の内32名においては装具の使用25名(上腕1名,肘15名,前腕2名,手8名,手指6名),マッサージ4名,手を握る4名,手の使用の促し3名,物を握らせる3名,声掛け3名,衣服やテーブルの調整2名,感覚遊び1名であった(複数回答).過去に介入を受けていた児(者)の内17名においては装具の使用14名,気の逸らし2名,手の使用の促し1名,物を握らせる1名,衣服やテーブルの調整1名,応用行動分析・作業療法1名,服薬1名であった(複数回答).
4.考察・結論
本結果から,全例に手の常同運動が確認されたにも関わらず,手の常同運動を減らす介入を受けていた児(者)については,現在と過去の各時点では約半数,現在と過去のいずれかでは約7割であった.これらの結果は先行研究結果と類似しているものの,要因は不明である.今後どのような児(者)が介入を受けていたかについての分析が求められる.また,手の常同運動を減らす介入の内容としては装具の使用が最も多く,先行研究からも装具の効果は示されている.一方で,装具の使用以外の介入についても複数確認され,今後個別の検討が求められる.
手の常同運動はレット症候群児(者)の多くに見られ,関節拘縮や皮膚損傷等を誘発することが指摘されている.一方で,レット症候群児(者)の手の常同運動を減らす介入は体系化されていない.そこで,本研究においては,レット症候群児(者)の手の常同運動を減らす介入の実態とその内容について明らかにすることを目的とした.
2.方法
日本レット症候群協会会員の131家族とレット症候群支援機構会員の63家族の計194家族を対象に,2020年9–11月にかけて自記式質問紙を用い郵送と返送によって情報を収集した.質問紙には手の常同運動を減らす介入について,現在の介入の有無と過去の介入の有無,介入を受けている場合はその内容を含めた.得られた情報については記述統計を行った.本研究は所属機関の倫理審査委員会の承認を得て行われた.
3.結果
レット症候群児(者)72名,平均±標準偏差12.8±10.4歳(範囲1–46歳)の情報を収集することができた.横地分類では主にA1–6に36名,B1–6に30名が属していた.手の常同運動は全例に確認された.手の常同運動を減らす介入を現在受けている児(者)は35名(48.6%),受けていない児(者)は37名(51.4%)であった.過去に介入を受けていた児(者)は26名(54.2%),受けていなかった児(者)は22名(45.8%),不明24名であった.現在あるいは過去に介入を受けた経験のある児(者)は49名(72.1%),経験のない児(者)は19名(27.9%),不明4名であった.介入の内容については,現在介入を受けている児(者)の内32名においては装具の使用25名(上腕1名,肘15名,前腕2名,手8名,手指6名),マッサージ4名,手を握る4名,手の使用の促し3名,物を握らせる3名,声掛け3名,衣服やテーブルの調整2名,感覚遊び1名であった(複数回答).過去に介入を受けていた児(者)の内17名においては装具の使用14名,気の逸らし2名,手の使用の促し1名,物を握らせる1名,衣服やテーブルの調整1名,応用行動分析・作業療法1名,服薬1名であった(複数回答).
4.考察・結論
本結果から,全例に手の常同運動が確認されたにも関わらず,手の常同運動を減らす介入を受けていた児(者)については,現在と過去の各時点では約半数,現在と過去のいずれかでは約7割であった.これらの結果は先行研究結果と類似しているものの,要因は不明である.今後どのような児(者)が介入を受けていたかについての分析が求められる.また,手の常同運動を減らす介入の内容としては装具の使用が最も多く,先行研究からも装具の効果は示されている.一方で,装具の使用以外の介入についても複数確認され,今後個別の検討が求められる.