[PI-5-1] ポスター:発達障害 5知的障害特別支援学校での更衣動作の支援
【はじめに】
知的障害特別支援学校では,登校してくると朝の活動として,連絡帳や給食袋など鞄の中身を指定された場所に置き,登校着から学校着への着替えをしていることが多い.学校の活動では,ある程度の時間枠があるため,更衣動作において,動作としては可能でも,モチベーションや様々な要因で教員の介入を要する児童がいる.そこで,更衣動作の課題を分析し,必要な支援の内容と程度を検討して,担任とともに実践したので報告する.
【方法】
ある特別支援学校小学部低学年の更衣動作における課題を4月~6月にかけて要素ごとにまとめた.その中で特に気になる課題として①衣服の設定と前後の判断についてと②モチベーションについて,を取り上げ,その課題を持つ2名に対し,7月以降,週1~2回程度介入し,担任と支援方法について共有し,経過を追って分析した.なお,経過を追った2名に関しては,保護者に説明をし,同意を得た.
【更衣動作における課題の分析】
今回分析した知的障害特別支援学校の小学部低学年の児童の中には,動作において全介助と完全自立の児童はおらず,介助群,環境設定群,ほぼ自立群の3群に分けられた.さらに,環境設定群は集中力とスピードが課題,衣服の設定と前後の判断が課題のメンバーに分けられ,ほぼ自立群はモチベーションが課題,時々前後の間違いが課題のメンバーに分けられた. ①衣服の設定と衣服前後の判断が必要な児に対しては,視覚的な手がかりを提示し,繰り返し見比べて確認する支援を行った. ②モチベーションが課題の児に対しては,環境設定,一人で可能な動作を再分析し,本人独自のパターンを発見し,毎回同じ手順で行うことを促すことで取り掛かるきっかけを作った.また,動作分析の中では,上衣の脱衣の際の肘を抜く動作に本人が難しさを感じていた.失敗するとモチベーションが下がり,その後再び取り組むまでに時間を要することが分かったため,今までとは別の動作方法を具体的に「腕を上げて下方向にひくこと」を提案し,肘をひき抜きやすいやり方を行うように促した.
【 結果】
①視覚的な手がかりを提示し,繰り返し練習した児は,見守りと前後の間違いについての確認(本人の不安解消のため)程度となった.
②モチベーションが課題の児は,本人の独自のパターンの促しと,失敗をさせない支援で,少しずつではあるが,更衣動作に取り組み始めるようになってきた.
【考察】
知的障害特別支援学校の小学部低学年における更衣動作の課題について分析し,継続的に介入した.特別支援学校に入学して数年の間の児童にとって,特に登校時の更衣動作は,モチベーションがあがりにくく,担任が支援方法に悩むことが多い活動である.今回,1年を通して担任と連携しながら実際の時間に継続的に関わることで,更衣動作のスキルアップが図れた.学校現場で支援を行う際には,時間や環境設定も含めて更衣動作での課題を分析し,支援方法を考える必要がある.更衣動作のどの過程でどんな要素の課題があり,どれくらいの支援が必要かを分析し,その集団の中で可能な支援の方法を担任と一緒に行っていくのが良いのか考えることが重要だと実感できた.
知的障害特別支援学校では,登校してくると朝の活動として,連絡帳や給食袋など鞄の中身を指定された場所に置き,登校着から学校着への着替えをしていることが多い.学校の活動では,ある程度の時間枠があるため,更衣動作において,動作としては可能でも,モチベーションや様々な要因で教員の介入を要する児童がいる.そこで,更衣動作の課題を分析し,必要な支援の内容と程度を検討して,担任とともに実践したので報告する.
【方法】
ある特別支援学校小学部低学年の更衣動作における課題を4月~6月にかけて要素ごとにまとめた.その中で特に気になる課題として①衣服の設定と前後の判断についてと②モチベーションについて,を取り上げ,その課題を持つ2名に対し,7月以降,週1~2回程度介入し,担任と支援方法について共有し,経過を追って分析した.なお,経過を追った2名に関しては,保護者に説明をし,同意を得た.
【更衣動作における課題の分析】
今回分析した知的障害特別支援学校の小学部低学年の児童の中には,動作において全介助と完全自立の児童はおらず,介助群,環境設定群,ほぼ自立群の3群に分けられた.さらに,環境設定群は集中力とスピードが課題,衣服の設定と前後の判断が課題のメンバーに分けられ,ほぼ自立群はモチベーションが課題,時々前後の間違いが課題のメンバーに分けられた. ①衣服の設定と衣服前後の判断が必要な児に対しては,視覚的な手がかりを提示し,繰り返し見比べて確認する支援を行った. ②モチベーションが課題の児に対しては,環境設定,一人で可能な動作を再分析し,本人独自のパターンを発見し,毎回同じ手順で行うことを促すことで取り掛かるきっかけを作った.また,動作分析の中では,上衣の脱衣の際の肘を抜く動作に本人が難しさを感じていた.失敗するとモチベーションが下がり,その後再び取り組むまでに時間を要することが分かったため,今までとは別の動作方法を具体的に「腕を上げて下方向にひくこと」を提案し,肘をひき抜きやすいやり方を行うように促した.
【 結果】
①視覚的な手がかりを提示し,繰り返し練習した児は,見守りと前後の間違いについての確認(本人の不安解消のため)程度となった.
②モチベーションが課題の児は,本人の独自のパターンの促しと,失敗をさせない支援で,少しずつではあるが,更衣動作に取り組み始めるようになってきた.
【考察】
知的障害特別支援学校の小学部低学年における更衣動作の課題について分析し,継続的に介入した.特別支援学校に入学して数年の間の児童にとって,特に登校時の更衣動作は,モチベーションがあがりにくく,担任が支援方法に悩むことが多い活動である.今回,1年を通して担任と連携しながら実際の時間に継続的に関わることで,更衣動作のスキルアップが図れた.学校現場で支援を行う際には,時間や環境設定も含めて更衣動作での課題を分析し,支援方法を考える必要がある.更衣動作のどの過程でどんな要素の課題があり,どれくらいの支援が必要かを分析し,その集団の中で可能な支援の方法を担任と一緒に行っていくのが良いのか考えることが重要だと実感できた.