[PN-1-2] ポスター:地域 1COVID-19流行下における地域在住高齢者の余暇活動の制限と習慣化との関連
【背景と目的】COVID-19流行下で高齢者の余暇活動は,作業機会の減少や作業形態の変更を余儀なくされている.人間作業モデルの基本概念の一つに習慣化があり(kielhofnerら,2019),社会活動に自粛・制限を強いられる状況では高齢者の習慣化にも影響があると考えられる.しかし,高齢者の余暇活動の制限と習慣化との関連を明らかにした研究は見当たらない.本研究では地域高齢者の余暇活動の制限と習慣化との関連を明らかにすることを目的とした.
【方法】茨城県在住の高齢者498名を対象に,郵送調査法(2021年10月1日〜2週間)を実施し,本人回答の365部を分析対象とした(有効回収率73.3%).余暇活動は「現代高齢者版余暇活動尺度」を用い,11項目の活動に対し4件法(3.よくする〜0.全くしない)で回答を求めた.調査時点とコロナ禍以前を調査し,各余暇活動の変化量(調査時–コロナ禍以前)を算出した(-1以下は活動制限あり).コロナ禍以前は後方視的に回答を求め,コロナ禍以前からその活動を行なっていない者は除外した.習慣化の測定は先行研究を参考に「生活パターンの満足度」と操作的に定義し,現在の生活パターン(習慣・日課や役割)に対し4件法(4.とても満足〜1.満足ではない)で回答を求めた.各余暇活動の変化量と生活パターンの満足度との関連を検討するため相関分析(Spearman)を行った.本研究は,北里大学医療衛生学部研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(No.2019-029).
【結果】参加者は365名(男性85名,女性280名),平均年齢77.1±4.6歳,範囲64-90歳であった.結果を以下に記載する.注)女前=女性65-74歳(n=96),女後=女性75歳以上(n=183),男後=男性75歳以上(n=79)
①電子機器の利用 :女前(rs= .20,p=.083),女後(rs= .09,p=.283),男後(rs=-.03,p=.833)
②地域・社会活動 :女前(rs=-.04,p=.707),女後(rs= .15,p=.052),男後(rs= .40,p<.001)
③友人との交流 :女前(rs=-.01,p=.890),女後(rs= .17,p=.031),男後(rs= .42,p<.001)
④運動 :女前(rs= .02,p=.881),女後(rs= .04,p=.594),男後(rs= .10,p=.399)
⑤学習活動 :女前(rs=-.02,p=.869),女後(rs= .18,p=.020),男後(rs= .31,p=.009)
⑥文化的活動 :女前(rs=-.07,p=.576),女後(rs= .24,p=.003),男後(rs= .19,p=.147)
⑦旅行 :女前(rs= .15,p=.164),女後(rs= .15,p=.057),男後(rs= .17,p=.156)
⑧創作芸術活動 :女前(rs=-.15,p=.242),女後(rs= .23,p=.010),男後(rs= .28,p=.042)
⑨植物の世話 :女前(rs= .27,p=.010),女後(rs=-.05,p=.559),男後(rs= .19,p=.126)
⑩独りで行うゲーム:女前(rs=-.05,p=.662),女後(rs=-.12,p=.159),男後(rs= .18,p=.161)
⑪対人で行うゲーム:女前(rs=-.04,p=.806),女後(rs= .26,p=.017),男後(rs= .33,p=.013)
【考察】余暇活動の変化量と生活パターンの満足度には全般的に正の相関関係があり,余暇活動の制限が大きいほど生活パターンの満足度は低下することが明らかになった.また,生活パターンの満足度と相関関係がある余暇活動には男女で違いがあった.特に,男性では地域・社会活動や友人との交流において相対的に強い関係が認められた.男性は集団で他者と取り組む活動,つまりコロナ禍で自粛が求められる活動が習慣化と関連しており,COVID-19流行を想定した新しい生活様式の構築ができずに不適応状態となる可能性が示唆された.
【方法】茨城県在住の高齢者498名を対象に,郵送調査法(2021年10月1日〜2週間)を実施し,本人回答の365部を分析対象とした(有効回収率73.3%).余暇活動は「現代高齢者版余暇活動尺度」を用い,11項目の活動に対し4件法(3.よくする〜0.全くしない)で回答を求めた.調査時点とコロナ禍以前を調査し,各余暇活動の変化量(調査時–コロナ禍以前)を算出した(-1以下は活動制限あり).コロナ禍以前は後方視的に回答を求め,コロナ禍以前からその活動を行なっていない者は除外した.習慣化の測定は先行研究を参考に「生活パターンの満足度」と操作的に定義し,現在の生活パターン(習慣・日課や役割)に対し4件法(4.とても満足〜1.満足ではない)で回答を求めた.各余暇活動の変化量と生活パターンの満足度との関連を検討するため相関分析(Spearman)を行った.本研究は,北里大学医療衛生学部研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(No.2019-029).
【結果】参加者は365名(男性85名,女性280名),平均年齢77.1±4.6歳,範囲64-90歳であった.結果を以下に記載する.注)女前=女性65-74歳(n=96),女後=女性75歳以上(n=183),男後=男性75歳以上(n=79)
①電子機器の利用 :女前(rs= .20,p=.083),女後(rs= .09,p=.283),男後(rs=-.03,p=.833)
②地域・社会活動 :女前(rs=-.04,p=.707),女後(rs= .15,p=.052),男後(rs= .40,p<.001)
③友人との交流 :女前(rs=-.01,p=.890),女後(rs= .17,p=.031),男後(rs= .42,p<.001)
④運動 :女前(rs= .02,p=.881),女後(rs= .04,p=.594),男後(rs= .10,p=.399)
⑤学習活動 :女前(rs=-.02,p=.869),女後(rs= .18,p=.020),男後(rs= .31,p=.009)
⑥文化的活動 :女前(rs=-.07,p=.576),女後(rs= .24,p=.003),男後(rs= .19,p=.147)
⑦旅行 :女前(rs= .15,p=.164),女後(rs= .15,p=.057),男後(rs= .17,p=.156)
⑧創作芸術活動 :女前(rs=-.15,p=.242),女後(rs= .23,p=.010),男後(rs= .28,p=.042)
⑨植物の世話 :女前(rs= .27,p=.010),女後(rs=-.05,p=.559),男後(rs= .19,p=.126)
⑩独りで行うゲーム:女前(rs=-.05,p=.662),女後(rs=-.12,p=.159),男後(rs= .18,p=.161)
⑪対人で行うゲーム:女前(rs=-.04,p=.806),女後(rs= .26,p=.017),男後(rs= .33,p=.013)
【考察】余暇活動の変化量と生活パターンの満足度には全般的に正の相関関係があり,余暇活動の制限が大きいほど生活パターンの満足度は低下することが明らかになった.また,生活パターンの満足度と相関関係がある余暇活動には男女で違いがあった.特に,男性では地域・社会活動や友人との交流において相対的に強い関係が認められた.男性は集団で他者と取り組む活動,つまりコロナ禍で自粛が求められる活動が習慣化と関連しており,COVID-19流行を想定した新しい生活様式の構築ができずに不適応状態となる可能性が示唆された.