[PN-2-1] ポスター:地域 2ひきこもりと地域をつなぐインターンシップ
地域連携による就労支援
【はじめに】
厚生労働省は社会的ひきこもりを「様々な要因の結果として社会参加を回避し,原則的には6カ月以上にわたって概ね家庭に留まり続けている状態」と定義している.平成27年に内閣府が15~39歳を対象した調査では54.1万人,40〜64歳を対象とした調査では61.3万人がひきこもり群であると推計されている.当事業所は障害福祉サービス「生活訓練事業」の指定を受けており,受診していても地域とつながれない状態にある方の相談を受けている.相談者は就労経験がほとんどない方も多く,「就労したい」と希望を語りながらも就労へのイメージが思うように描けず,一歩踏み出せないことがよく見られる. その様な背景を受けて当事業所では地域の企業から理解と協力を受けてインターンシップに取り組んでいる.結果,就労支援を進める上での効果を得られたため報告する.なお,紹介事例については本人の同意を得ている.
【インターンシップ概要】
対象者は生活訓練事業の利用者の中で一般就労を望んでいるが一歩踏み出せないでいる方.受入先はホームセンター,図書館,ホテル,カフェ,農家など.作業内容は主に清掃関係が多く,受入先にとっては来たい時にやってもらえればありがたい内容のもの.特徴として交通費・賃金なし.週1日の30分から可能.当日の欠席も可能で辞めたい時に辞めることもできる.
【結果】
これまでの参加者は9名(男性8名,女性1名),平均年齢25,2歳(18歳〜46歳),主の診断名として発達障害3名,精神障害3名,難病2名,高次脳機能障害1名.参加後についての状況として一般就労4名(バイト3名,正社員1名),職業訓練への参加1名,就職活動中2名,インターンを継続中2名となっている.利用期間は1日のみから4ヶ月となっている.
【事例紹介 A氏】
20代男性.適応障害.高卒時に飲食関係の企業に正社員で就労するが業務の大変さから2ヶ月で退職.その後は就労できておらず,今後の相談で当事業所の利用に至る.インターンシップでは接客に興味を持っていたのでホームセンターへ週1日の3ヶ月間参加する.主に店舗の清掃や事務作業に取り組む.受入先の店長に丁寧に教えてもらえたり,お客さんの案内も上手くできたりする経験を通じてA氏からは「これまで働くことについて嫌なイメージしかなかった.」「この経験で就労をするのが楽しみになった」と就労へのイメージの変化を語っていた.その後,本人が希望するアパレル系のバイトが決まり,継続して働くことができている.
【考察】
就労イメージに変化が起きた要因を考察する.1つ目は安全な人間関係を体験できたことがある.雇用契約(給与)はない代わりに失敗に対しても優しく接してもらう体験がネガティブな就労イメージの変化に繋がったと考えられる.2つ目は就労する上で基礎的となることへ自信が持てる様になったことがある.どこに就労する上でも必要になることとして,定期的に約束した時間に決められた場所へ行くこと,仕事を教えてもらったり質問したりすることがある.これらを簡単な作業体験の中で習得して行くことで,実際に就労した時の見通しや自信が持てるようになると考えられる.
また作業療法士としてインターンシップのコーディネートをする上で作業環境を意識している.同じ様な清掃という作業内容でもホテルという静かな環境なのか,ホームセンターの様に人と関われる環境なのか,農家という屋外の環境なのかなど本人のニードや感覚特性を評価しながらマッチングすることでより良い機会を生み出すことに繋がると考えられる.
厚生労働省は社会的ひきこもりを「様々な要因の結果として社会参加を回避し,原則的には6カ月以上にわたって概ね家庭に留まり続けている状態」と定義している.平成27年に内閣府が15~39歳を対象した調査では54.1万人,40〜64歳を対象とした調査では61.3万人がひきこもり群であると推計されている.当事業所は障害福祉サービス「生活訓練事業」の指定を受けており,受診していても地域とつながれない状態にある方の相談を受けている.相談者は就労経験がほとんどない方も多く,「就労したい」と希望を語りながらも就労へのイメージが思うように描けず,一歩踏み出せないことがよく見られる. その様な背景を受けて当事業所では地域の企業から理解と協力を受けてインターンシップに取り組んでいる.結果,就労支援を進める上での効果を得られたため報告する.なお,紹介事例については本人の同意を得ている.
【インターンシップ概要】
対象者は生活訓練事業の利用者の中で一般就労を望んでいるが一歩踏み出せないでいる方.受入先はホームセンター,図書館,ホテル,カフェ,農家など.作業内容は主に清掃関係が多く,受入先にとっては来たい時にやってもらえればありがたい内容のもの.特徴として交通費・賃金なし.週1日の30分から可能.当日の欠席も可能で辞めたい時に辞めることもできる.
【結果】
これまでの参加者は9名(男性8名,女性1名),平均年齢25,2歳(18歳〜46歳),主の診断名として発達障害3名,精神障害3名,難病2名,高次脳機能障害1名.参加後についての状況として一般就労4名(バイト3名,正社員1名),職業訓練への参加1名,就職活動中2名,インターンを継続中2名となっている.利用期間は1日のみから4ヶ月となっている.
【事例紹介 A氏】
20代男性.適応障害.高卒時に飲食関係の企業に正社員で就労するが業務の大変さから2ヶ月で退職.その後は就労できておらず,今後の相談で当事業所の利用に至る.インターンシップでは接客に興味を持っていたのでホームセンターへ週1日の3ヶ月間参加する.主に店舗の清掃や事務作業に取り組む.受入先の店長に丁寧に教えてもらえたり,お客さんの案内も上手くできたりする経験を通じてA氏からは「これまで働くことについて嫌なイメージしかなかった.」「この経験で就労をするのが楽しみになった」と就労へのイメージの変化を語っていた.その後,本人が希望するアパレル系のバイトが決まり,継続して働くことができている.
【考察】
就労イメージに変化が起きた要因を考察する.1つ目は安全な人間関係を体験できたことがある.雇用契約(給与)はない代わりに失敗に対しても優しく接してもらう体験がネガティブな就労イメージの変化に繋がったと考えられる.2つ目は就労する上で基礎的となることへ自信が持てる様になったことがある.どこに就労する上でも必要になることとして,定期的に約束した時間に決められた場所へ行くこと,仕事を教えてもらったり質問したりすることがある.これらを簡単な作業体験の中で習得して行くことで,実際に就労した時の見通しや自信が持てるようになると考えられる.
また作業療法士としてインターンシップのコーディネートをする上で作業環境を意識している.同じ様な清掃という作業内容でもホテルという静かな環境なのか,ホームセンターの様に人と関われる環境なのか,農家という屋外の環境なのかなど本人のニードや感覚特性を評価しながらマッチングすることでより良い機会を生み出すことに繋がると考えられる.