[PN-2-7] ポスター:地域 2本人と家族をつなげる作業療法
面会制限の中で
【はじめに】今回,コロナ渦の影響で面会制限が続き,入院中に家族に症例の状況を伝えきれず,施設方向になってしまった症例を回復期リハ病棟にて担当した.最後のリハビリテーション(以下リハ)見学の際に,症例との目標共有から家族への伝達方法を検討することで自宅退院と方向性を変更することができた.退院後の生活の不安の解消に,訪問リハとして入院の担当が介入することで,対処することができ,安心して生活を送れるようになったことを報告する.なお発表に際し症例と家族の同意を得ている.
【事例紹介】80代男性,診断名:左橋梗塞,右片麻痺.発症18日目に回復期リハ病棟入棟.病前ADLは自立し,町内会の仕事や趣味の盆栽を行い過ごしていた.性格は頑固.回復期リハ入棟時はB/S:2-2-3,MMSE22点,ADLは全介助であった.FIM63点.妻と2人暮らしであり,妻は足が悪く症例が歩行自立しないと自宅は難しいとのこと.
【回復期リハ入棟~3か月】入棟後1か月,2か月にリハ見学行ったが,介助が必要なため方向性は施設となってしまった.その後も妻には介助が減っていることを電話で伝えていたが方向性は変わらなかった.
【入棟4か月:家族指導で自宅へ】施設を決める面談日に合わせ自宅退院を検討してもらうためリハ見学を検討した.症例とはリハ見学に妻に安心させる歩きを見せることを目標共有し,前回を踏まえて,介助の必要性を伝えるのではなく,症例の自宅退院への想いや妻の不安に関しては,様々な面を支援することを伝えることとした.結果見学の際に歩行が見守りできた.それでも妻は不安が強かったため,症例の自宅への想い,家屋評価や地域サービスの紹介などを行い支援することを伝え,妻は自宅退院を決意した.
【入棟4か月~5か月自宅退院へ】家屋評価,地域サービススタッフと連携.病院での指導などを実施し,介助の仕方を紙面に残すなど工夫した.しかしすべて妻は理解ができず不安が強く,また患者も頑固な性格もあり,地域サービスには消極的であった.そのため退院後の生活指導を中心に訪問リハを導入し,かつ入院中の担当が継続し介入することとなり入棟5か月後退院となった.
【訪問リハ介入~3か月】訪問リハでは,ADL動作の定着,屋外訓練,盆栽を実施しつつ,通所サービスの提案や家族の不安などを傾聴した.そのため家屋改修,通所サービスの提案も受け入れた.また症例と妻には入院中の話をしながらリハビリをし,入院中の離れた時間を埋めるような話をし妻からは「退院してよかった」と言われ,生活が落ち着いた所で訪問終了となった.最終評価は,B/S:3-3-4, 屋内は4点杖歩行で自立.FIM102点.入浴は通所サービスで実施.盆栽は近所の方と一緒に行っている.
【まとめ】コロナ渦となり,患者が突然入院し,状況が把握できない中,家族が方向性を決定が必要とされる場面を見受ける.今回の症例のように,リハ見学の際お互いをつなげることで自宅という方向性となったと考える.また妻の不安を解消するため訪問リハの介入も重要であった.当院の場合,必要ならば担当スタッフが訪問リハとして介入するシステムである.入院の状況を理解しているスタッフが行くことで,継続した家族支援ができ生活を安心させるだけでなく,入院中の状況を妻に伝えることで,一緒にいなかった時間も繋げることができたと考える.今回の症例を通して,患者本人と家族をつなげることが,その人たちの生活を安心させるものにすることを改めて感じた.環境にアプローチを行う作業療法にとって,どのように家族に伝えるか,また当事者に家族がどう思っているかを伝えていくことが重要な役割であると考える.
【事例紹介】80代男性,診断名:左橋梗塞,右片麻痺.発症18日目に回復期リハ病棟入棟.病前ADLは自立し,町内会の仕事や趣味の盆栽を行い過ごしていた.性格は頑固.回復期リハ入棟時はB/S:2-2-3,MMSE22点,ADLは全介助であった.FIM63点.妻と2人暮らしであり,妻は足が悪く症例が歩行自立しないと自宅は難しいとのこと.
【回復期リハ入棟~3か月】入棟後1か月,2か月にリハ見学行ったが,介助が必要なため方向性は施設となってしまった.その後も妻には介助が減っていることを電話で伝えていたが方向性は変わらなかった.
【入棟4か月:家族指導で自宅へ】施設を決める面談日に合わせ自宅退院を検討してもらうためリハ見学を検討した.症例とはリハ見学に妻に安心させる歩きを見せることを目標共有し,前回を踏まえて,介助の必要性を伝えるのではなく,症例の自宅退院への想いや妻の不安に関しては,様々な面を支援することを伝えることとした.結果見学の際に歩行が見守りできた.それでも妻は不安が強かったため,症例の自宅への想い,家屋評価や地域サービスの紹介などを行い支援することを伝え,妻は自宅退院を決意した.
【入棟4か月~5か月自宅退院へ】家屋評価,地域サービススタッフと連携.病院での指導などを実施し,介助の仕方を紙面に残すなど工夫した.しかしすべて妻は理解ができず不安が強く,また患者も頑固な性格もあり,地域サービスには消極的であった.そのため退院後の生活指導を中心に訪問リハを導入し,かつ入院中の担当が継続し介入することとなり入棟5か月後退院となった.
【訪問リハ介入~3か月】訪問リハでは,ADL動作の定着,屋外訓練,盆栽を実施しつつ,通所サービスの提案や家族の不安などを傾聴した.そのため家屋改修,通所サービスの提案も受け入れた.また症例と妻には入院中の話をしながらリハビリをし,入院中の離れた時間を埋めるような話をし妻からは「退院してよかった」と言われ,生活が落ち着いた所で訪問終了となった.最終評価は,B/S:3-3-4, 屋内は4点杖歩行で自立.FIM102点.入浴は通所サービスで実施.盆栽は近所の方と一緒に行っている.
【まとめ】コロナ渦となり,患者が突然入院し,状況が把握できない中,家族が方向性を決定が必要とされる場面を見受ける.今回の症例のように,リハ見学の際お互いをつなげることで自宅という方向性となったと考える.また妻の不安を解消するため訪問リハの介入も重要であった.当院の場合,必要ならば担当スタッフが訪問リハとして介入するシステムである.入院の状況を理解しているスタッフが行くことで,継続した家族支援ができ生活を安心させるだけでなく,入院中の状況を妻に伝えることで,一緒にいなかった時間も繋げることができたと考える.今回の症例を通して,患者本人と家族をつなげることが,その人たちの生活を安心させるものにすることを改めて感じた.環境にアプローチを行う作業療法にとって,どのように家族に伝えるか,また当事者に家族がどう思っているかを伝えていくことが重要な役割であると考える.