[PN-3-1] ポスター:地域 3通所型サービスC卒業後から6か月後の追跡調査から見えてきた課題
【はじめに】通所型サービスC(以下:C型)は事業対象者や要支援者などのフレイル状態の方に対して,短期集中的に予防サービスを展開し,生活機能を改善するための運動機能の向上や栄養改善などのプログラムを実施する事業である.C型実施中は専門職などの関与もありフレイルから健康状態へと改善を示すが,卒業後のモニタリング時には再びフレイル状態に陥っている方も存在する.
そこで今回,C型卒業からモニタリング調査を行った結果,若干の知見を得たことから今後の課題を検討したため以下に報告する.尚,今回の発表に関しては承認を得ている.
【対象】令和X年の3か月間C型を実施し,モニタリング実施に協力していただいた男性2名,女性11名の合計13名とした.平均年齢は83.77±6.46歳であった.
【方法】今回の市町村が実施するC型は半日型で週2回実施しており,3か月間で卒業を目指している.C型の実施内容は,運動準備のストレッチ,下肢3点セット(腸腰筋を意識したステップ運動や下腿三頭筋を意識したストレッチ運動,ステッパーを利用した踏み台運動),介護予防に関する講話,体力測定,全身体操を行っている.また,C型実施中は月に2回程度利用者宅に訪問し生活機能の確認,自宅での運動や栄養指導,口腔に関する自主トレーニングや聞き取り調査を実施している.
C型実施中の体力測定の項目は,10回立ち上がり時間,5m歩行,TUG,片脚立位,握力を実施している.今回のモニタリング調査では卒業から6か月後に同じ項目の体力測定を実施し,C型開始時,卒業時,卒業6か月後の結果について比較検討することとした.統計処理は分散分析を用い,多変量解析としてFisherのPLSD法を用いた.なお,意水準は5%未満とした.
【結果】C型開始時は10回立ち上がり26.78±12.87秒,5m歩行5.41±2.08秒,TUG13.28±4.98秒,片脚立位4.67±4.06秒,握力18.07±3.19㎏であった.
卒業時は10回立ち上がり16.19±4.11秒,5m歩行4.02±1.09秒,TUG9.44±2.68秒,片脚立位6.73±5.74秒,握力18.37±3.91㎏であり,開始時と卒業時において10回立ち上がり,5m歩行,TUGにおいて有意な改善を認めた(P<0.01,P<0.05).
卒業6か月後は10回立ち上がり19.42±8.56秒,5m歩行4.95±1.81秒,TUG12.13±6.17秒,片脚立位6.01±7.91秒,握力17.57±4.10㎏であり,全ての項目で開始時と有意差を認めなかった.
【考察】今回,C型卒業時に計測した体力測定では開始時に比べて有意な改善を示していたが,C型卒業6か月後のモニタリング調査では,開始時と有意な差を認めず,卒業時よりも体力測定が低下している結果となった.
卒業時には有意な改善を示している点からC型の運動が体力向上に貢献できていると思われる.また卒業生たちの半数以上は地域の通いの場や日常生活の中でのIADL活動は定着している様子であったことから,3か月間週に2回の短期間で実践した運動量が卒業後に担保できていないことが考えられる.
その要因に対して,C型実践中から運動量の担保を獲得していくために,単純に社会参加やIADL活動の定着だけでなく,自宅でできるセルフマネジメントの定着を考慮した関わりが重要であり,早急に取り組む課題であると感じた.
そこで今回,C型卒業からモニタリング調査を行った結果,若干の知見を得たことから今後の課題を検討したため以下に報告する.尚,今回の発表に関しては承認を得ている.
【対象】令和X年の3か月間C型を実施し,モニタリング実施に協力していただいた男性2名,女性11名の合計13名とした.平均年齢は83.77±6.46歳であった.
【方法】今回の市町村が実施するC型は半日型で週2回実施しており,3か月間で卒業を目指している.C型の実施内容は,運動準備のストレッチ,下肢3点セット(腸腰筋を意識したステップ運動や下腿三頭筋を意識したストレッチ運動,ステッパーを利用した踏み台運動),介護予防に関する講話,体力測定,全身体操を行っている.また,C型実施中は月に2回程度利用者宅に訪問し生活機能の確認,自宅での運動や栄養指導,口腔に関する自主トレーニングや聞き取り調査を実施している.
C型実施中の体力測定の項目は,10回立ち上がり時間,5m歩行,TUG,片脚立位,握力を実施している.今回のモニタリング調査では卒業から6か月後に同じ項目の体力測定を実施し,C型開始時,卒業時,卒業6か月後の結果について比較検討することとした.統計処理は分散分析を用い,多変量解析としてFisherのPLSD法を用いた.なお,意水準は5%未満とした.
【結果】C型開始時は10回立ち上がり26.78±12.87秒,5m歩行5.41±2.08秒,TUG13.28±4.98秒,片脚立位4.67±4.06秒,握力18.07±3.19㎏であった.
卒業時は10回立ち上がり16.19±4.11秒,5m歩行4.02±1.09秒,TUG9.44±2.68秒,片脚立位6.73±5.74秒,握力18.37±3.91㎏であり,開始時と卒業時において10回立ち上がり,5m歩行,TUGにおいて有意な改善を認めた(P<0.01,P<0.05).
卒業6か月後は10回立ち上がり19.42±8.56秒,5m歩行4.95±1.81秒,TUG12.13±6.17秒,片脚立位6.01±7.91秒,握力17.57±4.10㎏であり,全ての項目で開始時と有意差を認めなかった.
【考察】今回,C型卒業時に計測した体力測定では開始時に比べて有意な改善を示していたが,C型卒業6か月後のモニタリング調査では,開始時と有意な差を認めず,卒業時よりも体力測定が低下している結果となった.
卒業時には有意な改善を示している点からC型の運動が体力向上に貢献できていると思われる.また卒業生たちの半数以上は地域の通いの場や日常生活の中でのIADL活動は定着している様子であったことから,3か月間週に2回の短期間で実践した運動量が卒業後に担保できていないことが考えられる.
その要因に対して,C型実践中から運動量の担保を獲得していくために,単純に社会参加やIADL活動の定着だけでなく,自宅でできるセルフマネジメントの定着を考慮した関わりが重要であり,早急に取り組む課題であると感じた.