[PN-4-4] ポスター：地域 4災害復興期における地域で実践される集団活動についてのスコーピングレビュー
【序論】大規模災害の多発に伴い復興支援の整備が急務となっており，支援が地域ベースに移行する復興期ではサロン活動等が実施されているが，実施者も様々であり，集約化はされていない．集約化により集団活動の内容を比較・検討することが可能となり，今後発生しうる災害も含んだ復興支援活動について示唆を得ることができる．
【目的】国内の被災者支援として地域で行われている集団活動について系統的にマッピングすることを目的に，スコーピングレビューを実施した．
【方法】研究疑問の特定：研究疑問は「復興期に地域で被災者支援として行われている集団活動の内容と効果は何か？」とし，研究疑問におけるPatient，Concept，Context（以下PCC）は，P：被災者，C：集団活動を用いた地域被災者支援の内容とその効果，C：復興期とした．「被災者」とは日本国内で発生した大規模災害の被災者で自宅等の地域で生活している者，「復興期」とは発災後6カ月以降とした．
重要な研究の特定：文献検索データベースは医中誌Web，CiNii Articlesを選択し，PCCより検討して「被災地」「支援」「地域」「集団」のAND検索を行った．
研究の選択：1）適格基準：2011年以降に発表された文献で，限定特性（疾患，職種）をもたない地域住民に対する，復興期に行われた国内の集団活動とした．2）文献選定のフローチャート：スコーピングレビューのための報告ガイドライン日本語版（PRISMA-ScR）に基づいて作成した．選択した文献検索データベースより検索式で抽出された文献から，重複する文献を除外し，タイトルと要旨で適格基準に基づいてスクリーニングを行った後，文献の内容において適格性が確認できたものを採用した．3）データの抽出：著者，発行年，文献種類，原災害，発災からの期間，活動提供者，対象者の特徴，集団活動の概要を抽出して表を作成した．
【結果】1）文献選定の結果：2022年1月21～28日に文献検索を行い，医中誌Webより45件，CiNii Articlesより24件を特定，重複3件を除外した計67件をスクリーニング対象とした．2011年以前の文献，活動の内容記載がない文献，国外の報告，復興期以前の実施，限定特性に対する文献など43件を除外し，25件を選定した．次に全文の適格性の確認を行い，最終的に9件の文献を採用した．2）採用文献の要約：発表年は2011-2015年が3件，2016-2020年が6件，文献の種類は原著1件，実践報告3件，解説5件で，全て東日本大震災後の文献であり，発災からの期間は1年以下が1件，1-5年が5件，6年以降が3件であった．対象は仮設住宅居住者が5件，一般市民が4件，活動提供者は行政関連が1件，医療系団体が5件，記載なしが3件となった．3）集団活動の概要：活動内容は祭りや季節イベント，カフェやお茶会，健康相談会や支援の実施が多く，サロンや交流会，マッサージなどが挙がったが，内容の詳細記載のない文献が多くみられた．活動の効果への言及があったのは3件で，被災者の語りを映像化して保存，公開する活動による心的外傷後成長について考察した文献，認知行動療法的アプローチの研修会実施後に自己効力感の向上を記述した文献，子供に対するキャンプの中で動的・静的・儀式的プログラムを実施して満足度が高い傾向にあったとした文献であった．
【考察】介入研究は採用されず，効果への言及は3件にとどまったことから，集って活動を実施することに焦点化がなされ，構造化や効果検討に至っていないことが示唆された．復興期における地域ベースの構造化集団活動の提供に作業療法士として関与できる可能性がある．今回はハンドサーチを実施しておらず今後さらに幅広く検討する必要がある．
【目的】国内の被災者支援として地域で行われている集団活動について系統的にマッピングすることを目的に，スコーピングレビューを実施した．
【方法】研究疑問の特定：研究疑問は「復興期に地域で被災者支援として行われている集団活動の内容と効果は何か？」とし，研究疑問におけるPatient，Concept，Context（以下PCC）は，P：被災者，C：集団活動を用いた地域被災者支援の内容とその効果，C：復興期とした．「被災者」とは日本国内で発生した大規模災害の被災者で自宅等の地域で生活している者，「復興期」とは発災後6カ月以降とした．
重要な研究の特定：文献検索データベースは医中誌Web，CiNii Articlesを選択し，PCCより検討して「被災地」「支援」「地域」「集団」のAND検索を行った．
研究の選択：1）適格基準：2011年以降に発表された文献で，限定特性（疾患，職種）をもたない地域住民に対する，復興期に行われた国内の集団活動とした．2）文献選定のフローチャート：スコーピングレビューのための報告ガイドライン日本語版（PRISMA-ScR）に基づいて作成した．選択した文献検索データベースより検索式で抽出された文献から，重複する文献を除外し，タイトルと要旨で適格基準に基づいてスクリーニングを行った後，文献の内容において適格性が確認できたものを採用した．3）データの抽出：著者，発行年，文献種類，原災害，発災からの期間，活動提供者，対象者の特徴，集団活動の概要を抽出して表を作成した．
【結果】1）文献選定の結果：2022年1月21～28日に文献検索を行い，医中誌Webより45件，CiNii Articlesより24件を特定，重複3件を除外した計67件をスクリーニング対象とした．2011年以前の文献，活動の内容記載がない文献，国外の報告，復興期以前の実施，限定特性に対する文献など43件を除外し，25件を選定した．次に全文の適格性の確認を行い，最終的に9件の文献を採用した．2）採用文献の要約：発表年は2011-2015年が3件，2016-2020年が6件，文献の種類は原著1件，実践報告3件，解説5件で，全て東日本大震災後の文献であり，発災からの期間は1年以下が1件，1-5年が5件，6年以降が3件であった．対象は仮設住宅居住者が5件，一般市民が4件，活動提供者は行政関連が1件，医療系団体が5件，記載なしが3件となった．3）集団活動の概要：活動内容は祭りや季節イベント，カフェやお茶会，健康相談会や支援の実施が多く，サロンや交流会，マッサージなどが挙がったが，内容の詳細記載のない文献が多くみられた．活動の効果への言及があったのは3件で，被災者の語りを映像化して保存，公開する活動による心的外傷後成長について考察した文献，認知行動療法的アプローチの研修会実施後に自己効力感の向上を記述した文献，子供に対するキャンプの中で動的・静的・儀式的プログラムを実施して満足度が高い傾向にあったとした文献であった．
【考察】介入研究は採用されず，効果への言及は3件にとどまったことから，集って活動を実施することに焦点化がなされ，構造化や効果検討に至っていないことが示唆された．復興期における地域ベースの構造化集団活動の提供に作業療法士として関与できる可能性がある．今回はハンドサーチを実施しておらず今後さらに幅広く検討する必要がある．