[PN-8-2] ポスター:地域 8短期集中訪問型サービスCでの閉じこもり高齢者に対する訪問作業療法
作業に焦点をあてた記録(活動日記)と対話を通して
【はじめに】
筆者が従事しているA区の短期集中訪問型サービスC(短期集中訪問リハビリテーション事業)は「日常生活支援総合事業対象者に対して,その居宅を訪問して生活機能に関する問題を総合的に把握,評価し,社会参加を高めるために必要な相談・援助等を実施する」(A区高齢者福祉課資料)ことを目的としている.具体的には屋内外の移動能力の向上,ADL・IADLの向上,社会参加の促進,閉じこもりからの改善を目的とした介入が求められる.
閉じこもりの概念,定義は様々であり,現時点でも統一された定義はないが介護予防特定高齢者のスクリーニングの際に「外出頻度が週1回未満」が「閉じこもり」の基準として設定されている.閉じこもりは活動性の低下に伴うADL,IADLの低下,意欲や認知機能の低下に繋がりやすく(寺岡ら,2005)それに対する対策が求められているが閉じこもり高齢者に対する介入報告は非常に少なく,その有効性は明らかでない.以下は同事業の訪問作業療法(以下,訪問OT)の一例である.同事業の訪問OTにて閉じこもり高齢者に対して活動日記(高木ら,2020)を用いた介入した結果,閉じこもり状態からの改善がみられた.
【活動日記】
活動日記とは「対象者が日々の作業経験と満足度をセルフモニタリングするツール」(高木ら,2020)でどんな活動をした時に幸せを感じるか,日々の活動の傾向,充実した生活を送るにはどうしたら良いか振り返ることを意図した日記である.
【対象・介入方針】
対象は男性高齢者で月に1回の病院受診以外は外出することがない.ADLは全て自立しているが朝・昼・晩の食事以外はベッドに臥床して過ごしていた.介入は週1回(全6回)である.対象者は活動日記を毎日つけることとし,週1回の訪問OTの際に活動日記の内容を対象者と一緒に確認し,興味関心チェックシートや作業歴を参考に次週の生活のアドバイスをすることとした.また本人ならびに同居家族に対し閉じこもりが健康に与える影響や少しでも興味・関心のある活動に従事することが健康に繋がることの説明をした.同居家族には活動日記の記録ならびに,外出等の付き添いや促しといった協力を求めることとした.介入前後の評価尺度としてBarthel Index(以下BI),Frenchay Activity Index(以下FAI),一週間の外出頻度より効果判定を行うこととした.本報告に関して本人ならびに家族より同意を得た.
【経過・結果】
介入当初は本人の活動日記への記入がなく同居家族が記入した.また同居家族の促しのもと近所の花屋へ外出した.4週目より自ら記入するようになり,自ら近所の公園に行くなど主体的な行動がみられるようになった.また植木の水やりなど活動の種類が増え,最終的には落ち葉の掃き掃除などの以前よく取り組んでいた活動に取り組むようになった.介入の結果,BIは介入の前後に変化がなかった(100点)がFAIは介入前3点から介入後11点に向上した.また外出頻度は介入前0回/週から介入後3回/週に向上した.訪問終了時にはケアマネジャーに介入の経過と結果を報告し,終了後は同区で開催されている男性サロンに通うことになった.
【考察】
A区の短期集中訪問リハビリテーション事業にて閉じこもり高齢者がその閉じこもり状態からの改善がみられた.1)活動日記の記録を通した日々の作業の振り返り2)作業療法士による次週の活動に対するアドバイスや健康教育といった対話により徐々に日々のできる作業が増え,閉じこもり状態から非閉じこもり状態に改善したのではないかと考える.
筆者が従事しているA区の短期集中訪問型サービスC(短期集中訪問リハビリテーション事業)は「日常生活支援総合事業対象者に対して,その居宅を訪問して生活機能に関する問題を総合的に把握,評価し,社会参加を高めるために必要な相談・援助等を実施する」(A区高齢者福祉課資料)ことを目的としている.具体的には屋内外の移動能力の向上,ADL・IADLの向上,社会参加の促進,閉じこもりからの改善を目的とした介入が求められる.
閉じこもりの概念,定義は様々であり,現時点でも統一された定義はないが介護予防特定高齢者のスクリーニングの際に「外出頻度が週1回未満」が「閉じこもり」の基準として設定されている.閉じこもりは活動性の低下に伴うADL,IADLの低下,意欲や認知機能の低下に繋がりやすく(寺岡ら,2005)それに対する対策が求められているが閉じこもり高齢者に対する介入報告は非常に少なく,その有効性は明らかでない.以下は同事業の訪問作業療法(以下,訪問OT)の一例である.同事業の訪問OTにて閉じこもり高齢者に対して活動日記(高木ら,2020)を用いた介入した結果,閉じこもり状態からの改善がみられた.
【活動日記】
活動日記とは「対象者が日々の作業経験と満足度をセルフモニタリングするツール」(高木ら,2020)でどんな活動をした時に幸せを感じるか,日々の活動の傾向,充実した生活を送るにはどうしたら良いか振り返ることを意図した日記である.
【対象・介入方針】
対象は男性高齢者で月に1回の病院受診以外は外出することがない.ADLは全て自立しているが朝・昼・晩の食事以外はベッドに臥床して過ごしていた.介入は週1回(全6回)である.対象者は活動日記を毎日つけることとし,週1回の訪問OTの際に活動日記の内容を対象者と一緒に確認し,興味関心チェックシートや作業歴を参考に次週の生活のアドバイスをすることとした.また本人ならびに同居家族に対し閉じこもりが健康に与える影響や少しでも興味・関心のある活動に従事することが健康に繋がることの説明をした.同居家族には活動日記の記録ならびに,外出等の付き添いや促しといった協力を求めることとした.介入前後の評価尺度としてBarthel Index(以下BI),Frenchay Activity Index(以下FAI),一週間の外出頻度より効果判定を行うこととした.本報告に関して本人ならびに家族より同意を得た.
【経過・結果】
介入当初は本人の活動日記への記入がなく同居家族が記入した.また同居家族の促しのもと近所の花屋へ外出した.4週目より自ら記入するようになり,自ら近所の公園に行くなど主体的な行動がみられるようになった.また植木の水やりなど活動の種類が増え,最終的には落ち葉の掃き掃除などの以前よく取り組んでいた活動に取り組むようになった.介入の結果,BIは介入の前後に変化がなかった(100点)がFAIは介入前3点から介入後11点に向上した.また外出頻度は介入前0回/週から介入後3回/週に向上した.訪問終了時にはケアマネジャーに介入の経過と結果を報告し,終了後は同区で開催されている男性サロンに通うことになった.
【考察】
A区の短期集中訪問リハビリテーション事業にて閉じこもり高齢者がその閉じこもり状態からの改善がみられた.1)活動日記の記録を通した日々の作業の振り返り2)作業療法士による次週の活動に対するアドバイスや健康教育といった対話により徐々に日々のできる作業が増え,閉じこもり状態から非閉じこもり状態に改善したのではないかと考える.