[PQ-3-2] ポスター:管理運営 3新型コロナウイルス感染拡大の影響による種目減少と作業療法出席者数の関係
【序論】
令和3年1月現在,新型コロナウイルス感染拡大の影響(以下コロナ禍とする)により,院内感染対策委員会と協力しながら入院精神科作業療法(以下作業療法とする)を行っている.それまで行われてきたカラオケや,密着度の高いスポーツ系の活動は,中止または縮小している.よって机上での活動が増えるとともに,作業療法の種類も減少している.
本来,療養病棟における作業療法の目的は,主に『活動性の向上や自閉性の改善』が挙げられる.なるべく様々な種目を行い,外出や運動を頻繁に取り入れ,社会性の維持を目標としていた.しかしコロナ禍においては本来の目的からはかけ離れた作業療法をしなければならないことが多く,『活動性の向上や自閉性の改善』からは逆行している.
このような状況が長期に渡って継続していることから,参加者から,「またこの活動ですか?」「前のような種目はないのですか?」との意見が出始めた.また逆に「いつもと同じ活動なのでいい」「ずっとこのままがいい」言う意見も聞かれた.そこで今回,コロナ禍前と渦中では作業療法の出席者数に違いはあるか調査することにした.
【目的】
コロナ禍前と渦中,つまり,作業療法内容が豊富な時期と,乏しい時期では作業療法の出席者数に違いはあるか調査する.検証結果から今後の作業療法プログラムの方向性を検討することにする.
【研究方法】
コロナ禍前と渦中の作業療法の出席率にて比較する.対象疾患は統合失調症とする.令和1年10月から12月と令和3年10月から12月を対象期間とする.令和1年の対象期間中の作業療法は運動系の作業療法週3回,机上の作業療法週2回.令和3年の対象期間中の作業療法は運動系の作業療法週0回,机上の作業療法週5回.
運動系の作業療法種目は卓球,ゲートボール,ペタンク,その他.机上の作業療法種目は手工芸,パズル,パソコン,タブレットPC,その他.
【倫理的配慮】
対象者に対し,調査結果は個人が特定されないようにデータ処理を行い,匿名性に配慮すること.及びデータは本研究のみに利用し目的外使用はしない旨を伝え,書面にて同意を得た.
【結果】
令和1年出席率10月70.5%,11月75.3%,12月79.1%.令和3年出席率10月89.2%,11月84.1%,12月83.7%.コロナ禍中で活動内容を制限し,机上の活動が多い期間の出席率が高い.
【結論】
今回,統計学的な検定を行っていないため,有意差があるとは判断できない.しかし,臨床的な体感でも,コロナ禍中の出席者のほうが多かった.しかし,利用者の表情が乏しいこと,作業療法中の発声する機会の減少からか,声量の減少を感じている.また,挨拶や活動への自発性も低下しているように感じる.出席者数は増えたが,「作業療法に出たくない」,「今日は自分のしたいことをする」というような主体的な発言も聞かれなくなっていた.
療養病棟で防ぐことの一つにInstitutionalismや,それに付随しやすいPaternalismがある.現状を表現するには上記の状態であると言わざるを得ない.
今回の調査で,作業療法の必要性を体感する機会となった.今後,感染対策委員会と調整を重ね,現状を変えていくよう取り組んでいかなければならない.また同時に,主体性を構築できる作業療法を行っていく重要性を認識する機会となった.
令和3年1月現在,新型コロナウイルス感染拡大の影響(以下コロナ禍とする)により,院内感染対策委員会と協力しながら入院精神科作業療法(以下作業療法とする)を行っている.それまで行われてきたカラオケや,密着度の高いスポーツ系の活動は,中止または縮小している.よって机上での活動が増えるとともに,作業療法の種類も減少している.
本来,療養病棟における作業療法の目的は,主に『活動性の向上や自閉性の改善』が挙げられる.なるべく様々な種目を行い,外出や運動を頻繁に取り入れ,社会性の維持を目標としていた.しかしコロナ禍においては本来の目的からはかけ離れた作業療法をしなければならないことが多く,『活動性の向上や自閉性の改善』からは逆行している.
このような状況が長期に渡って継続していることから,参加者から,「またこの活動ですか?」「前のような種目はないのですか?」との意見が出始めた.また逆に「いつもと同じ活動なのでいい」「ずっとこのままがいい」言う意見も聞かれた.そこで今回,コロナ禍前と渦中では作業療法の出席者数に違いはあるか調査することにした.
【目的】
コロナ禍前と渦中,つまり,作業療法内容が豊富な時期と,乏しい時期では作業療法の出席者数に違いはあるか調査する.検証結果から今後の作業療法プログラムの方向性を検討することにする.
【研究方法】
コロナ禍前と渦中の作業療法の出席率にて比較する.対象疾患は統合失調症とする.令和1年10月から12月と令和3年10月から12月を対象期間とする.令和1年の対象期間中の作業療法は運動系の作業療法週3回,机上の作業療法週2回.令和3年の対象期間中の作業療法は運動系の作業療法週0回,机上の作業療法週5回.
運動系の作業療法種目は卓球,ゲートボール,ペタンク,その他.机上の作業療法種目は手工芸,パズル,パソコン,タブレットPC,その他.
【倫理的配慮】
対象者に対し,調査結果は個人が特定されないようにデータ処理を行い,匿名性に配慮すること.及びデータは本研究のみに利用し目的外使用はしない旨を伝え,書面にて同意を得た.
【結果】
令和1年出席率10月70.5%,11月75.3%,12月79.1%.令和3年出席率10月89.2%,11月84.1%,12月83.7%.コロナ禍中で活動内容を制限し,机上の活動が多い期間の出席率が高い.
【結論】
今回,統計学的な検定を行っていないため,有意差があるとは判断できない.しかし,臨床的な体感でも,コロナ禍中の出席者のほうが多かった.しかし,利用者の表情が乏しいこと,作業療法中の発声する機会の減少からか,声量の減少を感じている.また,挨拶や活動への自発性も低下しているように感じる.出席者数は増えたが,「作業療法に出たくない」,「今日は自分のしたいことをする」というような主体的な発言も聞かれなくなっていた.
療養病棟で防ぐことの一つにInstitutionalismや,それに付随しやすいPaternalismがある.現状を表現するには上記の状態であると言わざるを得ない.
今回の調査で,作業療法の必要性を体感する機会となった.今後,感染対策委員会と調整を重ね,現状を変えていくよう取り組んでいかなければならない.また同時に,主体性を構築できる作業療法を行っていく重要性を認識する機会となった.