[PR-3-3] ポスター:教育 3当院作業療法科における新人教育プログラム評価シートの有効性について
【はじめに】当院では2017年7月より回復期リハビリテーション病棟の365日訓練体制の整備に伴い,スタッフ数の増加や入れ替わりが多い状況にある.当科では新人教育を科内研修,及び配属病棟内で担当指導者を中心に指導する体制をとってきた.しかし,具体的な指導内容や方法の指標が明確となっていなかった.そこで今回新たに新人教育プログラムの取り組みを見直し,有効性を調査したので報告する.
【目的】新人教育プログラムチームを科内で編成し,先行文献や他科の資料を参考に新人教育プログラム評価シートを作成した.その活用効果を明らかにすることを目的とした.
【方法】対象者は入職後1年目の作業療法士新人7名(既卒者3名.新卒者4名),及び指導者7名であった.評価シート使用後3ヶ月以内に半構造化質問にて聞き取り調査を30分程度行った.内容は評価シートの有効性について質問した.談話産生にあたり「評価シートを使用する前後で変化はありましたか.その理由も具体的に教えてください.」等と教示し,対象者に自由に叙述してもらった.意図する反応がなかった場合プロンプトとして「自己評価をすることで気付いたことはありましたか」等と質問した.聞き取り内容はICレコーダーにて記録した.そして,発言内容を全て文字化し,活用方法と活用後の変化に関するデータを抽出し,KJ法により分析した.本研究は対象者に研究目的を説明し,同意を得て実施した.また,東京都リハビリテーション病院倫理審査委員会の承認を得た(承認番号:23).
【結果】結果1:類似したデータごとにカテゴリーを作成し,構造化した.抽出箇所は合計127箇所であった.大カテゴリー(サブカテゴリ―)は行動の変化過程(9項目),意識の変化(6項目),指導のポイント(3項目)の3種類に分類された.行動の変化過程は,評価シートの特徴として,「課題の抽出と強みを分析し目標立案するきっかけが作れた」,「視覚化することで情報整理や理解がしやすく振り返りができた」,「全体的な項目があることで指導内容に偏りを減らせた」,「課題だけでなく強みに気付く」が抽出された.そして,活用後の変化として,「新人からの報告,連絡,相談回数が増えた」,「可視化された項目をみて考えがまとまりやすくなり各項目ごとに意識して評価や治療計画した」が抽出された.さらに,新人の自己認識と指導者の評価のギャップを埋めること,強みの発見のサブカテゴリーが重要であった.
結果2:既卒者は客観的な評価を予想通りと捉えた者が2/3名,自信喪失する者が1/3名いた.新卒者は予想通りが1/4名,安心感と自信喪失両方を合わせもつ者が3/4名いた.両者とも具体的な目標について意識する者が6/7名いた.
【考察】結果1より評価シートを活用すると新人OTの行動に変化がみられた.これは,能力の全体像を視覚化し,自身を振り返る場の提供が重要であったことが考えられた.そして,指導者と新人の評価のギャップを埋めて,新人OTの自己認識の客観性を高めたことで,行動変化に繋がったことが示唆された.
結果2より既卒者は課題や強みの抽出,目標立案まで行えることが多く自身の予想通りの結果となった.しかし,既卒者に対しても報告,連絡,相談の教育が必要であった.その一方で,新卒者は自身の予想と異なり課題や強みの抽出からサポートが必要であった.両者に対しては具体的な目標の意識付けができていた.そして,行動の変化と意識の変化過程は相互な関係性が考えられた.以上より,評価シートを活用し自己認識の客観性を高めたこと,具体的な目標の意識付けができたことで,新人OTの行動変化に繋がったことが推測された.
【目的】新人教育プログラムチームを科内で編成し,先行文献や他科の資料を参考に新人教育プログラム評価シートを作成した.その活用効果を明らかにすることを目的とした.
【方法】対象者は入職後1年目の作業療法士新人7名(既卒者3名.新卒者4名),及び指導者7名であった.評価シート使用後3ヶ月以内に半構造化質問にて聞き取り調査を30分程度行った.内容は評価シートの有効性について質問した.談話産生にあたり「評価シートを使用する前後で変化はありましたか.その理由も具体的に教えてください.」等と教示し,対象者に自由に叙述してもらった.意図する反応がなかった場合プロンプトとして「自己評価をすることで気付いたことはありましたか」等と質問した.聞き取り内容はICレコーダーにて記録した.そして,発言内容を全て文字化し,活用方法と活用後の変化に関するデータを抽出し,KJ法により分析した.本研究は対象者に研究目的を説明し,同意を得て実施した.また,東京都リハビリテーション病院倫理審査委員会の承認を得た(承認番号:23).
【結果】結果1:類似したデータごとにカテゴリーを作成し,構造化した.抽出箇所は合計127箇所であった.大カテゴリー(サブカテゴリ―)は行動の変化過程(9項目),意識の変化(6項目),指導のポイント(3項目)の3種類に分類された.行動の変化過程は,評価シートの特徴として,「課題の抽出と強みを分析し目標立案するきっかけが作れた」,「視覚化することで情報整理や理解がしやすく振り返りができた」,「全体的な項目があることで指導内容に偏りを減らせた」,「課題だけでなく強みに気付く」が抽出された.そして,活用後の変化として,「新人からの報告,連絡,相談回数が増えた」,「可視化された項目をみて考えがまとまりやすくなり各項目ごとに意識して評価や治療計画した」が抽出された.さらに,新人の自己認識と指導者の評価のギャップを埋めること,強みの発見のサブカテゴリーが重要であった.
結果2:既卒者は客観的な評価を予想通りと捉えた者が2/3名,自信喪失する者が1/3名いた.新卒者は予想通りが1/4名,安心感と自信喪失両方を合わせもつ者が3/4名いた.両者とも具体的な目標について意識する者が6/7名いた.
【考察】結果1より評価シートを活用すると新人OTの行動に変化がみられた.これは,能力の全体像を視覚化し,自身を振り返る場の提供が重要であったことが考えられた.そして,指導者と新人の評価のギャップを埋めて,新人OTの自己認識の客観性を高めたことで,行動変化に繋がったことが示唆された.
結果2より既卒者は課題や強みの抽出,目標立案まで行えることが多く自身の予想通りの結果となった.しかし,既卒者に対しても報告,連絡,相談の教育が必要であった.その一方で,新卒者は自身の予想と異なり課題や強みの抽出からサポートが必要であった.両者に対しては具体的な目標の意識付けができていた.そして,行動の変化と意識の変化過程は相互な関係性が考えられた.以上より,評価シートを活用し自己認識の客観性を高めたこと,具体的な目標の意識付けができたことで,新人OTの行動変化に繋がったことが推測された.