[PR-7-1] ポスター:教育 7新型コロナウィルス感染症禍における評価実習の学内代替実習の取り組み
【序論・目的】新型コロナウィルス(COVID-19)感染症は2019年12月初旬に中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから,わずか数カ月ほどの間にパンデミックと言われる世界的な大流行となった.わが国においては2020年1月15日に最初の感染者が確認された後,2022年2月17日現在の感染者数は416万人,死者数は20,986人となっている.世界的にほぼすべての方面に多大な影響を及ぼし,発表者が属する作業療法士養成機関においても,一斉休校,遠隔での講義・演習などに様々な対応に追われた.中でも実学としての作業療法に欠かせない臨床実習を学内代替実習に切り替えざるを得なかったことが,発表者個人として最大の関心事であり,多くの教訓を得た.そこで,今回,実習期間の短さと求められる課題の難易度が高い評価実習に対する所属養成機関での学内代替実習の取り組みを振り返り今後の在り方を検討する.
【対象および方法】対象:本学作業療法学専攻3年生42名.方法:自記式質問紙法によるアンケート調査.質問項目は「1.臨床現場での評価実習を経験したかったか」,「2.学内実習でよかったと思うか」,「3.臨床実習と同等の学びが得られたと思うか」とし,回答はA:とてもそう思う,B:思う,C:少し思う,D:全く思わない,とした.また,それぞれの質問項目に対しての自由記述を求めた.尚,学内代替実習は実習予定施設の分野に準じ,教員の専門分野で再配置し,1教員あたり3〜6名の学生を担当し,運営は事例提示(主に脳血管障害,統合失調症),疾患の学習(個人・グループ単位で学習),評価項目の列挙,評価の実施(教員が患者役・学生同士で患者役),問題点の焦点化,目標・プログラム立案という通常の評価実習に近い形で進行した.その後,全体で実習報告会を実施し,他分野や他疾患の知識を共有した.本演題発表に際し,対象者の同意を得ている.
【結果】「1.臨床現場での評価実習を経験したかったか」はA:19名(自由記述:実際の患者さんの評価などを実施してみたかった.臨床現場での実習を想定して準備していたから),B:12名,C:11名,D:0名であった.「2.学内実習でよかったと思うか」はA:5名,B:20名(自由記述:COVID-19の関係で実習関係者や家族に感染してしまわないか不安だったため.実際の実習では学生同士で話し合う機会がないと思うが今回はグループで話し合う機会が多かったから),C:16名,E:1名であった.「3. 臨床実習と同等の学びが得られたと思うか」はA:6名,B:10名,C:18名(自由記述:先生が工夫して下さって実際の病院の状況に近い環境で行えたため),D:8名(自由記述:実際に患者様が診られなかったことは同等の学びになったとは考えにくいと思う)であった.
【考察】アンケート結果からは学生の満足度はまずまず高く,医療従事者を目指す学生らしく学内実習に代替することへの理解は高かったが,実際の患者への検査や測定ができない分,実学としての経験に限界があることが明らかとなった.学内代替実習では,学生同士のディスカッションの機会を増やして共通の知識や経験を持つことや,模擬患者や実習指導者役を詳細に役割演技できるよう準備して可能な限り臨床現場に近い形を再現した実習とすることなどの配慮が求められる.また,映像資料の充実,VRを利用した実技体験などを導入して効果的な代替実習を実施する必要性が示唆された.
【対象および方法】対象:本学作業療法学専攻3年生42名.方法:自記式質問紙法によるアンケート調査.質問項目は「1.臨床現場での評価実習を経験したかったか」,「2.学内実習でよかったと思うか」,「3.臨床実習と同等の学びが得られたと思うか」とし,回答はA:とてもそう思う,B:思う,C:少し思う,D:全く思わない,とした.また,それぞれの質問項目に対しての自由記述を求めた.尚,学内代替実習は実習予定施設の分野に準じ,教員の専門分野で再配置し,1教員あたり3〜6名の学生を担当し,運営は事例提示(主に脳血管障害,統合失調症),疾患の学習(個人・グループ単位で学習),評価項目の列挙,評価の実施(教員が患者役・学生同士で患者役),問題点の焦点化,目標・プログラム立案という通常の評価実習に近い形で進行した.その後,全体で実習報告会を実施し,他分野や他疾患の知識を共有した.本演題発表に際し,対象者の同意を得ている.
【結果】「1.臨床現場での評価実習を経験したかったか」はA:19名(自由記述:実際の患者さんの評価などを実施してみたかった.臨床現場での実習を想定して準備していたから),B:12名,C:11名,D:0名であった.「2.学内実習でよかったと思うか」はA:5名,B:20名(自由記述:COVID-19の関係で実習関係者や家族に感染してしまわないか不安だったため.実際の実習では学生同士で話し合う機会がないと思うが今回はグループで話し合う機会が多かったから),C:16名,E:1名であった.「3. 臨床実習と同等の学びが得られたと思うか」はA:6名,B:10名,C:18名(自由記述:先生が工夫して下さって実際の病院の状況に近い環境で行えたため),D:8名(自由記述:実際に患者様が診られなかったことは同等の学びになったとは考えにくいと思う)であった.
【考察】アンケート結果からは学生の満足度はまずまず高く,医療従事者を目指す学生らしく学内実習に代替することへの理解は高かったが,実際の患者への検査や測定ができない分,実学としての経験に限界があることが明らかとなった.学内代替実習では,学生同士のディスカッションの機会を増やして共通の知識や経験を持つことや,模擬患者や実習指導者役を詳細に役割演技できるよう準備して可能な限り臨床現場に近い形を再現した実習とすることなどの配慮が求められる.また,映像資料の充実,VRを利用した実技体験などを導入して効果的な代替実習を実施する必要性が示唆された.