[OQ-1-1] コロナ禍における当院作業療法課での情報共有システムの再考について[第2報]
【はじめに】我々は第56回日本作業療法学会で「コロナ禍における当院作業療法課での情報共有システムの再考について」を発表した.第1報で浮き彫りとなった継続課題に対して,今回はその第2報として当院回復期病棟稼働率に合わせた係運営を中心とした内容で研究を重ねたため考察を添えて報告する.尚,本研究において開示すべきCOI関連にある企業等はない.
【当課の特徴】当院回復期病棟は27名(R4.2現在)の作業療法士が在籍し,第1~4係(1係につき6~7名)に分かれ,患者の情報共有やスタッフ教育を目的として係毎に2回/月のミーティングを実施している. ハード面における当課の特徴としてはスタッフルームの座席が係毎となっており,情報共有の点では非常に恵まれた環境である.
【第1期の振り返り】R2.4~R4.3
この期間で抽出した問題点は1.教育的視点での議論が少なく臨床場面に汎化しにくいこと2.ミーティング方法が係によって異なり課内全体に一貫性がないこと3.長時間に及ぶミーティングの開催でスタッフの負担となること4.限られた時間での開催であるため患者の状況把握が限定的となることであった.
これらの問題点に対して,ミーティングの開催時間や報告内容,また使用するツール等を統一し,課内目標の一つでもある「まとめる能力や伝える能力を養う」に則した係運営を目指した.またアンケート調査を約6ヶ月周期で合計3回実施,内容は(1)臨床業務への影響力(2)情報の伝達力(3)効率性(4)実行性について「全くその通り」4点「その通り」3点「違う」2点「全く違う」1点の4件法を用いた.各項目の合計点数から3回の平均値を算出した結果は(1)臨床業務への影響力71点(2)情報の伝達力74点(3)効率性62点(4)実行性68点であり(3)効率性の点数が最も低く次年度の課題となった.
【第2期の取り組み】R4.4~R5.3
第1期のアンケート結果より係運営の効率性を高めるために,当院における回復期病床稼働率を検証した結果,直近2年間では7月~11月が比較的閑散期となりやすい傾向にあった.その為,閑散期には定期ミーティング期間,そして繁忙期は軒下カンファレンス期間とした係運営を目指した.また アンケート調査では第1期で実施した内容と同一の書式を使用し,R4.7とR4.12の2回実施した.
【結果】アンケート調査結果では第1期と第2期の比較において各項目の合計点数から平均値を算出した結果は(1)臨床業務への影響力8%(2)情報の伝達力13%(3)効率性18%(4)実行性18%とそれぞれ向上した.また第2期のみで検証した場合も4項目全てにおいて合計点数は向上し特に(3)効率性で62点→85点と約27%と最も高い増加率を認めた.
【考察・まとめ】第1期の課題であった係運営の(3)効率化に対しては,当課の役職会議(1回/月)で各係における運営の進捗状況を確認しつつ,さらに定例会議(1回/月)で使用する議事録にはミーティング開催形式の年間予定を掲載した.具体的には当院回復期病棟の稼働率に合わせて決定したミーティング実施期間と軒下カンファレンス実施期間を可視化したことでスタッフ全体の認知度も向上し年間計画に合わせた行動が取れるようになったと考察した.また(4)実行性でも数値的変化を認め日々の業務では当課のハード面を最大限に活かして軒下カンファレンスも定着してきており,さらに業務時間内でのミーティング開催を通して患者の状況把握や教育的視点での議論につながるシステム構築となった.しかし今後もコロナ禍によるスタッフの急な欠勤や病棟閉鎖等の影響も加味して,定期ミーティングと軒下カンファレンスが使い分けられる流動的なシステムを目指すべく第3期の継続課題とする.
【当課の特徴】当院回復期病棟は27名(R4.2現在)の作業療法士が在籍し,第1~4係(1係につき6~7名)に分かれ,患者の情報共有やスタッフ教育を目的として係毎に2回/月のミーティングを実施している. ハード面における当課の特徴としてはスタッフルームの座席が係毎となっており,情報共有の点では非常に恵まれた環境である.
【第1期の振り返り】R2.4~R4.3
この期間で抽出した問題点は1.教育的視点での議論が少なく臨床場面に汎化しにくいこと2.ミーティング方法が係によって異なり課内全体に一貫性がないこと3.長時間に及ぶミーティングの開催でスタッフの負担となること4.限られた時間での開催であるため患者の状況把握が限定的となることであった.
これらの問題点に対して,ミーティングの開催時間や報告内容,また使用するツール等を統一し,課内目標の一つでもある「まとめる能力や伝える能力を養う」に則した係運営を目指した.またアンケート調査を約6ヶ月周期で合計3回実施,内容は(1)臨床業務への影響力(2)情報の伝達力(3)効率性(4)実行性について「全くその通り」4点「その通り」3点「違う」2点「全く違う」1点の4件法を用いた.各項目の合計点数から3回の平均値を算出した結果は(1)臨床業務への影響力71点(2)情報の伝達力74点(3)効率性62点(4)実行性68点であり(3)効率性の点数が最も低く次年度の課題となった.
【第2期の取り組み】R4.4~R5.3
第1期のアンケート結果より係運営の効率性を高めるために,当院における回復期病床稼働率を検証した結果,直近2年間では7月~11月が比較的閑散期となりやすい傾向にあった.その為,閑散期には定期ミーティング期間,そして繁忙期は軒下カンファレンス期間とした係運営を目指した.また アンケート調査では第1期で実施した内容と同一の書式を使用し,R4.7とR4.12の2回実施した.
【結果】アンケート調査結果では第1期と第2期の比較において各項目の合計点数から平均値を算出した結果は(1)臨床業務への影響力8%(2)情報の伝達力13%(3)効率性18%(4)実行性18%とそれぞれ向上した.また第2期のみで検証した場合も4項目全てにおいて合計点数は向上し特に(3)効率性で62点→85点と約27%と最も高い増加率を認めた.
【考察・まとめ】第1期の課題であった係運営の(3)効率化に対しては,当課の役職会議(1回/月)で各係における運営の進捗状況を確認しつつ,さらに定例会議(1回/月)で使用する議事録にはミーティング開催形式の年間予定を掲載した.具体的には当院回復期病棟の稼働率に合わせて決定したミーティング実施期間と軒下カンファレンス実施期間を可視化したことでスタッフ全体の認知度も向上し年間計画に合わせた行動が取れるようになったと考察した.また(4)実行性でも数値的変化を認め日々の業務では当課のハード面を最大限に活かして軒下カンファレンスも定着してきており,さらに業務時間内でのミーティング開催を通して患者の状況把握や教育的視点での議論につながるシステム構築となった.しかし今後もコロナ禍によるスタッフの急な欠勤や病棟閉鎖等の影響も加味して,定期ミーティングと軒下カンファレンスが使い分けられる流動的なシステムを目指すべく第3期の継続課題とする.