[PI-4-1] 作業療法による学級経営コンサルテーション
【はじめに】
近年,子どもたちを取り巻く環境の変化に伴い,学級経営で担任教員が抱える子どもの学校生活の課題も多様で複雑化している.そのため学校内で専門性のある関係機関が 教員と協働体制を形作ることが求められている.作業療法士(以下OT)は子どもがしたいこと,教員や保護者が期待したいことなど,クライエントの作業(届けたい教育)を,学級環境でできるための方法を教員が主体的に考えられるよう協働することができる.今回,こどもセンターゆいまわる(以下当事業所)が行っている委託事業の学校作業療法を紹介すると共に,これからの学校作業療法のあり方について考察する.なお発表にあたり,患者の個人情報とプライバシーの保護に配慮し,関係機関に説明後同意を得ている.
【南風原町での取り組み】
沖縄県南風原町では平成28年より福祉サービスによるOTの訪問を推進し,その実績を踏まえ翌年から町の委託事業によるOTの保育園訪問が開始となった.令和2年7月からは幼小中学校の訪問も開始となり,未就学から就学時期にかけて学級経営コンサルとしてのOTの巡回相談(以下まちOT)ができるようになっている.
現在,まちOT訪問は町内17園の各保育園に年間3回(計51回),幼稚園(4園),小学校(4校),中学校(2校)へは5月から3月の期間,全校月1回の定期訪問を実施している(計110回).
【まちOT訪問の流れ】
訪問調整:訪問を希望する学校は,学級・座席表・困り感について記載し教育委員会と当事業所にFAXを送る.当事業所の相談員が学校の担当者に連絡し日程調整を行う.1回の訪問で対応するクラスは2クラス.クラス内で特に詳細に分析する児童は3名程度.
訪問の流れ:9:20-11:20 学級分析/15:30-17:30学級経営面接.
1)オリエンテーション:観察する授業前の休み時間に担任と簡単な情報共有を行う.どのように観察していいのかこちらの動きの許可をとる.
2)学級分析:対象児童の作業遂行分析,机や掲示物など学級の環境分析,担任の作業遂行分析(特にどんなことに力を入れたいと思っているのか教員のニーズを知る)を行う.全ての情報の相互作用について分析する.
3)面接:面接の参加は担任教員を基本として,特別支援コーディネーターや学年主任,教頭など学校によって参加は様々である.学校全体に分析内容を報告することもある.
(1)目標設定:まちOTの目的を伝え,担任の届けたい教育について聞いていきながらクラス目標を立案する.目標について現状の遂行度と満足度を聞く.
(2)情報共有と学級経営デザインの立案:作業遂行上の問題点と利点を共有し,担任主体で学級経営のデザイン(手立てや工夫)を立案する.
【結果と考察】
2020年から始まったまちOT訪問は毎年依頼が増え,今年度は支援員配置計画の分析にも関わることとなった.このようにまちがOTを受け入れる理由として,届けたい教育に焦点が当たっていることで教員の主体的参加ができること,教員が安心して取組み学級経営のスキルアップにつながること,学級経営のための訪問のため保護者の許可がなく相談できること,教員の健康に効果があることなどが現場のアンケートや教育委員会の意見から明確となった.
近年,子どもたちを取り巻く環境の変化に伴い,学級経営で担任教員が抱える子どもの学校生活の課題も多様で複雑化している.そのため学校内で専門性のある関係機関が 教員と協働体制を形作ることが求められている.作業療法士(以下OT)は子どもがしたいこと,教員や保護者が期待したいことなど,クライエントの作業(届けたい教育)を,学級環境でできるための方法を教員が主体的に考えられるよう協働することができる.今回,こどもセンターゆいまわる(以下当事業所)が行っている委託事業の学校作業療法を紹介すると共に,これからの学校作業療法のあり方について考察する.なお発表にあたり,患者の個人情報とプライバシーの保護に配慮し,関係機関に説明後同意を得ている.
【南風原町での取り組み】
沖縄県南風原町では平成28年より福祉サービスによるOTの訪問を推進し,その実績を踏まえ翌年から町の委託事業によるOTの保育園訪問が開始となった.令和2年7月からは幼小中学校の訪問も開始となり,未就学から就学時期にかけて学級経営コンサルとしてのOTの巡回相談(以下まちOT)ができるようになっている.
現在,まちOT訪問は町内17園の各保育園に年間3回(計51回),幼稚園(4園),小学校(4校),中学校(2校)へは5月から3月の期間,全校月1回の定期訪問を実施している(計110回).
【まちOT訪問の流れ】
訪問調整:訪問を希望する学校は,学級・座席表・困り感について記載し教育委員会と当事業所にFAXを送る.当事業所の相談員が学校の担当者に連絡し日程調整を行う.1回の訪問で対応するクラスは2クラス.クラス内で特に詳細に分析する児童は3名程度.
訪問の流れ:9:20-11:20 学級分析/15:30-17:30学級経営面接.
1)オリエンテーション:観察する授業前の休み時間に担任と簡単な情報共有を行う.どのように観察していいのかこちらの動きの許可をとる.
2)学級分析:対象児童の作業遂行分析,机や掲示物など学級の環境分析,担任の作業遂行分析(特にどんなことに力を入れたいと思っているのか教員のニーズを知る)を行う.全ての情報の相互作用について分析する.
3)面接:面接の参加は担任教員を基本として,特別支援コーディネーターや学年主任,教頭など学校によって参加は様々である.学校全体に分析内容を報告することもある.
(1)目標設定:まちOTの目的を伝え,担任の届けたい教育について聞いていきながらクラス目標を立案する.目標について現状の遂行度と満足度を聞く.
(2)情報共有と学級経営デザインの立案:作業遂行上の問題点と利点を共有し,担任主体で学級経営のデザイン(手立てや工夫)を立案する.
【結果と考察】
2020年から始まったまちOT訪問は毎年依頼が増え,今年度は支援員配置計画の分析にも関わることとなった.このようにまちがOTを受け入れる理由として,届けたい教育に焦点が当たっていることで教員の主体的参加ができること,教員が安心して取組み学級経営のスキルアップにつながること,学級経営のための訪問のため保護者の許可がなく相談できること,教員の健康に効果があることなどが現場のアンケートや教育委員会の意見から明確となった.