[PJ-3-7] 地域在住高齢者に対する園芸活動を用いた取り組みの現状
【はじめに】日本は超高齢社会であり,2025年には認知症者が730万人に達するとも言われている.認知症が進行すると住み慣れた地域で生活することが難しくなってくるのが現状であり,できるだけ長くその地域の生活を維持するために認知症を予防することは重要であると考える.また,フレイルや閉じこもりとも密接に関連しており,並行して対策を進めていく必要がある.すでにさまざまな介護・認知症予防事業が行われているが,自由参加であるため必要と思われる高齢者が前向きに参加できるプログラムの工夫が必要である.農作業は仕事であれば農業,趣味であれば園芸などで行われており,高齢者にとって取り入れやすい作業であると言える.また,低い位置からの立ち座り,中腰作業などが必要で,日常生活より負荷の高い運動が含まれる.また,手順の理解や複数の作業を効率的に実行するための注意機能や認知機能も必要になってくるため,認知課題としての意味合いも持つ.また,集団での実施や,収穫物のやり取りなど社会交流の機会にもなるため認知症予防として取り入れやすくかつ有効ではないかと考えた.本研究の目的は,地域在住高齢者に対する農作業を用いた活動について方法やその効果について文献研究を行うことで,現状を把握し,今後の研究を進めるにあたっての一助とすることとした.
【方法】キーワードは作業療法キーワード集を参考に「地域在住高齢者」と農作業が含まれる活動である「園芸」とし,医中誌Web,Cinii,Google scholarの3つのデータベースで検索した.対象に地域在住高齢者が含まれてないもの,農作業の内容と効果のいずれも記載されていないものは除外し,データベース間で重複した文献は整理した.分析の対象となった文献について,園芸活動の期間,頻度,内容,効果を抽出した.
【結果】検索結果は,医中誌Web10件,Ciniiでは8件,Google scholarでは893件で,除外条件をクリアし,重複した文献を整理した結果,7件となった.その中から明記されている部分を抽出したところ,期間は1回のみ,4か月,1年,頻度は週1回であった.内容は土づくり,播種・苗植え,管理(水やり,除草)などに加え,加工(苔玉作り,収穫物の調理,草木染め,フラワーアレンジメント,ハーブ石鹸づくりなど)が挙げられた.また,園芸活動を通して地域や世代間交流を目的としているものもあった.効果はQOLの向上,精神的健康度・ポジティブな気分・IADLを含む自己効力感の向上,握力の改善傾向などが挙げられていた.
【考察】園芸活動はQOLの向上,精神的側面に効果があったとする文献が多かった.期間や頻度は,効果検証を目的としたものは最低でも6週間,頻度は週1回であり,内容は栽培から加工まで多岐にわたり自由度が高いため,プログラム立案の際は週1回の頻度で6週間以上とし,対象者のニードに合わせて栽培のみならず幅広く検討していくことが重要であると考えられた.また,活動の際のグループ構成も目的によって高齢者のみか他世代も含むかの選択する必要がある.本研究では,日本語の文献に限定し文献数も少なかったため,今後は,英語の文献まで範囲を広げ,複数の研究者で議論を進めていく必要がある.
【方法】キーワードは作業療法キーワード集を参考に「地域在住高齢者」と農作業が含まれる活動である「園芸」とし,医中誌Web,Cinii,Google scholarの3つのデータベースで検索した.対象に地域在住高齢者が含まれてないもの,農作業の内容と効果のいずれも記載されていないものは除外し,データベース間で重複した文献は整理した.分析の対象となった文献について,園芸活動の期間,頻度,内容,効果を抽出した.
【結果】検索結果は,医中誌Web10件,Ciniiでは8件,Google scholarでは893件で,除外条件をクリアし,重複した文献を整理した結果,7件となった.その中から明記されている部分を抽出したところ,期間は1回のみ,4か月,1年,頻度は週1回であった.内容は土づくり,播種・苗植え,管理(水やり,除草)などに加え,加工(苔玉作り,収穫物の調理,草木染め,フラワーアレンジメント,ハーブ石鹸づくりなど)が挙げられた.また,園芸活動を通して地域や世代間交流を目的としているものもあった.効果はQOLの向上,精神的健康度・ポジティブな気分・IADLを含む自己効力感の向上,握力の改善傾向などが挙げられていた.
【考察】園芸活動はQOLの向上,精神的側面に効果があったとする文献が多かった.期間や頻度は,効果検証を目的としたものは最低でも6週間,頻度は週1回であり,内容は栽培から加工まで多岐にわたり自由度が高いため,プログラム立案の際は週1回の頻度で6週間以上とし,対象者のニードに合わせて栽培のみならず幅広く検討していくことが重要であると考えられた.また,活動の際のグループ構成も目的によって高齢者のみか他世代も含むかの選択する必要がある.本研究では,日本語の文献に限定し文献数も少なかったため,今後は,英語の文献まで範囲を広げ,複数の研究者で議論を進めていく必要がある.