[PK-10-2] デイケアでの排泄動作アプローチにより認知症86歳男性のBPSDが軽減した症例
【はじめに】超高齢化社会を迎え,利用者の生活の質は重要な問題となっている.排泄機能は特に精神面に大きく影響し重要な課題の一つでもある.デイケア開始当初,BPSD(不安・不穏)により落ち着きなく,悲観的言動を発していた認知症86歳男性が尿道カテーテル(以下尿カテ)離脱前後でのBPSDの変化があった.デイケアでの排泄動作アプローチによりBPSD25Qの数値が下がり,徐々に落ち着きを取り戻し,BPSDが軽減したのでここに報告する.今回の報告は当施設での承認を得た上で本人・家族の同意を得て,発表する.
【方法】1期(初回~3ケ月)通所リハビリにて身体機能訓練は週3回を1回につき40分を3ケ月行った.またBPSD25Qの評価表を用いて尿カテ離脱前後で評価してみた.身体機能訓練は骨盤底筋筋力強化訓練や下肢ストレッチを行い車輪付きピックアップ歩行器を使用して歩行訓練を行った.その際に妻の手作りウロバックショルダーを身に付け歩行練習や立ち座り時に注意する自己管理の練習をした.
2期(4ケ月~6ケ月)さらなる歩行能力向上を目指して屋外歩行練習として散歩を取り入れ,傾斜・段差などの経験をさせた.またこの頃よりデイケアの活動として以前より興味関心のあった麻雀に短時間から参加するようになった.また主治医・ケアマネジャーとの連携より自宅での自尿が確認出来た.その結果,尿カテ離脱となり介護職員と連携しリハビリパンツとパット対応とし定時誘導と訴え時にトイレでの排尿を試みた.
【結果】6ケ月介入した結果,排泄動作が全介助から見守りとなった.
またBI45から60,FAIは0から6へと数値は上昇した.HDSR17点から20点と上昇し,BPSD25Qは重症度9から3,負担度は12から6へ下がりBPSD(不安・不穏)が改善したことが示唆された.身体機能面においては,不安症状強く,検査困難な状況から検査が可能になりTUG21.4秒,6分間歩行240mであった.また屋外歩行が可能になり,体力面での向上もみられた.この頃より自宅での歩行の機会が増えた.尿カテが外れ,トイレにて排泄することにより悲観的言動が減少し,精神的安定につながった.また活動参加が可能になり他利用者との交流も落ち着いて出来るようになった.
【考察】BPSD(不安・不穏)を呈した認知症86歳男性の尿カテが車椅子に固定されたことによりBPSDが強く出現していた.ウロバックショルダーとして身体に身に付ける練習をすることにより生活動作が自由になり自立度が向上したと思われる.リハビリでの筋力強化訓練や歩行訓練により膀胱括約筋への活動が促され自尿の効果があったと考えられる.山西ら(2016)は排泄機能のリハビリテーションにおいて膀胱訓練時に骨盤底筋を収縮するトレーニングは尿失禁治療に有効と述べている.さらに主治医により自尿が確認され尿カテ離脱となりトイレでの排泄動作へと向上し,より精神面の安定につながったと考えられる.また一方で歩行能力向上し移動範囲が拡大し活動への意欲を示したと考えられる.上山ら(2010)によれば高齢者の排泄機能のリハビリテーションは生活の質(QOL)に大きく影響していると述べている.不快感や苦痛からの解放でもあり自尊心の保持や自信の回復につながるものである.BPSD25Qの重症度3に軽減した結果から不安症状や悲観的言動に毎日対応していたのが,排泄動作が向上し落ち着いて活動参加することが可能となり見守りの範囲内になったと思われる.またBPSD25Qの負担度6に軽減したことも妻の負担度が減少したものと考えられる.今後は在宅での活動参加・社会参加を視野に入れてアプローチしていきたいと考える.
【方法】1期(初回~3ケ月)通所リハビリにて身体機能訓練は週3回を1回につき40分を3ケ月行った.またBPSD25Qの評価表を用いて尿カテ離脱前後で評価してみた.身体機能訓練は骨盤底筋筋力強化訓練や下肢ストレッチを行い車輪付きピックアップ歩行器を使用して歩行訓練を行った.その際に妻の手作りウロバックショルダーを身に付け歩行練習や立ち座り時に注意する自己管理の練習をした.
2期(4ケ月~6ケ月)さらなる歩行能力向上を目指して屋外歩行練習として散歩を取り入れ,傾斜・段差などの経験をさせた.またこの頃よりデイケアの活動として以前より興味関心のあった麻雀に短時間から参加するようになった.また主治医・ケアマネジャーとの連携より自宅での自尿が確認出来た.その結果,尿カテ離脱となり介護職員と連携しリハビリパンツとパット対応とし定時誘導と訴え時にトイレでの排尿を試みた.
【結果】6ケ月介入した結果,排泄動作が全介助から見守りとなった.
またBI45から60,FAIは0から6へと数値は上昇した.HDSR17点から20点と上昇し,BPSD25Qは重症度9から3,負担度は12から6へ下がりBPSD(不安・不穏)が改善したことが示唆された.身体機能面においては,不安症状強く,検査困難な状況から検査が可能になりTUG21.4秒,6分間歩行240mであった.また屋外歩行が可能になり,体力面での向上もみられた.この頃より自宅での歩行の機会が増えた.尿カテが外れ,トイレにて排泄することにより悲観的言動が減少し,精神的安定につながった.また活動参加が可能になり他利用者との交流も落ち着いて出来るようになった.
【考察】BPSD(不安・不穏)を呈した認知症86歳男性の尿カテが車椅子に固定されたことによりBPSDが強く出現していた.ウロバックショルダーとして身体に身に付ける練習をすることにより生活動作が自由になり自立度が向上したと思われる.リハビリでの筋力強化訓練や歩行訓練により膀胱括約筋への活動が促され自尿の効果があったと考えられる.山西ら(2016)は排泄機能のリハビリテーションにおいて膀胱訓練時に骨盤底筋を収縮するトレーニングは尿失禁治療に有効と述べている.さらに主治医により自尿が確認され尿カテ離脱となりトイレでの排泄動作へと向上し,より精神面の安定につながったと考えられる.また一方で歩行能力向上し移動範囲が拡大し活動への意欲を示したと考えられる.上山ら(2010)によれば高齢者の排泄機能のリハビリテーションは生活の質(QOL)に大きく影響していると述べている.不快感や苦痛からの解放でもあり自尊心の保持や自信の回復につながるものである.BPSD25Qの重症度3に軽減した結果から不安症状や悲観的言動に毎日対応していたのが,排泄動作が向上し落ち着いて活動参加することが可能となり見守りの範囲内になったと思われる.またBPSD25Qの負担度6に軽減したことも妻の負担度が減少したものと考えられる.今後は在宅での活動参加・社会参加を視野に入れてアプローチしていきたいと考える.