[PK-4-3] 脳卒中による高次脳機能障害が転帰先へ及ぼす影響
【背景】急性期病院から転帰先に影響を与える因子として,高次脳機能障害が挙げられている(国枝洋太ら 2015,八木麻衣子ら 2012)が,神経心理学検査を用いた報告は少ない.入院中の神経心理学検査の結果が,在宅復帰にも影響しているのではないかと考えた.
【目的】急性期病院に入院中に神経心理学検査を実施,どの高次脳機能障害の項目が転帰先に影響しているのかを明らかにする.徳島県立中央病院倫理審査委員会にて承認済(22-47).
【対象】2020年10月から2022年9月までの間に脳梗塞・脳出血にて当院に入院し,リハビリテーションの処方があった患者371名.除外基準は,入院前ADLに歩行含め見守り・介助が必要,ブルンストローム・ステージ(Brunnstrom Stage;以下 Brs)Ⅰ~Ⅳ,感覚障害・運動失調を有する,改訂長谷川式簡易知能評価スケール(以下,HDS-R)が,14点以下のやや高度・非常に高度認知症(加藤ら,1991),失語症もしくはその疑い,経鼻栄養を利用していた者とした.除外基準を満たした261名を除外し,統計対象者は107名とした.
【方法】年齢,性別,HDS-R,日本版Trail making testのpart A/B(以下,TMT-A/B),Kohs立方体組み合わせテスト(以下,KBDT)に対して,正規性をShapiro-Wilk検定で確認後,対応のないt検定を実施.有意であった項目を独立変数,転帰先を従属変数としてロジスティック回帰分析を実施.統計解析には,r(4.1.2)を用い,有意水準は,5%未満を採用.
【結果】転帰先への影響がある因子としてTMT-A(オッズ比1.03,95%信頼区間1.01-1.05)が抽出された.
【考察】急性期脳卒中患者の高次脳機能障害の有無は,在宅復帰に影響を与える因子の1つである(国枝洋太ら 2015,八木麻衣子ら 2012).急性期病院からの転帰においても,選択性の注意障害は,転帰に影響する一要因であると考える.選択性注意の低下に伴い,内・外的環境等への適応の不十分さが影響していると思われる.日常生活の中で,現状能力や生活場面を対象者と共有を図っていくとともに,訓練介入・環境調整を行っていく必要があると考える.
【目的】急性期病院に入院中に神経心理学検査を実施,どの高次脳機能障害の項目が転帰先に影響しているのかを明らかにする.徳島県立中央病院倫理審査委員会にて承認済(22-47).
【対象】2020年10月から2022年9月までの間に脳梗塞・脳出血にて当院に入院し,リハビリテーションの処方があった患者371名.除外基準は,入院前ADLに歩行含め見守り・介助が必要,ブルンストローム・ステージ(Brunnstrom Stage;以下 Brs)Ⅰ~Ⅳ,感覚障害・運動失調を有する,改訂長谷川式簡易知能評価スケール(以下,HDS-R)が,14点以下のやや高度・非常に高度認知症(加藤ら,1991),失語症もしくはその疑い,経鼻栄養を利用していた者とした.除外基準を満たした261名を除外し,統計対象者は107名とした.
【方法】年齢,性別,HDS-R,日本版Trail making testのpart A/B(以下,TMT-A/B),Kohs立方体組み合わせテスト(以下,KBDT)に対して,正規性をShapiro-Wilk検定で確認後,対応のないt検定を実施.有意であった項目を独立変数,転帰先を従属変数としてロジスティック回帰分析を実施.統計解析には,r(4.1.2)を用い,有意水準は,5%未満を採用.
【結果】転帰先への影響がある因子としてTMT-A(オッズ比1.03,95%信頼区間1.01-1.05)が抽出された.
【考察】急性期脳卒中患者の高次脳機能障害の有無は,在宅復帰に影響を与える因子の1つである(国枝洋太ら 2015,八木麻衣子ら 2012).急性期病院からの転帰においても,選択性の注意障害は,転帰に影響する一要因であると考える.選択性注意の低下に伴い,内・外的環境等への適応の不十分さが影響していると思われる.日常生活の中で,現状能力や生活場面を対象者と共有を図っていくとともに,訓練介入・環境調整を行っていく必要があると考える.