[PN-10-6] 生活機能向上連携加算の取得支援を通して,介護事業所職員,当院の回復期リハビリテーション職員が得られる影響
【はじめに】
生活機能向上連携加算とは自立支援・重度化予防に資する介護を推進すべく,介護事業所の職員と外部のリハビリテーション(以下,リハ)職が連携することで取得できる.算定率は低迷しており,ケアワーカー(以下,CW)やリハ職への影響は明らかではない.当院では2021年12月から当加算の枠組みで訪問リハ職と回復期リハ職で2名1組となり近隣介護事業所へ支援を行っている.この支援を通して,介護事業所職員(CW)と,当院の回復期リハ職が得られる影響を調査することを本研究の目的とした.
【研究方法】
近隣区4施設を対象に,2022年1月~2022年9月の間に3カ月ごと計3回訪問し,終了時にアンケート調査を行った.
1.介護保険事所職員(CW)に対して調査
計3回,訪問ごとアンケート調査をした.内容は「利用者に安全に関われるようになった」「自立支援に支援方法が変わった」「アセスメント力が向上した」等として,5段階リッカート尺度で構成した.
2.同行した回復期リハ職に対して調査
同行できた1回限りの調査となった.内容は「気づきがあったか」「難しかったか」「今後に活かせるか」とし,5段階のリッカート尺度と自由記載で構成した.
尺度は,両者とも「とてもそう思う」を5点,「全くそう思わない」を1点とした.
【倫理的配慮,説明と同意】
ヘルシンキ宣言に基づき,説明を行い同意を得られた者に行った.
【結果】
1.介護保険事業所職員(CW)に対しての調査
介護事業所職員からは,1回目訪問後13名,2回目訪問後21名,3回目訪問後21名より返送があった.平均すると,1回目は2.93,2回目は3.95,3回目は4.18であった.回を重ねるごと全ての項目で肯定的な評価が増加.1回目と2回目間で1尺度程の差が生じた.
2.同行した回復期リハ職に対しての調査
同行した回復期リハ職は,4年目1名,6年目2名,7年目1名であり,気付きに繋がったと回答があり,今後に「活かせる」と考えていた.得られた気づきとして「疾患だけではなく総合的な支援が必要」「退院後の生活を見通した指導の重要性を痛感した」など挙がった.予後予測,ケアマネジャーとの連携など退院後の生活を見据えた支援が,院内での業務に活かせるようであった.
【考察】
生活機能向上連携加算による介護事業所との連携は,ケアワーカーへの支援としても有益だと考える.1回だけではなく再評価も含めた複数回の支援が必要な可能性がある.
また,回復期のリハ職にとっては,介護分野でのサービスや多職種への理解につながるきっかけとなり,退院後を見据えた支援を改めて考える機会となったと考える.施設での生活様式を知り,日常生活や多職種への働きかけを行う経験は,院内業務に活かせる教育的機会となる可能性がある.
生活機能向上連携加算とは自立支援・重度化予防に資する介護を推進すべく,介護事業所の職員と外部のリハビリテーション(以下,リハ)職が連携することで取得できる.算定率は低迷しており,ケアワーカー(以下,CW)やリハ職への影響は明らかではない.当院では2021年12月から当加算の枠組みで訪問リハ職と回復期リハ職で2名1組となり近隣介護事業所へ支援を行っている.この支援を通して,介護事業所職員(CW)と,当院の回復期リハ職が得られる影響を調査することを本研究の目的とした.
【研究方法】
近隣区4施設を対象に,2022年1月~2022年9月の間に3カ月ごと計3回訪問し,終了時にアンケート調査を行った.
1.介護保険事所職員(CW)に対して調査
計3回,訪問ごとアンケート調査をした.内容は「利用者に安全に関われるようになった」「自立支援に支援方法が変わった」「アセスメント力が向上した」等として,5段階リッカート尺度で構成した.
2.同行した回復期リハ職に対して調査
同行できた1回限りの調査となった.内容は「気づきがあったか」「難しかったか」「今後に活かせるか」とし,5段階のリッカート尺度と自由記載で構成した.
尺度は,両者とも「とてもそう思う」を5点,「全くそう思わない」を1点とした.
【倫理的配慮,説明と同意】
ヘルシンキ宣言に基づき,説明を行い同意を得られた者に行った.
【結果】
1.介護保険事業所職員(CW)に対しての調査
介護事業所職員からは,1回目訪問後13名,2回目訪問後21名,3回目訪問後21名より返送があった.平均すると,1回目は2.93,2回目は3.95,3回目は4.18であった.回を重ねるごと全ての項目で肯定的な評価が増加.1回目と2回目間で1尺度程の差が生じた.
2.同行した回復期リハ職に対しての調査
同行した回復期リハ職は,4年目1名,6年目2名,7年目1名であり,気付きに繋がったと回答があり,今後に「活かせる」と考えていた.得られた気づきとして「疾患だけではなく総合的な支援が必要」「退院後の生活を見通した指導の重要性を痛感した」など挙がった.予後予測,ケアマネジャーとの連携など退院後の生活を見据えた支援が,院内での業務に活かせるようであった.
【考察】
生活機能向上連携加算による介護事業所との連携は,ケアワーカーへの支援としても有益だと考える.1回だけではなく再評価も含めた複数回の支援が必要な可能性がある.
また,回復期のリハ職にとっては,介護分野でのサービスや多職種への理解につながるきっかけとなり,退院後を見据えた支援を改めて考える機会となったと考える.施設での生活様式を知り,日常生活や多職種への働きかけを行う経験は,院内業務に活かせる教育的機会となる可能性がある.