[PN-11-12] 山間地域における訪問リハビリ会議へのICT導入
序論
当診療所には外来兼務の訪問リハビリ担当者が2名在籍しており,毎月20名程度の利用者宅に訪問している.当所は冬季の降雪量が多く特別地域加算の対象である山間地域(白馬村)に所在しており,3ヵ月毎の訪問リハビリ会議開催に際し利用者宅で支援担当者が集まることは,移動時間の長さなどから業務負担が大きい.また,感染症予防対策として利用者宅での会議実施には慎重な状況があった.そこで,令和4年よりリハビリ担当者が利用者宅にPCを持参してインターネット環境を整え,Zoomソフトを利用してのリモート会議を一部で実施した.この取り組みにて得られた効果や課題について報告する.
目的
リモートでの訪問リハビリ会議の導入が,会議出席者の業務負担軽減や,利用者や家族にとっての効果的なリハビリテーションマネジメントにつながったかを考える.
方法
会議参加者のうち利用者や家族,事業所医師,ケアマネジャー,リハスタッフに対して,リモートでの会議実施による効果と課題について聞き取り調査をおこなう.また,リモート会議を導入する前後の年で訪問リハビリ終了者の割合および平均介入期間を比較し,マネジメントへの影響を検討する.
結果
利用者や家族からは,医師を交えての会議がコロナ禍でも実施されて安心したとの声が聞かれた.医師からは,移動時間がかからないことや診療スケジュールへの組み込みやすさがメリットとして挙げられた.ケアマネジャーからは,感染症が広がり訪問が困難な時期でもリモートで会議に参加できて良かったという意見があった.リハビリ担当者にとっては移動時間短縮にはつながらないが,会議時間の短縮や開催日程の調整が行いやすいという効果があった.令和4年はリモート会議の実施が全体の3割強であった.令和3年と4年の比較で,要介護利用者の訪問リハビリ終了者の割合は全体の35.7%から48.6%に増加した.また,平均介入期間は5.0か月から4.7か月となり,期間の短縮がみられた.
考察
会議参加者への聞き取りから,会議をリモートで行ったことで移動時間の短縮や日程調整の簡略化,感染の予防につながったといえる.またマネジメントの観点からは,コロナ禍においても会議が継続実施されリハビリゴールが共有できたために,ICT導入以前と同等以上の終了率を得ることができたと考えられる.一方,PC画面を通しての会話に戸惑う利用者や家族の声も聞かれ,対面での話し合いの重要性を改めて感じた.今後は利用者の生活動作の状況を動画共有するなどICTの活用を広げていきたいと考えている.
当診療所には外来兼務の訪問リハビリ担当者が2名在籍しており,毎月20名程度の利用者宅に訪問している.当所は冬季の降雪量が多く特別地域加算の対象である山間地域(白馬村)に所在しており,3ヵ月毎の訪問リハビリ会議開催に際し利用者宅で支援担当者が集まることは,移動時間の長さなどから業務負担が大きい.また,感染症予防対策として利用者宅での会議実施には慎重な状況があった.そこで,令和4年よりリハビリ担当者が利用者宅にPCを持参してインターネット環境を整え,Zoomソフトを利用してのリモート会議を一部で実施した.この取り組みにて得られた効果や課題について報告する.
目的
リモートでの訪問リハビリ会議の導入が,会議出席者の業務負担軽減や,利用者や家族にとっての効果的なリハビリテーションマネジメントにつながったかを考える.
方法
会議参加者のうち利用者や家族,事業所医師,ケアマネジャー,リハスタッフに対して,リモートでの会議実施による効果と課題について聞き取り調査をおこなう.また,リモート会議を導入する前後の年で訪問リハビリ終了者の割合および平均介入期間を比較し,マネジメントへの影響を検討する.
結果
利用者や家族からは,医師を交えての会議がコロナ禍でも実施されて安心したとの声が聞かれた.医師からは,移動時間がかからないことや診療スケジュールへの組み込みやすさがメリットとして挙げられた.ケアマネジャーからは,感染症が広がり訪問が困難な時期でもリモートで会議に参加できて良かったという意見があった.リハビリ担当者にとっては移動時間短縮にはつながらないが,会議時間の短縮や開催日程の調整が行いやすいという効果があった.令和4年はリモート会議の実施が全体の3割強であった.令和3年と4年の比較で,要介護利用者の訪問リハビリ終了者の割合は全体の35.7%から48.6%に増加した.また,平均介入期間は5.0か月から4.7か月となり,期間の短縮がみられた.
考察
会議参加者への聞き取りから,会議をリモートで行ったことで移動時間の短縮や日程調整の簡略化,感染の予防につながったといえる.またマネジメントの観点からは,コロナ禍においても会議が継続実施されリハビリゴールが共有できたために,ICT導入以前と同等以上の終了率を得ることができたと考えられる.一方,PC画面を通しての会話に戸惑う利用者や家族の声も聞かれ,対面での話し合いの重要性を改めて感じた.今後は利用者の生活動作の状況を動画共有するなどICTの活用を広げていきたいと考えている.