[PN-2-4] ご当地フレイル予防体操の身体機能向上への効果に関する検証:パイロットスタディ
【はじめに】ご当地体操は,2006年の地域支援事業創設を契機に,転倒や腰痛などの予防,高齢者の健康づくりや運動への意識を高めるなどの目的を定めて作成されている.このような体操を普及するためには,「気軽で,簡単に,いつでもどこでも,誰にでもできる効果のある体操」であることが重要である.我々は,A市高齢者の要介護認定発生の要因分析を行い,下肢筋力やバランス能力を保持することが介護予防において重要であることを明らかにした.その結果を基に,自宅で簡単かつ楽しく実施できることをコンセプトに,下肢筋力やバランス能力を高めることを目的とした身体的フレイル予防体操をA市と共同で作成した.しかしながら,様々なご当地体操が全国で展開されているものの,効果を検証した報告はほとんどない.そこで本パイロットスタディは,作成したフレイル予防体操の身体機能向上の効果を検証することを目的とした.
【方法】A市が2022年に実施した健康チェックにより身体機能低下に該当した高齢者に対し,本パイロットスタディの案内文を郵送し募集した.体操の実施期間は2週間とし,自宅で毎日行ってもらうよう指示した.体操の時間は約3分で,スクワットや踵上げ,前方,左右へのステップと重心移動など下肢筋力やバランス能力が高められるような構成となっている.初日に説明および身体機能評価を実施した.最初の1週間は保健師が自宅を訪問し体操の確認や指導を行い,2週目からはDVDやタブレットによる動画を視聴して行ってもらうように指示した.身体機能評価は,Short Physical Performance Battery (SPPB),Functional Reach Test (FRT),Timed Up and Go test (TUG),長座体前屈,座位ステッピングテスト,テンステップテストを実施した.2週間後に同様の評価を実施した.統計学的分析は,初回と2週間後の差の平均値とCohen dの効果量を算出した.なお,本研究は筆頭著者所属の倫理委員会の承認を得て,対象者には口頭での説明と書面への同意を得て実施した.
【結果】対象は7名(男性2名,女性5名,平均年齢 75.7歳)であった.7名全員が2週間毎日体操を実施していた.SPPBについては,秒数で示すことができる5回立ち座りテストと4m歩行について結果を示す.身体機能評価の結果は,TUG = -0.3秒(d = 0.4),FRT = +1.4cm(d = 0.6),座位ステッピングテスト = +4.4回(d = 1.3),テンステップテスト = -0.4秒(d = 0.3),長座体前屈 = +0.2cm(d = 0.0),4m歩行 = -0.3秒(d = 2.2),5回立ち座りテスト = -1.1秒(d = 2.2)であった.
【考察】本研究で実施したフレイル予防体操では,下肢筋力や下肢の敏捷性,バランス能力,歩行能力について効果量が中等度以上であった.本体操は身体機能低下した高齢者の身体機能向上に対する効果が認められる可能性がある.また,参加者全員が毎日体操を遂行できた.今回はパイロットスタディとして実施し,体操による身体機能への効果の可能性が見いだせたため,今後は対照群の設定などによって効果を検証する.
【方法】A市が2022年に実施した健康チェックにより身体機能低下に該当した高齢者に対し,本パイロットスタディの案内文を郵送し募集した.体操の実施期間は2週間とし,自宅で毎日行ってもらうよう指示した.体操の時間は約3分で,スクワットや踵上げ,前方,左右へのステップと重心移動など下肢筋力やバランス能力が高められるような構成となっている.初日に説明および身体機能評価を実施した.最初の1週間は保健師が自宅を訪問し体操の確認や指導を行い,2週目からはDVDやタブレットによる動画を視聴して行ってもらうように指示した.身体機能評価は,Short Physical Performance Battery (SPPB),Functional Reach Test (FRT),Timed Up and Go test (TUG),長座体前屈,座位ステッピングテスト,テンステップテストを実施した.2週間後に同様の評価を実施した.統計学的分析は,初回と2週間後の差の平均値とCohen dの効果量を算出した.なお,本研究は筆頭著者所属の倫理委員会の承認を得て,対象者には口頭での説明と書面への同意を得て実施した.
【結果】対象は7名(男性2名,女性5名,平均年齢 75.7歳)であった.7名全員が2週間毎日体操を実施していた.SPPBについては,秒数で示すことができる5回立ち座りテストと4m歩行について結果を示す.身体機能評価の結果は,TUG = -0.3秒(d = 0.4),FRT = +1.4cm(d = 0.6),座位ステッピングテスト = +4.4回(d = 1.3),テンステップテスト = -0.4秒(d = 0.3),長座体前屈 = +0.2cm(d = 0.0),4m歩行 = -0.3秒(d = 2.2),5回立ち座りテスト = -1.1秒(d = 2.2)であった.
【考察】本研究で実施したフレイル予防体操では,下肢筋力や下肢の敏捷性,バランス能力,歩行能力について効果量が中等度以上であった.本体操は身体機能低下した高齢者の身体機能向上に対する効果が認められる可能性がある.また,参加者全員が毎日体操を遂行できた.今回はパイロットスタディとして実施し,体操による身体機能への効果の可能性が見いだせたため,今後は対照群の設定などによって効果を検証する.