[PN-3-6] 山形県内の放課後児童クラブへの作業療法士訪問における持続的な活動について
【序論】
社会福祉法人とは,社会福祉事業を行う事を目的として社会福祉法に基づいて設立されている公益性の高い非営利法人である.令和元年度の調査によると全国に約2万の法人があり,山形県には245の法人がある.法人の役割は地域に暮らす人が日常生活で感じている不安や悩み,子どもの健全な未来に対して地域と連携してサポートする事である.また,山形市では第二期山形市子ども・子育て支援事業計画を策定し,地域の子育て支援等について言及している.令和4年度,社会福祉法人敬寿会(当法人)は作業療法士(OT)を放課後児童クラブ(学童)へ派遣し,困り事のある児童や放課後児童支援員(支援員)に対して作業療法の観点から助言,介入を行った.これまではOT1名の関わりであったが,令和4年度は1名OTを追加しOT2名での派遣事業とし,より持続的かつ効果的になるよう取り組みを行った.以下に活動の報告を行う.
【目的】
山形県内の学童について,山形県学童保育連絡協議会(県連協),天童市学童保育連絡協議会(市連協)と連携し困り事のある児童や支援員に対してOT2名が訪問.学童への支援と並行して,訪問が初となるOT1名(未経験OT)に対して指導を行い,学童訪問の担い手となるよう関わる.
【方法】
1.市連協が各学童からの派遣依頼を取りまとめ,OTと1年間で訪問する学童を選定する.2.訪問予定となる学童へ事前調査資料の送付と内容の記載依頼.3.当法人からの派遣として学童を訪問.未経験OTに対しての指導は,始めに疾患の特性,支援員への配布資料およびプログラムの使用方法を共有する.実地では主に訪問時の打合せから振り返りまでの様子をみてもらい,実際の流れや観察介入時の注意点に留意してもらう.訪問後OT間で振返りを行う.
【結果】
令和4年度学童訪問数9施設(一部同時訪問),合計27回訪問を実施.1施設平均3人の児童を軸として個別または集団で活動の様子を観察.未経験OTへの指導については,訪問の流れや対応について実地を経験した事で「はじめは不安だったが,今は大分慣れてきた」と肯定的な意見が聞かれ,支援員の感想も「OTによって色々な考え方やアイディアがあり参考になった」と同様に肯定的であった.
【考察】
OTが学童を訪問する事業は全国的に取り組まれており,山形県でも活動自体は4年となる.令和4年度は個人としての取り組みではなく,当法人の派遣事業として実施.OTも1名増え2名体制となる.OTの訪問人数が増えた事で児童や学童に負担を強いる場面はみられなかったが,今後も人数が増える事による変化には注視していく必要がある.社会福祉法人が担う役割として地域貢献があり,児童福祉の観点から包括的かつ持続的に地域と関わるOTの学童訪問はその一端となる.将来的には県連協と連携していく中で賛同してくれる事業所や法人を増やし,地域貢献の機会を広げる事が山形県における学童訪問,児童福祉の質の向上につながると考える.
【参考資料】
1)社会福祉制度の現状について 第21回社会保障審議会福祉部会資料2 厚生労働省
2)小冊子「みんなの生きるを」 全国社会福祉法人経営者協議会
3)第二期山形市子ども・子育て支援事業計画令和3年3月一部改訂 山形市
社会福祉法人とは,社会福祉事業を行う事を目的として社会福祉法に基づいて設立されている公益性の高い非営利法人である.令和元年度の調査によると全国に約2万の法人があり,山形県には245の法人がある.法人の役割は地域に暮らす人が日常生活で感じている不安や悩み,子どもの健全な未来に対して地域と連携してサポートする事である.また,山形市では第二期山形市子ども・子育て支援事業計画を策定し,地域の子育て支援等について言及している.令和4年度,社会福祉法人敬寿会(当法人)は作業療法士(OT)を放課後児童クラブ(学童)へ派遣し,困り事のある児童や放課後児童支援員(支援員)に対して作業療法の観点から助言,介入を行った.これまではOT1名の関わりであったが,令和4年度は1名OTを追加しOT2名での派遣事業とし,より持続的かつ効果的になるよう取り組みを行った.以下に活動の報告を行う.
【目的】
山形県内の学童について,山形県学童保育連絡協議会(県連協),天童市学童保育連絡協議会(市連協)と連携し困り事のある児童や支援員に対してOT2名が訪問.学童への支援と並行して,訪問が初となるOT1名(未経験OT)に対して指導を行い,学童訪問の担い手となるよう関わる.
【方法】
1.市連協が各学童からの派遣依頼を取りまとめ,OTと1年間で訪問する学童を選定する.2.訪問予定となる学童へ事前調査資料の送付と内容の記載依頼.3.当法人からの派遣として学童を訪問.未経験OTに対しての指導は,始めに疾患の特性,支援員への配布資料およびプログラムの使用方法を共有する.実地では主に訪問時の打合せから振り返りまでの様子をみてもらい,実際の流れや観察介入時の注意点に留意してもらう.訪問後OT間で振返りを行う.
【結果】
令和4年度学童訪問数9施設(一部同時訪問),合計27回訪問を実施.1施設平均3人の児童を軸として個別または集団で活動の様子を観察.未経験OTへの指導については,訪問の流れや対応について実地を経験した事で「はじめは不安だったが,今は大分慣れてきた」と肯定的な意見が聞かれ,支援員の感想も「OTによって色々な考え方やアイディアがあり参考になった」と同様に肯定的であった.
【考察】
OTが学童を訪問する事業は全国的に取り組まれており,山形県でも活動自体は4年となる.令和4年度は個人としての取り組みではなく,当法人の派遣事業として実施.OTも1名増え2名体制となる.OTの訪問人数が増えた事で児童や学童に負担を強いる場面はみられなかったが,今後も人数が増える事による変化には注視していく必要がある.社会福祉法人が担う役割として地域貢献があり,児童福祉の観点から包括的かつ持続的に地域と関わるOTの学童訪問はその一端となる.将来的には県連協と連携していく中で賛同してくれる事業所や法人を増やし,地域貢献の機会を広げる事が山形県における学童訪問,児童福祉の質の向上につながると考える.
【参考資料】
1)社会福祉制度の現状について 第21回社会保障審議会福祉部会資料2 厚生労働省
2)小冊子「みんなの生きるを」 全国社会福祉法人経営者協議会
3)第二期山形市子ども・子育て支援事業計画令和3年3月一部改訂 山形市