[PQ-2-3] 作業療法士の視点から行ったバリアフリー化について
【はじめに】
三浦市は,2017(平成29)年 1 月 1 日現在における高齢者人口は16,449人,高齢化率は37.0%で,神奈川県の24.5%や全国の27.4%を大きく上回っており,約3人に 1 人が高齢者という状況である.その上で当院は市にある唯一の総合病院として地域と密接に接している.当院を利用するすべての人が安心,安全に利用できるように2019(平成31)年1月「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」協力のもと,当院のバリアフリーの評価と改善を行った.院内のバリアフリー評価と改善について,作業療法士(以下OT)がプロジェクトの中心に活動する機会を得た.そこで,今回のOTとしてのバリアフリーへ関わり方や展望について考察する.
【方法】
「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」から派遣された,一級建築士,バリアフリーアドバイザー,当院からはOT,看護師,医師,事務職員,臨床検査技師,薬剤師から構成されたメンバーで院内のバリアフリー評価を行った.その結果,51ヶ所の改善を必要とする場所を認めた.その中から,次の1)~4)の項目を対象に院内のバリアフリー化を図った.1)駐車場,2)出入り口,3)手すり関係,4)掲示物・バリアフリーサイン.バリアフリー改善には,車椅子利用のスタッフ・色弱の当院スタッフ,入院患者に協力を得て行った
【結果】
1)駐車場:車いす駐車場の輪止めの色を視覚的に認識しやすい色へ変更.
2)出入り口:敷きマットが点字ブロックに干渉していた.敷きマットの位置を変更.出入り口の縞鋼板は経年劣化で滑りやすくなっていた物を撤去し新しい物を設置.
3)手すり関係:手すりの前にソファーやゴミ箱が設置されていた.場所の変更.脱衣所へ手すりを設置.
4)掲示物,バリアフリーサイン:お知らせ等の貼り紙が多く貼られており重要物が分かり辛い,掲示物の整理と掲示物の位置を腰より高めに設定.
以上1)~4)の活動内容を院内研修として職員へ全体周知を実施した.
【考察】
今回「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」からバリアフリーアドバイザーが派遣されたことで,当院に潜在的に存在したバリアを認識する機会を得た.駐車場から病院出入り口,院内の手すり等の改善.院内掲示物を視覚的に見えやすい位置へ変更・情報の整理を行った.これは当院を利用する方だけでなく,当院で働くスタッフにも有益なことであると考える.OTとして病院のバリアフリー化を進める中で,「病院受診する方」,「お見舞いに来る方」,「病院で働く方」の様々な思いに寄り添って病院全体を改善させることが重要と感じた.OTは,日常生活動作,生活の質において専門性を有しており,医療施設を含むさまざまな場面で多角的評価を行う事が可能である.バリアフリーの分野においても利用者に合わせた環境作りに貢献出来ると思われる.
【倫理的配慮,説明と同意】今回の報告に関して,「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」の同意を得た.また,本発表には利用者等の個人情報を特定できる内容は含まれていない.
三浦市は,2017(平成29)年 1 月 1 日現在における高齢者人口は16,449人,高齢化率は37.0%で,神奈川県の24.5%や全国の27.4%を大きく上回っており,約3人に 1 人が高齢者という状況である.その上で当院は市にある唯一の総合病院として地域と密接に接している.当院を利用するすべての人が安心,安全に利用できるように2019(平成31)年1月「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」協力のもと,当院のバリアフリーの評価と改善を行った.院内のバリアフリー評価と改善について,作業療法士(以下OT)がプロジェクトの中心に活動する機会を得た.そこで,今回のOTとしてのバリアフリーへ関わり方や展望について考察する.
【方法】
「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」から派遣された,一級建築士,バリアフリーアドバイザー,当院からはOT,看護師,医師,事務職員,臨床検査技師,薬剤師から構成されたメンバーで院内のバリアフリー評価を行った.その結果,51ヶ所の改善を必要とする場所を認めた.その中から,次の1)~4)の項目を対象に院内のバリアフリー化を図った.1)駐車場,2)出入り口,3)手すり関係,4)掲示物・バリアフリーサイン.バリアフリー改善には,車椅子利用のスタッフ・色弱の当院スタッフ,入院患者に協力を得て行った
【結果】
1)駐車場:車いす駐車場の輪止めの色を視覚的に認識しやすい色へ変更.
2)出入り口:敷きマットが点字ブロックに干渉していた.敷きマットの位置を変更.出入り口の縞鋼板は経年劣化で滑りやすくなっていた物を撤去し新しい物を設置.
3)手すり関係:手すりの前にソファーやゴミ箱が設置されていた.場所の変更.脱衣所へ手すりを設置.
4)掲示物,バリアフリーサイン:お知らせ等の貼り紙が多く貼られており重要物が分かり辛い,掲示物の整理と掲示物の位置を腰より高めに設定.
以上1)~4)の活動内容を院内研修として職員へ全体周知を実施した.
【考察】
今回「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」からバリアフリーアドバイザーが派遣されたことで,当院に潜在的に存在したバリアを認識する機会を得た.駐車場から病院出入り口,院内の手すり等の改善.院内掲示物を視覚的に見えやすい位置へ変更・情報の整理を行った.これは当院を利用する方だけでなく,当院で働くスタッフにも有益なことであると考える.OTとして病院のバリアフリー化を進める中で,「病院受診する方」,「お見舞いに来る方」,「病院で働く方」の様々な思いに寄り添って病院全体を改善させることが重要と感じた.OTは,日常生活動作,生活の質において専門性を有しており,医療施設を含むさまざまな場面で多角的評価を行う事が可能である.バリアフリーの分野においても利用者に合わせた環境作りに貢献出来ると思われる.
【倫理的配慮,説明と同意】今回の報告に関して,「公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会」の同意を得た.また,本発表には利用者等の個人情報を特定できる内容は含まれていない.