[PR-1-5] デジタルフォーメーションにおけるリハビリ人材の育成に関する検討
【はじめに】
近年,デジタルトランスフォーメーション(以下,DX)が推進され,厚生労働省では医療DX推進チームが検討を行っている.診療報酬では運動量増加機器加算が新設されるなどリハビリテーション(以下,リハビリ)業界においてもデジタル化が進み様々な機器を用いた介入が行われている.
文部科学省の委託を受けて本学院では,リハビリDX人材の育成に向けてカリキュラム開発に取り組んでいる.今回,DXに関するアンケート調査を養成校へ実施した.加えて在校生へデジリハ(デジタルアートとセンサーを活用したリハビリツール)体験を実施しアンケート調査を行った.
これらの結果を元にリハビリDXの展望について検討したので以下に報告する.
【目的】
DXについて養成校の現状調査と在学生のデジリハ体験後の調査からリハビリDX人材の育成及び今後の展開について検討する.
【方法】
本校を中心とした実施委員会で検討し4件法を主体としたアンケートを作成し,PT・OT養成課程405件に依頼した.さらに,本学院のOT学生(昼・夜間主1,2年生計40名)にデジリハ体験後にアンケートを実施し,それぞれの回答を集計・分析した.なお,アンケートにて本報告の同意を得た.
【養成校アンケート結果】
養成課程へのアンケートでは119件(PT59件,OT60件)の回答を得た(回収率29%).先端技術等を活用したリハビリについて興味があると92%が答え,これらの教育を取り入れる必要性について必要だと思う90%の回答があった.実施状況について既に取り入れている14%,近々取り入れる7%,検討中30%,検討していない49%であった.導入に際しての課題(複数回答)では,情報の不足68%,授業設計や対応60%,授業時間の確保41%,予算確保85%,学内の関係者理解35%,外部との連携61%,学生のニーズ19%,また,課題に関する自由記載では教材や設備の問題,国家試験に含まれない,臨床現場での活用やニーズの不足等があがった.その他,DXの活用方法や導入に向けた意見がある一方で,カリキュラムに入れる状況ではない,時間的・金銭的な制約,指導が出来る人材の不足などの意見があった.
【デジリハ体験結果】
OT学生へデジリハ体験では,HOKUYO,TobiiEyeTracker,MOFFなどを用いたアプリ(そらの水族館など)を60分程度実施した.体験後のアンケートでは27件の回答を得た(回収率68%).体験について満足,やや満足と96%が答え,OTとして学びになったと100%が回答した.先端技術を知ることがOTとして活かせると思う,アプローチの幅が広がったと思うと96%が回答した.自分で使えるようになる講義があれば参加したいと70%が回答した.自由記載では,新鮮な内容だった,麻痺や発達障害の治療に役立つと感じた,リラックスしてゲーム感覚で行えた,技術の進歩に感動した,OTの可能性を感じたなどの意見があった.
【考察】
デジリハ体験をした学生からは良好な結果が得られ,学びを深めることでOTとしての成長に繋がることが示唆された.養成校のアンケート結果からはDXに興味があり,教育の必要性を認識している.しかし,DX情報の不足やDXを教育出来る人材の不足などの課題により,導入に至っていない.本校が先駆的に取り組むことでリハビリDXを活用する人材が増え,臨床現場で実践できることが期待される.
近年,デジタルトランスフォーメーション(以下,DX)が推進され,厚生労働省では医療DX推進チームが検討を行っている.診療報酬では運動量増加機器加算が新設されるなどリハビリテーション(以下,リハビリ)業界においてもデジタル化が進み様々な機器を用いた介入が行われている.
文部科学省の委託を受けて本学院では,リハビリDX人材の育成に向けてカリキュラム開発に取り組んでいる.今回,DXに関するアンケート調査を養成校へ実施した.加えて在校生へデジリハ(デジタルアートとセンサーを活用したリハビリツール)体験を実施しアンケート調査を行った.
これらの結果を元にリハビリDXの展望について検討したので以下に報告する.
【目的】
DXについて養成校の現状調査と在学生のデジリハ体験後の調査からリハビリDX人材の育成及び今後の展開について検討する.
【方法】
本校を中心とした実施委員会で検討し4件法を主体としたアンケートを作成し,PT・OT養成課程405件に依頼した.さらに,本学院のOT学生(昼・夜間主1,2年生計40名)にデジリハ体験後にアンケートを実施し,それぞれの回答を集計・分析した.なお,アンケートにて本報告の同意を得た.
【養成校アンケート結果】
養成課程へのアンケートでは119件(PT59件,OT60件)の回答を得た(回収率29%).先端技術等を活用したリハビリについて興味があると92%が答え,これらの教育を取り入れる必要性について必要だと思う90%の回答があった.実施状況について既に取り入れている14%,近々取り入れる7%,検討中30%,検討していない49%であった.導入に際しての課題(複数回答)では,情報の不足68%,授業設計や対応60%,授業時間の確保41%,予算確保85%,学内の関係者理解35%,外部との連携61%,学生のニーズ19%,また,課題に関する自由記載では教材や設備の問題,国家試験に含まれない,臨床現場での活用やニーズの不足等があがった.その他,DXの活用方法や導入に向けた意見がある一方で,カリキュラムに入れる状況ではない,時間的・金銭的な制約,指導が出来る人材の不足などの意見があった.
【デジリハ体験結果】
OT学生へデジリハ体験では,HOKUYO,TobiiEyeTracker,MOFFなどを用いたアプリ(そらの水族館など)を60分程度実施した.体験後のアンケートでは27件の回答を得た(回収率68%).体験について満足,やや満足と96%が答え,OTとして学びになったと100%が回答した.先端技術を知ることがOTとして活かせると思う,アプローチの幅が広がったと思うと96%が回答した.自分で使えるようになる講義があれば参加したいと70%が回答した.自由記載では,新鮮な内容だった,麻痺や発達障害の治療に役立つと感じた,リラックスしてゲーム感覚で行えた,技術の進歩に感動した,OTの可能性を感じたなどの意見があった.
【考察】
デジリハ体験をした学生からは良好な結果が得られ,学びを深めることでOTとしての成長に繋がることが示唆された.養成校のアンケート結果からはDXに興味があり,教育の必要性を認識している.しかし,DX情報の不足やDXを教育出来る人材の不足などの課題により,導入に至っていない.本校が先駆的に取り組むことでリハビリDXを活用する人材が増え,臨床現場で実践できることが期待される.