[PR-4-2] 診療参加型臨床実習で学生に対する生活行為向上マネジメントの活用について
【はじめに】検査・測定実習における学校課題としてデイリーノート,ケースノート,レジュメの作成があり,自宅課題は1時間以内と推奨された.学生とのオリエンテーションでは「実習の中で働く領域を決めたい」と意見があった.実習ではケースノートやレジュメ作成など未経験な事が多く検査・測定に至るまでに指導が必要であった.今回,限られた時間の中でハラスメント対策をしながら積極的に実習に取り組む事を支援する為に,学生に対して生活行為向上マネジメント(以下,MTDLPと表記)を活用することで実習に対する学生の意思を明確にして情報共有を行い,指導者が基本方針を立て支援した事が学生,複数の指導者,養成校に対して有益であった為,ここに報告する.本報告について学生及び養成校の同意を得ている.
【方法】学生から聞き取りを行い,指導者がMTDLPの作成を行い,学生の目標は“患者様に寄り添った支援がしたい”であった.目標を妨げている要因として“症例患者様との信頼関係の構築や検査・測定に自信がない”が挙がった.強みとしては努力家であった.介入の基本方針として①検査・測定の事前にデモンストレーションを学生と指導者で行う事で自信を持って関わりが出来るようにする.②信頼関係の構築については検査・測定以外にも会話をする機会を与える.③ハラスメント対策としてNRSで主観的なストレス評価を行い,院内課題時間の調整などをして自宅課題の負担軽減を図る事とした.合意した目標として“患者様の意向に添った退院支援を経験する(会話を中心に)”とした.遂行度と満足度の評価は学生,症例患者様,指導者で行い,複数の指導者とも情報共有を行い支援に関わる.養成校に対しては実習地訪問時に情報共有を行う事とした.
【経過】①検査・測定の事前のデモンストレーションでは指導者が被検者となって学生と確認を行った.②信頼関係の構築では日常会話や「昨夜は寝れましたか?」など症例患者様を気遣う会話があった.③ハラスメント対策では1週目はNRS:2であったが検査・測定が始まるとNRS:8となった為,院内課題時間を2時間から3時間に増やす対策を行った.3週目はNRS:6と軽減し,4週目NRS:4と経過した.
【結果】MTDLPの学生の遂行度4→9,満足度3→10.症例患者様の遂行度5→10,満足度5→10.指導者の遂行度5→10,満足度5→10となった.①検査・測定の事前のデモンストレーションは学生にとって自信が持てる機会であったと感想があった.②信頼関係の構築について,症例患者様から「一生懸命に私の事を考えてくれて嬉しかった」と意見を頂いた.③ハラスメント対策では,NRSで経過を観ながら調整を行う事で健康を害する事なく経過した.指導者は基本方針通りに学生支援する事が出来た.養成校に対しては経過や今後の課題などMTDLPを中心に具体的な提案が行えた.
【考察】学生に対するMTDLPの活用は学生の意思を明確にして能動的に臨床実習を経験する事が出来,「次の実習でも患者様の人生に寄り添った実習がしたい」と意見があった.また複数の指導者と情報共有し,基本方針を立て計画的に支援する事が出来た.養成校に対しても具体的な情報共有に役立てたと考える.
【まとめ】診療参加型実習では見学・模倣・実施と段階的に経験を積むことが出来るが,指導者主体となり学生が受動的になりやすく学生の意思が反映しにくい可能性が示唆される.今回,検査・測定実習においてMTDLPを活用する事で学生の意思を複数の指導者と目標共有する事で学生が能動的に関われたと考える.教育におけるMTDLPの活用についての有用性については今後も検討を行う.
【方法】学生から聞き取りを行い,指導者がMTDLPの作成を行い,学生の目標は“患者様に寄り添った支援がしたい”であった.目標を妨げている要因として“症例患者様との信頼関係の構築や検査・測定に自信がない”が挙がった.強みとしては努力家であった.介入の基本方針として①検査・測定の事前にデモンストレーションを学生と指導者で行う事で自信を持って関わりが出来るようにする.②信頼関係の構築については検査・測定以外にも会話をする機会を与える.③ハラスメント対策としてNRSで主観的なストレス評価を行い,院内課題時間の調整などをして自宅課題の負担軽減を図る事とした.合意した目標として“患者様の意向に添った退院支援を経験する(会話を中心に)”とした.遂行度と満足度の評価は学生,症例患者様,指導者で行い,複数の指導者とも情報共有を行い支援に関わる.養成校に対しては実習地訪問時に情報共有を行う事とした.
【経過】①検査・測定の事前のデモンストレーションでは指導者が被検者となって学生と確認を行った.②信頼関係の構築では日常会話や「昨夜は寝れましたか?」など症例患者様を気遣う会話があった.③ハラスメント対策では1週目はNRS:2であったが検査・測定が始まるとNRS:8となった為,院内課題時間を2時間から3時間に増やす対策を行った.3週目はNRS:6と軽減し,4週目NRS:4と経過した.
【結果】MTDLPの学生の遂行度4→9,満足度3→10.症例患者様の遂行度5→10,満足度5→10.指導者の遂行度5→10,満足度5→10となった.①検査・測定の事前のデモンストレーションは学生にとって自信が持てる機会であったと感想があった.②信頼関係の構築について,症例患者様から「一生懸命に私の事を考えてくれて嬉しかった」と意見を頂いた.③ハラスメント対策では,NRSで経過を観ながら調整を行う事で健康を害する事なく経過した.指導者は基本方針通りに学生支援する事が出来た.養成校に対しては経過や今後の課題などMTDLPを中心に具体的な提案が行えた.
【考察】学生に対するMTDLPの活用は学生の意思を明確にして能動的に臨床実習を経験する事が出来,「次の実習でも患者様の人生に寄り添った実習がしたい」と意見があった.また複数の指導者と情報共有し,基本方針を立て計画的に支援する事が出来た.養成校に対しても具体的な情報共有に役立てたと考える.
【まとめ】診療参加型実習では見学・模倣・実施と段階的に経験を積むことが出来るが,指導者主体となり学生が受動的になりやすく学生の意思が反映しにくい可能性が示唆される.今回,検査・測定実習においてMTDLPを活用する事で学生の意思を複数の指導者と目標共有する事で学生が能動的に関われたと考える.教育におけるMTDLPの活用についての有用性については今後も検討を行う.