[PR-6-2] 進化していく事例検討会
【はじめに】
当院は兵庫県明石市の南西部に位置する,回復期リハビリテーション病棟,一般病棟,地域包括ケア病床の合計120床でデイサービス等関連事業所を有する地域に根差した病院である.今回,当院作業療法課における事例検討会についての取り組みについて紹介を行う.本研究にあたり倫理的配慮として関係者からの同意および当院倫理委員会より承認を得ている.演題発表に関連し,開示すべきCOI関係にある企業等はない.
【取り組みの紹介】
2022年度当院作業療法課では,目標達成のため大目標(人物像を把握しその人らしい生活が送れるよう支援する,ADLや病棟生活への介入を意欲的に行い退院後の生活へ繋げる,自主性を高め発信力を身につける),小目標(1上肢装具,認知症,高次脳,福祉用具の相談窓口を定着させる,2評価用紙の運用を徹底する,3事例検討会等で統合と解釈を学ぶ )を掲げた.その中でも小目標2,3に関わる事例検討会は作業療法課における主軸となるプロジェクトと位置付けた.教育チームが発足し事例検討会(時間30分,申し送り表・ICF表を使用)を企画,運営した.企画会議では,感染症拡大時においてはビデオ電話やメールを活用し,事例検討会の工夫点について検討した.ホワイトボードやファシリテーターを導入し活発な議論が行える工夫をした.また,事例検討会毎に参加した感想,事例検討会開催前後での職員の意識調査をアンケートにて実施した.
【対象・方法】
対象は同意の得られた作業療法課職員15名とした.2022年度7月から12月の期間に事例検討会を開催し,事例検討会毎に参加した感想をアンケートにて調査した.設問は1参加した満足度,2今後の臨床に活かせるか,とし10段階の自己評価とし,3その他では自由記載とした.開催前後(6月と1月)に事例検討会に関する意識調査を実施した.設問は1事例検討会を開催できる,2事例検討会に参加したい,3事例検討会は学びになる,4統合と解釈をできる,とし10段階の自己評価とした.また,いずれのアンケートもスマートフォンを活用し集計した.
【結果】
事例検討会は合計13件,延べ参加者85名,平均参加者6.5名であった.事例検討会毎のアンケート結果では,設問1参加した満足度平均8.3,設問2今後の臨床に活かせるか平均8.1となった.開催前後のアンケートでは,設問1平均6.2から6.5,設問2平均8.5から8.5,設問3平均9.2から8.3,設問4平均5.3から4.9となった.
【考察】
事例検討会毎のアンケート結果では,満足度と臨床に活かせるかの主観的評価は,平均8.0以上と比較的高く即時的な満足・学びには効果的といえる.一方,事例検討会開催前後のアンケートでは,開催後に設問3事例検討会は学びになると,設問4統合と解釈をできるにおいて開催前に比べ点数が低下した.これらの結果より,長期的にみて学びとなる事や統合と解釈を深める工夫が必要と考える.
【今後の展開】
学びを深めるためには,30分と限られた時間では足りないため,必要に応じて2回開催とする.1回目は検討事項についてICFに焦点を当てる,2回目は検討事項以外の退院後の生活の検討を行う.他職種が参加できる体制としより統合と解釈を深める.
当院は兵庫県明石市の南西部に位置する,回復期リハビリテーション病棟,一般病棟,地域包括ケア病床の合計120床でデイサービス等関連事業所を有する地域に根差した病院である.今回,当院作業療法課における事例検討会についての取り組みについて紹介を行う.本研究にあたり倫理的配慮として関係者からの同意および当院倫理委員会より承認を得ている.演題発表に関連し,開示すべきCOI関係にある企業等はない.
【取り組みの紹介】
2022年度当院作業療法課では,目標達成のため大目標(人物像を把握しその人らしい生活が送れるよう支援する,ADLや病棟生活への介入を意欲的に行い退院後の生活へ繋げる,自主性を高め発信力を身につける),小目標(1上肢装具,認知症,高次脳,福祉用具の相談窓口を定着させる,2評価用紙の運用を徹底する,3事例検討会等で統合と解釈を学ぶ )を掲げた.その中でも小目標2,3に関わる事例検討会は作業療法課における主軸となるプロジェクトと位置付けた.教育チームが発足し事例検討会(時間30分,申し送り表・ICF表を使用)を企画,運営した.企画会議では,感染症拡大時においてはビデオ電話やメールを活用し,事例検討会の工夫点について検討した.ホワイトボードやファシリテーターを導入し活発な議論が行える工夫をした.また,事例検討会毎に参加した感想,事例検討会開催前後での職員の意識調査をアンケートにて実施した.
【対象・方法】
対象は同意の得られた作業療法課職員15名とした.2022年度7月から12月の期間に事例検討会を開催し,事例検討会毎に参加した感想をアンケートにて調査した.設問は1参加した満足度,2今後の臨床に活かせるか,とし10段階の自己評価とし,3その他では自由記載とした.開催前後(6月と1月)に事例検討会に関する意識調査を実施した.設問は1事例検討会を開催できる,2事例検討会に参加したい,3事例検討会は学びになる,4統合と解釈をできる,とし10段階の自己評価とした.また,いずれのアンケートもスマートフォンを活用し集計した.
【結果】
事例検討会は合計13件,延べ参加者85名,平均参加者6.5名であった.事例検討会毎のアンケート結果では,設問1参加した満足度平均8.3,設問2今後の臨床に活かせるか平均8.1となった.開催前後のアンケートでは,設問1平均6.2から6.5,設問2平均8.5から8.5,設問3平均9.2から8.3,設問4平均5.3から4.9となった.
【考察】
事例検討会毎のアンケート結果では,満足度と臨床に活かせるかの主観的評価は,平均8.0以上と比較的高く即時的な満足・学びには効果的といえる.一方,事例検討会開催前後のアンケートでは,開催後に設問3事例検討会は学びになると,設問4統合と解釈をできるにおいて開催前に比べ点数が低下した.これらの結果より,長期的にみて学びとなる事や統合と解釈を深める工夫が必要と考える.
【今後の展開】
学びを深めるためには,30分と限られた時間では足りないため,必要に応じて2回開催とする.1回目は検討事項についてICFに焦点を当てる,2回目は検討事項以外の退院後の生活の検討を行う.他職種が参加できる体制としより統合と解釈を深める.