[PR-8-2] 作業療法士自身の態度としてのスピリチュアリティに関する文献的レビュー
【はじめに】作業療法士は対象者の生活や人生の質(QOL)に着目し,対象者ごとに求められる意味や価値を見出せる作業を提供することを目指している.これらを実現するために,対象者を全人的に捉えて介入する必要がある.そのためには,日頃から作業療法士は専門的な知識と技術と同様に,専門職としての資質向上を図ることが求められている.
【目的】本研究では,作業療法士の資質の研究として,国内外における作業療法士のスピリチュアリティの態度についての研究動向を包括的に調査する.
【対象および方法】
1.研究種別:研究方法は文献研究とする.
2.対象文献:対象文献は本邦および海外で公表された原著論文とする.
3.文献検索:文献検索データベースは,本邦では医中誌Web版,J-STAGE,メディカルオンラインを,海外ではPubMedを用い,期間は2000年から2022年とし,研究論文を対象とする.
4.検索対象概念:検索語には.キーワードとして「作業療法士」(Occupational therapist)
「スピリチュアリティ」(spirituality)および「態度」(attitude)を組み合わせ,抽出する.抽出した論文のうち,対象を「作業療法士」とし,「第一著者が作業療法士」で,海外文献は,「英語文献である」ことを選択基準とする.
【結果】
1.本邦:「作業療法士」「スピリチュアリティ」としたところ,医中誌Web版で3件,J-STAGEで2件,メディカルオンラインで2件が抽出できた.しかし「態度」でのかけ合わせでは,いずれも0件で,さらにハンドサーチしたが該当する文献は見当たらなかった.
2.海外での研究動向
1)抽出件数:PubMedでは「occupational therapist」「 spirituality 」「attitude」との組み合わせでは,17件が該当した.このうち条件に合致したものは8件であった.
2)文献概要
(1)発行機関および発行年
発行機関および発行年は,「Am J Occup Ther」2件(2000年,2003年),「OTJR」2件(2019年,2022年),「J Relig Health」1件(2014年),「Scand J Occup Ther」1件「Occup Ther In」1件(2014年)であった.
(2)文献の分析結果
研究の目的では,「OT経験とスピリチュアリティ」4件,「個人的因子とスピリチュアリティ」3件,「自己のスピリチュアリティの定義」1件であった.方法では,面接(4件),
アンケート(2件),両者の併用(2件)であった.結果として「クライアントのスピリチュアルなニーズへの対処方法」4件,「個人的因子とスピリチュアリティの理解」3件,「教育方法・作業療法理論・実践の関連性」1件であった.
【考察】今回の分析では,作業療法士のスピリチュアリティの態度に関する研究は本邦では見られなかったものの,海外ではいくつかの研究が認められた.スピリチュアリティを個人の基盤となる機能とするならば,作業と同様に多様性があると推測される.そのため研究には困難さが生じている可能性がある.一方で,海外の知見からは,スピリチュアリティを個人の経験や文化的背景から分析が行われている.さらに研究の結果から作業療法士教育に活用することが進められていると考えられた.今後わが国でも,海外の知見を活かし作業療法士の資質としてスピリチュアリティについて調査する必要性があると推測された.
【目的】本研究では,作業療法士の資質の研究として,国内外における作業療法士のスピリチュアリティの態度についての研究動向を包括的に調査する.
【対象および方法】
1.研究種別:研究方法は文献研究とする.
2.対象文献:対象文献は本邦および海外で公表された原著論文とする.
3.文献検索:文献検索データベースは,本邦では医中誌Web版,J-STAGE,メディカルオンラインを,海外ではPubMedを用い,期間は2000年から2022年とし,研究論文を対象とする.
4.検索対象概念:検索語には.キーワードとして「作業療法士」(Occupational therapist)
「スピリチュアリティ」(spirituality)および「態度」(attitude)を組み合わせ,抽出する.抽出した論文のうち,対象を「作業療法士」とし,「第一著者が作業療法士」で,海外文献は,「英語文献である」ことを選択基準とする.
【結果】
1.本邦:「作業療法士」「スピリチュアリティ」としたところ,医中誌Web版で3件,J-STAGEで2件,メディカルオンラインで2件が抽出できた.しかし「態度」でのかけ合わせでは,いずれも0件で,さらにハンドサーチしたが該当する文献は見当たらなかった.
2.海外での研究動向
1)抽出件数:PubMedでは「occupational therapist」「 spirituality 」「attitude」との組み合わせでは,17件が該当した.このうち条件に合致したものは8件であった.
2)文献概要
(1)発行機関および発行年
発行機関および発行年は,「Am J Occup Ther」2件(2000年,2003年),「OTJR」2件(2019年,2022年),「J Relig Health」1件(2014年),「Scand J Occup Ther」1件「Occup Ther In」1件(2014年)であった.
(2)文献の分析結果
研究の目的では,「OT経験とスピリチュアリティ」4件,「個人的因子とスピリチュアリティ」3件,「自己のスピリチュアリティの定義」1件であった.方法では,面接(4件),
アンケート(2件),両者の併用(2件)であった.結果として「クライアントのスピリチュアルなニーズへの対処方法」4件,「個人的因子とスピリチュアリティの理解」3件,「教育方法・作業療法理論・実践の関連性」1件であった.
【考察】今回の分析では,作業療法士のスピリチュアリティの態度に関する研究は本邦では見られなかったものの,海外ではいくつかの研究が認められた.スピリチュアリティを個人の基盤となる機能とするならば,作業と同様に多様性があると推測される.そのため研究には困難さが生じている可能性がある.一方で,海外の知見からは,スピリチュアリティを個人の経験や文化的背景から分析が行われている.さらに研究の結果から作業療法士教育に活用することが進められていると考えられた.今後わが国でも,海外の知見を活かし作業療法士の資質としてスピリチュアリティについて調査する必要性があると推測された.