[SOT-3-1] 特別支援教育と学校給食~作業療法士の偏食への取り組み~
日本作業療法士協会誌の報告によると、統計資料(2022年3月)では、会員数64230名のうち、特別支援教育関わっている作業療法士(以下OT)は388名(0.6%)、学校教育を主業務としているOTは81名(0.1%)に過ぎない。また、2023年5月における協会認定OT、1390名の内、専門作業療法士は延べ152名に上るが、特別支援教育領域の専門作業療法士数は14名である。
しかしながら、学校からは教育現場で対応できるOT数の増加を切望する声が多いと実感しており、教育委員会や支援学校に作業療法士が関わりを持つ地域も少しずつではあるが拡大しつつある。
筆者は2010年頃より自閉スペクトラム症児の偏食の要因と対応に関する探索的研究を開始した。学校教育現場での外部専門家としての巡回相談において、学校給食への作業療法的視点を取り入れたアドバイスを行い、教員との協働により偏食への取り組みを継続している。
子どもたちの食事における悩みにもよく出てくる偏食状況をアセスメントできる質問紙(SAS)の作成、偏食がある子どもの保護者の自己効力感尺度(SAPS)の開発、偏食がある子どもの保護者向け講座の実施をしてきた。発達支援センターでの偏食に関する保護者向け講座を実施するに伴い、興味関心の輪は徐々に広がり、発達支援に関わるスタッフや学校教員向けの講演会や、食に関する好き嫌いや食嗜好・こだわりをテーマにしたワークショップなどを依頼される機会も増えてきている。また最近では、相談支援センターの相談員としても栄養士や保育士対象に講演会を行ったり、実際の調理を実技として取り入れた講演なども行っている。
保護者や教員の困り感・ニーズの非常に高い偏食だが、その背景にある要因にはどういったものがあるのか、どのような対応が保護者や支援者によってなされているのか、どういったアプローチが効果的なのか、感覚面・口腔面・認知面・環境面からのアセスメントを通して、これまでの研究でわかってきたことを紹介する。加えて学校給食での偏食がある事例を取り上げながら、最新の取り組みについて、OTとしての関わりと学校教員との連携を紹介する。
医療・教育・療育・福祉領域のチーム医療と多職種連携を進め、対象児・者を支援するにあたり、共通テーマである「食事」について、アセスメントと支援のあり方を今一度考えるきっかけになればと願っている。
しかしながら、学校からは教育現場で対応できるOT数の増加を切望する声が多いと実感しており、教育委員会や支援学校に作業療法士が関わりを持つ地域も少しずつではあるが拡大しつつある。
筆者は2010年頃より自閉スペクトラム症児の偏食の要因と対応に関する探索的研究を開始した。学校教育現場での外部専門家としての巡回相談において、学校給食への作業療法的視点を取り入れたアドバイスを行い、教員との協働により偏食への取り組みを継続している。
子どもたちの食事における悩みにもよく出てくる偏食状況をアセスメントできる質問紙(SAS)の作成、偏食がある子どもの保護者の自己効力感尺度(SAPS)の開発、偏食がある子どもの保護者向け講座の実施をしてきた。発達支援センターでの偏食に関する保護者向け講座を実施するに伴い、興味関心の輪は徐々に広がり、発達支援に関わるスタッフや学校教員向けの講演会や、食に関する好き嫌いや食嗜好・こだわりをテーマにしたワークショップなどを依頼される機会も増えてきている。また最近では、相談支援センターの相談員としても栄養士や保育士対象に講演会を行ったり、実際の調理を実技として取り入れた講演なども行っている。
保護者や教員の困り感・ニーズの非常に高い偏食だが、その背景にある要因にはどういったものがあるのか、どのような対応が保護者や支援者によってなされているのか、どういったアプローチが効果的なのか、感覚面・口腔面・認知面・環境面からのアセスメントを通して、これまでの研究でわかってきたことを紹介する。加えて学校給食での偏食がある事例を取り上げながら、最新の取り組みについて、OTとしての関わりと学校教員との連携を紹介する。
医療・教育・療育・福祉領域のチーム医療と多職種連携を進め、対象児・者を支援するにあたり、共通テーマである「食事」について、アセスメントと支援のあり方を今一度考えるきっかけになればと願っている。