第57回日本作業療法学会

講演情報

シンポジウム

[SY-3] シンポジウム3

2023年11月12日(日) 10:10 〜 11:40 第1会場 (劇場棟)

座長:新宮 尚人(聖隷クリストファー大学 リハビリテーション学部 作業療法学科)

[SY-3-1] 出版の仕組み(文字による知の伝達)

新宮 尚人1, 青山 智2, 関川 宏3, 五十嵐 陽子4 (1.聖隷クリストファー大学 リハビリテーション学部 作業療法学科, 2.株式会社三輪書店, 3.株式会社協同医書出版社, 4.医歯薬出版株式会社)

近年、画像や音声、テキストなどさまざまなコンテンツを手軽に生成できる生成系AIが開発されるなど、多くの情報がWebを介して容易に入手できるようになった。しかし、一部の情報には、出典が明確に示されていないものも見受けられ、主観的で偏った情報との区別が困難であることも少なくない。そのため、情報を利用する個人には、その確からしさを判断し、目的に適合するように使用できる能力(情報リテラシー)が必要となる。一方、紙媒体や電子媒体で出版される学術関連の書籍・雑誌においては、原稿の推敲や査読による修正を重ねるなど、複数のチェックプロセスを経たものが世の中に出ている。また、発行主体も個人ではなく、学術団体や出版社であるため、非常に信頼性の高い情報と認識されている。このような観点から、作業療法が「社会においてどのように機能し、どのように役立つのかを根拠と共に示す手段」として、書籍や雑誌の果たす役割は非常に大きいと考えられる。
本シンポジウムでは、作業療法関連書籍を発行する出版社から登壇する3名と共に、学術出版と商業出版における「出版の仕組み」をひも解き、フロアーと共に共有する時間としたい。まずは、学術出版物の1つである『学術誌作業療法』の意義・目的と、投稿から掲載までのプロセスについて概説する。その後、商業出版について、企画・構成、著者への依頼、文章の推敲、出版までの確認等を中心的に担う「編集者」の具体的な仕事について、著者とのやり取りの経験を交えながら話していただく予定である。
これから論文投稿を考えている方や、書籍の著者になってみたいと考えている方が、本当に知りたいと思うような内容について、ディスカッション出来れば幸いである。