[EL-4-1] 繰り返し計測データの解析方法 - 対応のあるデータに基づく統計的手法の活用
日常臨床では、同じ患者から複数回にわたって繰り返しデータを収集することがしばしば行われる。たとえば、治療の前後でアウトカムがどのように変化するかや、長期間にわたる観察に基づくデータがその一例である。本講演では、このような対応のあるデータに適した統計解析手法を紹介する。まず、対応のあるT検定を取り上げ、その基本的な考え方を解説する。個体内の変動と個体間の変動をどのように扱い、どのように比較するかについて掘り下げて説明する予定である。対応のあるT検定では、同じ被験者内での変化量を基に検定を行うため、統計的な有意差が出やすいという特徴があるが、これは特に治療効果の評価において有効である。しかし、この手法には限界もあり、介入前後のデザインでは、心理的な影響や生活習慣の変化といった、介入そのものとは無関係の要因が結果に影響を与えることがある。これを回避するためには、無作為化試験を行い、比較対象群を設けることが求められる。また、データが欠損した場合の対応策として、Last Observation Carried Forward法や混合効果モデルを用いた解析手法にも触れる。これにより、データの欠損が結果に与えるバイアスを最小限に抑え、信頼性の高い結論を導くことが可能になる。
次に、3回以上の繰り返し計測データを対象とする反復測定分散分析(Repeated Measures ANOVA)や、固定効果モデル、混合効果モデルといった手法について説明する。これらの手法は、時間や治療の影響を捉える際に効果的であり、個体内の変動を考慮することで、少ない症例数でも統計的に有意な結果を得やすくする利点がある。特に、混合効果モデルは、個体間のばらつきをランダム効果として捉え、より精緻な解析を可能にする。
無料の統計ソフトEZRを用いて、これらの手法を実際に適用する際のデータ形式や、解析手順について具体例を示しながら解説する。
次に、3回以上の繰り返し計測データを対象とする反復測定分散分析(Repeated Measures ANOVA)や、固定効果モデル、混合効果モデルといった手法について説明する。これらの手法は、時間や治療の影響を捉える際に効果的であり、個体内の変動を考慮することで、少ない症例数でも統計的に有意な結果を得やすくする利点がある。特に、混合効果モデルは、個体間のばらつきをランダム効果として捉え、より精緻な解析を可能にする。
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