[ON-7-5] 孫の舞台を見に行くために
~短期集中予防サービスを用いて支援した事例~
【はじめに】
明石市では総合事業の短期集中予防サービスとして“再見!生活プログラム”を行っている.本プログラムは要支援・事業対象者に対し生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)の考え方を取り入れ立案したプログラムに基づき1クール3ヶ月で通所型サービスと訪問型サービスを一体的に提供しクライエント(以下,CL)の自立を支援し,プログラム終了後もCLが生活機能を維持・向上させCLの目指す活動と参加が継続できる支援を行うプログラムである.今回,本プログラムを用いCLと協業しCLの作業の可視化,実施したかった活動へ参加が可能となった.今回の経験に考察を加え以下に報告する.尚,本報告に際し事例に十分な説明を行い同意を得ている.
【事例紹介】
70歳代女性.要支援1.既往歴は脳梗塞,両股関節炎.疼痛が強く外出頻度が減少.独居でエレベーター付き集合住宅に居住.近隣に娘が住み援助を受け易い.4点杖・据え置き式の手すりのレンタルを利用中.遠方で開催する“孫の舞台を見に行きたい”と明確な目標があるが,新幹線を含め公共交通機関利用に不安が強い状況である.孫の舞台観劇を目標に再見!生活プログラムが開始した.
【介入経過】
再見!生活プログラム介入開始が決定し,MTDLPを用い合意目標立案の為,アセスメント訪問を介護支援専門員(以下,CM)と行った.“5ヶ月後に東京である舞台を見に行くことができる,7ヶ月後に県内で行われる舞台を3日連続見に行くことができる”を合意目標としプログラム立案した.基本的プログラムは体力向上できるよう自主練習をする.応用的プログラムは階段昇降練習,診察はバスで行く.社会適応プログラムは週1回階段を使いゴミ捨てに行くこととし介入開始した.毎週の通所サービスは健康運動指導士による集団体操と作業療法士(以下,OT)が個別訓練を実施.月1回の自宅訪問は自主練習確認と自宅内環境設定・動作練習をOTと実施した.
1ヶ月目に家族と県内へ外出した.移動は最寄り駅まで家族が自動車で送迎し,電車を乗り継ぎ到着できた.自宅では疼痛が緩和し床からの立ち上がりは物的介助が必要なものスムーズになった.2ヶ月目でバス利用に対し不安が軽減し,診察時のバス利用に自信がついたと話された.最終月は観劇に行く交通機関や宿泊先準備をCLと家族で進めた.OTからプログラム終了後も運動継続が必要と話した.近隣の運動場所は日程が合わないことや,路線バスルートを考慮し少し離れた場所が都合が良いとCLと確認し参加する運動場所を決めプログラムを終了した.プログラム終了時は舞台当日を迎えておらず合意目標未達成で終了.その後,CLより目標達成できたと嬉しそうな声で報告を受けた.
【考察】
今回,3ヶ月と短期間で介入し,プログラム終了後に目標達成できた.これは明確な目標のもと短期間集中的に通所型・訪問型サービスの両面から自宅内・外のこと,目標達成の為に継続的な運動場所をCLと共に設定しプログラム終了できたこと,家族の援助が大きく影響したと考える.本プログラムは終了後もCLが生活機能を維持しCLの目指す活動の継続ができる支援が求められる.活動継続の為にもリハビリテーション専門職が,地域資源を理解し,CLや多方面からの情報収集で地域資源と地域特性を理解することの重要性を感じた.また,プログラム開始時からCLにとって大切な生活行為合意目標がどのような経過で目標達成出来るのかをCL・家族・CMにも開始時の担当者連絡会議を経て,終了まで共有しリハビリテーション専門職介入終了後もCLの目標が達成し続けているか見守る手段にもなると考えられる.活動と参加の継続は,楽しみや生きがいを持つ自立した高齢者が増えるプログラムであることをOTからも発信する重要性も感じた.
明石市では総合事業の短期集中予防サービスとして“再見!生活プログラム”を行っている.本プログラムは要支援・事業対象者に対し生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)の考え方を取り入れ立案したプログラムに基づき1クール3ヶ月で通所型サービスと訪問型サービスを一体的に提供しクライエント(以下,CL)の自立を支援し,プログラム終了後もCLが生活機能を維持・向上させCLの目指す活動と参加が継続できる支援を行うプログラムである.今回,本プログラムを用いCLと協業しCLの作業の可視化,実施したかった活動へ参加が可能となった.今回の経験に考察を加え以下に報告する.尚,本報告に際し事例に十分な説明を行い同意を得ている.
【事例紹介】
70歳代女性.要支援1.既往歴は脳梗塞,両股関節炎.疼痛が強く外出頻度が減少.独居でエレベーター付き集合住宅に居住.近隣に娘が住み援助を受け易い.4点杖・据え置き式の手すりのレンタルを利用中.遠方で開催する“孫の舞台を見に行きたい”と明確な目標があるが,新幹線を含め公共交通機関利用に不安が強い状況である.孫の舞台観劇を目標に再見!生活プログラムが開始した.
【介入経過】
再見!生活プログラム介入開始が決定し,MTDLPを用い合意目標立案の為,アセスメント訪問を介護支援専門員(以下,CM)と行った.“5ヶ月後に東京である舞台を見に行くことができる,7ヶ月後に県内で行われる舞台を3日連続見に行くことができる”を合意目標としプログラム立案した.基本的プログラムは体力向上できるよう自主練習をする.応用的プログラムは階段昇降練習,診察はバスで行く.社会適応プログラムは週1回階段を使いゴミ捨てに行くこととし介入開始した.毎週の通所サービスは健康運動指導士による集団体操と作業療法士(以下,OT)が個別訓練を実施.月1回の自宅訪問は自主練習確認と自宅内環境設定・動作練習をOTと実施した.
1ヶ月目に家族と県内へ外出した.移動は最寄り駅まで家族が自動車で送迎し,電車を乗り継ぎ到着できた.自宅では疼痛が緩和し床からの立ち上がりは物的介助が必要なものスムーズになった.2ヶ月目でバス利用に対し不安が軽減し,診察時のバス利用に自信がついたと話された.最終月は観劇に行く交通機関や宿泊先準備をCLと家族で進めた.OTからプログラム終了後も運動継続が必要と話した.近隣の運動場所は日程が合わないことや,路線バスルートを考慮し少し離れた場所が都合が良いとCLと確認し参加する運動場所を決めプログラムを終了した.プログラム終了時は舞台当日を迎えておらず合意目標未達成で終了.その後,CLより目標達成できたと嬉しそうな声で報告を受けた.
【考察】
今回,3ヶ月と短期間で介入し,プログラム終了後に目標達成できた.これは明確な目標のもと短期間集中的に通所型・訪問型サービスの両面から自宅内・外のこと,目標達成の為に継続的な運動場所をCLと共に設定しプログラム終了できたこと,家族の援助が大きく影響したと考える.本プログラムは終了後もCLが生活機能を維持しCLの目指す活動の継続ができる支援が求められる.活動継続の為にもリハビリテーション専門職が,地域資源を理解し,CLや多方面からの情報収集で地域資源と地域特性を理解することの重要性を感じた.また,プログラム開始時からCLにとって大切な生活行為合意目標がどのような経過で目標達成出来るのかをCL・家族・CMにも開始時の担当者連絡会議を経て,終了まで共有しリハビリテーション専門職介入終了後もCLの目標が達成し続けているか見守る手段にもなると考えられる.活動と参加の継続は,楽しみや生きがいを持つ自立した高齢者が増えるプログラムであることをOTからも発信する重要性も感じた.