[PD-1-1] 「人工股関節置換術後の日常生活動作の工夫・注意点」動画のYou tube配信の効果
看護師へのアンケート調査より
【目的】当院リハビリテーション技術部では令和4年にYou Tubeチームを結成し,患者指導などの動画配信を開始した.その中に,「人工股関節置換術(THA)後の日常生活動作の工夫・注意点」動画がある.この動画は,THA後の患者が脱臼肢位を回避し,安全に生活できるように工夫・注意点をまとめたもので,患者・家族・新人指導を目的に作成した動画である.動画配信後,本動画を当院看護師(Ns)に紹介し,患者・家族・新人指導に利用してもらうよう声かけした.しかし,作成した動画の内容に関する振り返りは行っていない.そのため,今回の研究目的は,動画紹介の窓口であったNsにアンケート調査を行うことで,動画の認知度・見やすさ・理解度・実用性などを調査考察し,本動画を今後より有効活用できるよう検討する事とした.
【対象・方法】対象は当院整形外科担当病棟のNs計65名のうち,無記名アンケート調査に同意の得られた者とした.独自に作成したアンケート用紙を用いて,経験年数,動画の認知・視聴の有無,動画の見やすさ,理解しやすさ,患者指導や新人指導に役立ちそうか,業務軽減が図れそうかを5件法と自由記載にて調査を行った.また,動画を患者指導や新人指導で使用したかを調査した.動画を視聴していない者に対しては,動画視聴後に回答を求めた.
【結果】31名から回答が得られ(返答率47.7%),経験年数は1~3年目が6名(19.4%),4~6年目が8名(25.8%),7~9年目が3名(9.7%),10年目以上が14名(45.2%)だった.動画は31名のうち16名(51.6%)が認知していたが,その中で,4名が見ておらず,認知し視聴していた者は31名中12名(38.7%)だった.動画の見やすさに関しては,30名(96.8%)が非常に見やすかった・見やすかったと回答し,理解度に関しては30名(96.8%)がとても理解できた・理解できたと回答した.また,患者指導では28名(90.8%)が非常に役立ちそう・役立ちそうと回答し,新人指導では31名全員が非常に役立ちそう・役立ちそうと回答し,「事前に動画を見てもらい指導することで理解力が深まりそう」という意見があった.業務軽減しそうかという質問に対し,非常に軽減しそう・軽減しそうと回答した者は18名(60%)で,「紙で説明するより,時間が軽減しそう」という意見がある一方で,「動画があっても個別対応の必要がありそう」という意見があった.また,動画を認知・視聴したことのあった12名の中で,患者指導で動画を使用した者は2名(16.7%)と少なく,新人指導に使用した者はいなかった.
【考察】今回,ほぼ全員が本動画は見やすく・理解しやすいと感じており,また患者指導や新人指導で役立ちそうと感じている.しかし,患者指導など実際の場面で使用された件数はまだ少ない.その原因として,「動画があっても個別対応が必要」という意見から,患者の理解力を評価し,動画をどう適応していくかの判断がNsだけでは難しいと推察される.動画を初回指導として利用する,パンフレットなどで説明した後の復習教材として使用するなど,対象によって適した使用方法が異なるため,セラピストとNsで対象患者の理解度を共有し,患者個別の動画の適応性を協議することが重要と考える.また,半数が動画を認知していないため,今後院内での動画の認知・視聴率を上げていく事で,患者への動画の紹介率が向上し,効率的なADL指導が行えると考える.
【今後の展望】今回の調査で,まだ本動画の認知度が低いことが確認できた.今後,院内外に広報していく事で,本動画を有効活用できる場面が増えると考える.また,本アンケート調査は,医療知識を持ち合わせた者の意見となっている.そのため,今後は対象を実際の患者とし,動画の特性を探っていく必要があると考える.
【対象・方法】対象は当院整形外科担当病棟のNs計65名のうち,無記名アンケート調査に同意の得られた者とした.独自に作成したアンケート用紙を用いて,経験年数,動画の認知・視聴の有無,動画の見やすさ,理解しやすさ,患者指導や新人指導に役立ちそうか,業務軽減が図れそうかを5件法と自由記載にて調査を行った.また,動画を患者指導や新人指導で使用したかを調査した.動画を視聴していない者に対しては,動画視聴後に回答を求めた.
【結果】31名から回答が得られ(返答率47.7%),経験年数は1~3年目が6名(19.4%),4~6年目が8名(25.8%),7~9年目が3名(9.7%),10年目以上が14名(45.2%)だった.動画は31名のうち16名(51.6%)が認知していたが,その中で,4名が見ておらず,認知し視聴していた者は31名中12名(38.7%)だった.動画の見やすさに関しては,30名(96.8%)が非常に見やすかった・見やすかったと回答し,理解度に関しては30名(96.8%)がとても理解できた・理解できたと回答した.また,患者指導では28名(90.8%)が非常に役立ちそう・役立ちそうと回答し,新人指導では31名全員が非常に役立ちそう・役立ちそうと回答し,「事前に動画を見てもらい指導することで理解力が深まりそう」という意見があった.業務軽減しそうかという質問に対し,非常に軽減しそう・軽減しそうと回答した者は18名(60%)で,「紙で説明するより,時間が軽減しそう」という意見がある一方で,「動画があっても個別対応の必要がありそう」という意見があった.また,動画を認知・視聴したことのあった12名の中で,患者指導で動画を使用した者は2名(16.7%)と少なく,新人指導に使用した者はいなかった.
【考察】今回,ほぼ全員が本動画は見やすく・理解しやすいと感じており,また患者指導や新人指導で役立ちそうと感じている.しかし,患者指導など実際の場面で使用された件数はまだ少ない.その原因として,「動画があっても個別対応が必要」という意見から,患者の理解力を評価し,動画をどう適応していくかの判断がNsだけでは難しいと推察される.動画を初回指導として利用する,パンフレットなどで説明した後の復習教材として使用するなど,対象によって適した使用方法が異なるため,セラピストとNsで対象患者の理解度を共有し,患者個別の動画の適応性を協議することが重要と考える.また,半数が動画を認知していないため,今後院内での動画の認知・視聴率を上げていく事で,患者への動画の紹介率が向上し,効率的なADL指導が行えると考える.
【今後の展望】今回の調査で,まだ本動画の認知度が低いことが確認できた.今後,院内外に広報していく事で,本動画を有効活用できる場面が増えると考える.また,本アンケート調査は,医療知識を持ち合わせた者の意見となっている.そのため,今後は対象を実際の患者とし,動画の特性を探っていく必要があると考える.