[PI-2-4] 学童保育コンサルテーション実践のプロセスにおける作業療法士の意識
【はじめに】
学童保育は児童が長時間過ごす「生活と遊び」の場であるが,自閉スペクトラム症や注意欠如/多動症といった発達障害をもつ児童の受け入れや支援方法が問題となっている.2016年より岡山県学童保育連絡協議会を中心に,学童保育に作業療法士が赴いてコンサルテーションを行うOTコンサル事業が全国各地で行われおり,弊社では2023年4月より東京都清瀬市で9ヶ所の学童保育を市から業務委託を受け運営しているNPO法人と契約し,各学童保育に月1回作業療法士が訪問して合計月9回のコンサルテーションを行っている.
OTコンサル事業は,作業療法士が直接対象となる子どもに個別指導をするというような直接支援ではなく,指導員に子どもの発達特性を伝えたり環境調整の提案をするなど間接支援を行なっているが,そのコンサルテーションの方法等は標準化されたガイドライン等はなく,またコンサルテーションは作業療法士の経験等に依存して行われている状態であり,作業療法士が行うOTコンサル事業の何が学童保育や対象児童,指導員に対して効果的であるかその構造は明らかにされていない.
そこで本研究の目的は,OTコンサル事業の構造を明らかにすることであり,コンサルテーションの標準化を検討する一助とすることである.
尚,本発表に際して弊社倫理委員会の承認(承認番号:2082)を得ている.また,利益相反はない.
【方法】
対象者と人数対象者:弊社で学童保育に訪問している作業療法士とした.データ収集方法:zoom用いてオンランにてインタビューを行った.インタビューではインタビューガイドを用いた半構造的面接を実施した.インタービュー内容はレコーディング機能を使用して録画した.分析方法:録画されたインタビュー内容をAIによる音声自動テキスト化アプリ「Notaa」を用いてテキスト化し,そのテキストをテキストマイニングソフトである「KHcoder」を使用してテキストマイニングを行い,全体像把握のために頻出語を抽出した.その後,コード間の結びつきを把握するために共起ネットワークにて分析した.
【結果】
インタビュー対象の作業療法士は4名であった.経験年数は10年〜17年,小児発達領域の経験は5〜10年であった.頻出語は「先生」「子」「お子さん」「一緒」「話」「支援」「発達」「環境」「遊び」「学校」であった.共起ネットワークは5カテゴリーに分類され,「子どもと遊び」「児童への支援方法を指導員と一緒に考える」「他児とのコミュニケーションや個別的な関わり方の知識」「小学校を含めた学童の環境をコンサルする」「子どもの特性を支援員に伝える」が抽出された.
【考察】
学童保育を訪問しコンサルテーションを行っているOTは発達障害を呈する子どもの遊びや小学校を含めた学童保育の環境に注目しながら観察を行い,その発達特性が背景となっている行動について指導員と一緒にその対応方法や環境調整について考えていることが示唆された.また,それらの行動について,子どもの特性やコミュニケーションの取り方,個別的な関わり方等を支援員にアドバイスしていることも示唆された.今回の研究では実際に学童保育に訪問している作業療法士にのみインタビューを行っているので,今後は訪問先の学童保育の指導員にインタビューを行い,コンサルテーションを受ける側が作業療法士の訪問をどのように感じているか,作業療法士のどのようなアドバイスが効果的と考えているか明らにする必要があると考えられる.
学童保育は児童が長時間過ごす「生活と遊び」の場であるが,自閉スペクトラム症や注意欠如/多動症といった発達障害をもつ児童の受け入れや支援方法が問題となっている.2016年より岡山県学童保育連絡協議会を中心に,学童保育に作業療法士が赴いてコンサルテーションを行うOTコンサル事業が全国各地で行われおり,弊社では2023年4月より東京都清瀬市で9ヶ所の学童保育を市から業務委託を受け運営しているNPO法人と契約し,各学童保育に月1回作業療法士が訪問して合計月9回のコンサルテーションを行っている.
OTコンサル事業は,作業療法士が直接対象となる子どもに個別指導をするというような直接支援ではなく,指導員に子どもの発達特性を伝えたり環境調整の提案をするなど間接支援を行なっているが,そのコンサルテーションの方法等は標準化されたガイドライン等はなく,またコンサルテーションは作業療法士の経験等に依存して行われている状態であり,作業療法士が行うOTコンサル事業の何が学童保育や対象児童,指導員に対して効果的であるかその構造は明らかにされていない.
そこで本研究の目的は,OTコンサル事業の構造を明らかにすることであり,コンサルテーションの標準化を検討する一助とすることである.
尚,本発表に際して弊社倫理委員会の承認(承認番号:2082)を得ている.また,利益相反はない.
【方法】
対象者と人数対象者:弊社で学童保育に訪問している作業療法士とした.データ収集方法:zoom用いてオンランにてインタビューを行った.インタビューではインタビューガイドを用いた半構造的面接を実施した.インタービュー内容はレコーディング機能を使用して録画した.分析方法:録画されたインタビュー内容をAIによる音声自動テキスト化アプリ「Notaa」を用いてテキスト化し,そのテキストをテキストマイニングソフトである「KHcoder」を使用してテキストマイニングを行い,全体像把握のために頻出語を抽出した.その後,コード間の結びつきを把握するために共起ネットワークにて分析した.
【結果】
インタビュー対象の作業療法士は4名であった.経験年数は10年〜17年,小児発達領域の経験は5〜10年であった.頻出語は「先生」「子」「お子さん」「一緒」「話」「支援」「発達」「環境」「遊び」「学校」であった.共起ネットワークは5カテゴリーに分類され,「子どもと遊び」「児童への支援方法を指導員と一緒に考える」「他児とのコミュニケーションや個別的な関わり方の知識」「小学校を含めた学童の環境をコンサルする」「子どもの特性を支援員に伝える」が抽出された.
【考察】
学童保育を訪問しコンサルテーションを行っているOTは発達障害を呈する子どもの遊びや小学校を含めた学童保育の環境に注目しながら観察を行い,その発達特性が背景となっている行動について指導員と一緒にその対応方法や環境調整について考えていることが示唆された.また,それらの行動について,子どもの特性やコミュニケーションの取り方,個別的な関わり方等を支援員にアドバイスしていることも示唆された.今回の研究では実際に学童保育に訪問している作業療法士にのみインタビューを行っているので,今後は訪問先の学童保育の指導員にインタビューを行い,コンサルテーションを受ける側が作業療法士の訪問をどのように感じているか,作業療法士のどのようなアドバイスが効果的と考えているか明らにする必要があると考えられる.