[PJ-3-3] eスポーツを使用した介護予防パッケージが高齢者のメンタルヘルスに与える影響
【はじめに】
介護予防方法の1つとして,eスポーツが注目されている.eスポーツによる認知機能の改善効果が報告されてきているが,高齢者のメンタルヘルスに与える影響についての報告はない.また,eスポーツを介護予防として導入する報告が増えてきているが,オーバーユースの問題や,やり方がわからない,継続できないなどの問題が生じている.そこで,本学では,eスポーツを使用した介護予防プログラムを作成し活動を行っている.このプログラムは,学生との交流を主体に行っており,高齢者のメンタルヘルスに良い影響を与えることが予想される.そこで,本研究では,eスポーツを使用した介護予防プログラムが高齢者のメンタルヘルスに与える影響を検証した.
【対象】
本学で行っているeスポーツを使用した介護予防プログラムのチラシを地域在住高齢者へ配布することで参加者を公募した.参加を希望した地域在住高齢者に,本研究の目的,方法を説明し,研究への参加を希望した25名に対し,書面で同意を得て対象とした.年齢は68〜89歳(平均±SD;76.8±4.7歳)で,男性は15名,女性は10名であった.
【方法】
本学が行っているeスポーツを含む介護予防プログラムを実施した.プログラム内容は,①バイタル測定 ②ウォーミングアップ ③eスポーツ体験 ④クールダウン ⑤学生との談話交流 ⑥バイタル測定であった.プログラムの前後で,唾液アミラーゼ濃度,eスポーツに関するアンケート調査を実施し,eスポーツが高齢者のメンタルヘルスに与える影響を検証した.なお,本研究は本学の研究倫理委員会の承認を得て行った.
【結果】
プログラム前後の唾液アミラーゼ値を比較したところ,プログラム後に有意に減少していた(p<0.05).対象者25名のうち今までにeスポーツを行った経験のあるものは24%(6名)であり,多くのものが初めてのeスポーツ体験であった.また,今回の体験では96%(24名)が楽しかった,まあまあ楽しかったと回答しており,92%(23名)のものが今後も機会があればeスポーツを行いたいと回答していた.
【考察】
本研究では,本学で行っているeスポーツを用いた介護予防プログラムが,参加した高齢者に対し,快刺激を与えストレスを軽減させている可能性を明らかにした.高齢者は一般的に,保守的傾向が強くなったり,新しいことを覚えることが苦手になるため,初めての体験や慣れないことを行うと不安を感じたり,ストレスが増加するとされている.しかし,本プログラムでは,学生と交流しながらeスポーツを体験することで,ストレスを感じることなく快刺激を効果的に与えることができた可能性が考えられた.本研究の限界として,今回の結果はプログラム全体を通しての効果であり,eスポーツ体験のみの効果は検証できていない.しかし,eスポーツを使用することで高齢者と学生の交流を促進することができたのではないかと考えられた.
【結論】
eスポーツを含む介護予防プログラムが高齢者のストレスを軽減させる可能性が示唆された.
介護予防方法の1つとして,eスポーツが注目されている.eスポーツによる認知機能の改善効果が報告されてきているが,高齢者のメンタルヘルスに与える影響についての報告はない.また,eスポーツを介護予防として導入する報告が増えてきているが,オーバーユースの問題や,やり方がわからない,継続できないなどの問題が生じている.そこで,本学では,eスポーツを使用した介護予防プログラムを作成し活動を行っている.このプログラムは,学生との交流を主体に行っており,高齢者のメンタルヘルスに良い影響を与えることが予想される.そこで,本研究では,eスポーツを使用した介護予防プログラムが高齢者のメンタルヘルスに与える影響を検証した.
【対象】
本学で行っているeスポーツを使用した介護予防プログラムのチラシを地域在住高齢者へ配布することで参加者を公募した.参加を希望した地域在住高齢者に,本研究の目的,方法を説明し,研究への参加を希望した25名に対し,書面で同意を得て対象とした.年齢は68〜89歳(平均±SD;76.8±4.7歳)で,男性は15名,女性は10名であった.
【方法】
本学が行っているeスポーツを含む介護予防プログラムを実施した.プログラム内容は,①バイタル測定 ②ウォーミングアップ ③eスポーツ体験 ④クールダウン ⑤学生との談話交流 ⑥バイタル測定であった.プログラムの前後で,唾液アミラーゼ濃度,eスポーツに関するアンケート調査を実施し,eスポーツが高齢者のメンタルヘルスに与える影響を検証した.なお,本研究は本学の研究倫理委員会の承認を得て行った.
【結果】
プログラム前後の唾液アミラーゼ値を比較したところ,プログラム後に有意に減少していた(p<0.05).対象者25名のうち今までにeスポーツを行った経験のあるものは24%(6名)であり,多くのものが初めてのeスポーツ体験であった.また,今回の体験では96%(24名)が楽しかった,まあまあ楽しかったと回答しており,92%(23名)のものが今後も機会があればeスポーツを行いたいと回答していた.
【考察】
本研究では,本学で行っているeスポーツを用いた介護予防プログラムが,参加した高齢者に対し,快刺激を与えストレスを軽減させている可能性を明らかにした.高齢者は一般的に,保守的傾向が強くなったり,新しいことを覚えることが苦手になるため,初めての体験や慣れないことを行うと不安を感じたり,ストレスが増加するとされている.しかし,本プログラムでは,学生と交流しながらeスポーツを体験することで,ストレスを感じることなく快刺激を効果的に与えることができた可能性が考えられた.本研究の限界として,今回の結果はプログラム全体を通しての効果であり,eスポーツ体験のみの効果は検証できていない.しかし,eスポーツを使用することで高齢者と学生の交流を促進することができたのではないかと考えられた.
【結論】
eスポーツを含む介護予防プログラムが高齢者のストレスを軽減させる可能性が示唆された.