[PJ-5-4] Dダイマー高値の患者に多職種連携で早期離床・円滑な退院支援に繋がった事例
【はじめに】
今回,Dダイマー高値の症例に対して,早期離床を進めるかについてスタッフ間で意見が分かれていた.多職種と連携し,安全かつ積極的な離床を進め,チームで円滑な退院支援ができたため以下に報告する.
【症例紹介】
A氏,90歳代女性.診断名は右大腿骨転子部骨折.既往歴は高血圧症,アルツハイマー型認知症,骨粗鬆症がある.自宅にて夜間トイレに行こうとして転倒しA病院に緊急搬送される.4パート不安定型骨折を認め,ショートフェモラルネイルによる内固定施行.術後翌日から全荷重にて離床訓練開始.リハビリ目的のため当院回復期病棟へ入院となる.
【初回評価】
HDS-R:7/30点 FIM:42/126点 FBS:10/56点 DBD:25/112点
VI:6/10点 Dダイマー:30.5㎍/㎖
起居動作修正自立,移乗動作中等度介助,端坐位保持軽介助,トイレ動作は中等度介助レベル.
安静度は入院時Drより疼痛自制内フリーの指示あり.
【介入経過】
前医よりDダイマー高値も安静度の変更なし.職種間で早期離床を進める方針とベッド上安静で経過観察する方針で意見が分かれた.Drに再度上申し安静度の確認を行うが変更が無かった為,2日目から基本動作訓練,トイレ動作訓練を開始した.Dダイマー高値であり,血栓の有無が不明のため歩行訓練は未実施とした.トイレ動作は下衣操作全介助レベル.初期カンファレンスにて①リクシアナ開始②終日弾性ストッキング着用③リハビリ以外の時間でも日中離床④食事は食堂誘導⑤歩行訓練開始の方針とした.リハビリ介入時,急変リスクがあり,対応を確認した上で介入することとした.リスク管理を全員で共有する為,PNSよりDダイマーに関する研修会の実施.血栓等がないか確認する為,Drにエコーの検査を依頼した.エコー実施後血流異常なく現状血栓がないことをDrが確認した.また,Dダイマー再検査で2.8㎍/㎖まで低下した.リハビリ継続し自室変更してトイレ動作見守りレベルまで改善が見られた.
PNsよりDダイマーに関するリスク管理についての研修を行ってもらい全体で情報共有し,スタッフの知識向上につながった.
【結果】
HDS-R:7/30点 FIM:80/126点 FBS:10/56点 DBD:29/112点
VI:6/10点 Dダイマー:2.8㎍/㎖
起居動作修自立,起立動作見守り,移乗動作見守り,端坐位保持自立,
歩行はArm Walker見守り,トイレ動作は見守り.
【考察】
Dダイマー高値,血栓有無が不明な状態で積極的なリハビリ介入困難であったが高齢なこともあり廃用リスクが高く早期離床が必須な症例であった.カンファレンスの実施を行い,エコー検査にて血栓の有無を確認した.また,多職種と連携して介入する事で歩行訓練を含めた積極的なリハビリ介入が可能になった.座位の耐久性向上により離床時間が増加した事もあり認知機能低下を予防できたと考えた.PNsよりDダイマーに関するリスク管理についての研修を行ってもらい全体で情報共有し,スタッフの知識向上につながった.また,今まで実践できていなかったエコー検査を実施できたことにより,類似した症例に対して安全な早期介入,円滑な退院支援ができると考えた.
今回,Dダイマー高値の症例に対して,早期離床を進めるかについてスタッフ間で意見が分かれていた.多職種と連携し,安全かつ積極的な離床を進め,チームで円滑な退院支援ができたため以下に報告する.
【症例紹介】
A氏,90歳代女性.診断名は右大腿骨転子部骨折.既往歴は高血圧症,アルツハイマー型認知症,骨粗鬆症がある.自宅にて夜間トイレに行こうとして転倒しA病院に緊急搬送される.4パート不安定型骨折を認め,ショートフェモラルネイルによる内固定施行.術後翌日から全荷重にて離床訓練開始.リハビリ目的のため当院回復期病棟へ入院となる.
【初回評価】
HDS-R:7/30点 FIM:42/126点 FBS:10/56点 DBD:25/112点
VI:6/10点 Dダイマー:30.5㎍/㎖
起居動作修正自立,移乗動作中等度介助,端坐位保持軽介助,トイレ動作は中等度介助レベル.
安静度は入院時Drより疼痛自制内フリーの指示あり.
【介入経過】
前医よりDダイマー高値も安静度の変更なし.職種間で早期離床を進める方針とベッド上安静で経過観察する方針で意見が分かれた.Drに再度上申し安静度の確認を行うが変更が無かった為,2日目から基本動作訓練,トイレ動作訓練を開始した.Dダイマー高値であり,血栓の有無が不明のため歩行訓練は未実施とした.トイレ動作は下衣操作全介助レベル.初期カンファレンスにて①リクシアナ開始②終日弾性ストッキング着用③リハビリ以外の時間でも日中離床④食事は食堂誘導⑤歩行訓練開始の方針とした.リハビリ介入時,急変リスクがあり,対応を確認した上で介入することとした.リスク管理を全員で共有する為,PNSよりDダイマーに関する研修会の実施.血栓等がないか確認する為,Drにエコーの検査を依頼した.エコー実施後血流異常なく現状血栓がないことをDrが確認した.また,Dダイマー再検査で2.8㎍/㎖まで低下した.リハビリ継続し自室変更してトイレ動作見守りレベルまで改善が見られた.
PNsよりDダイマーに関するリスク管理についての研修を行ってもらい全体で情報共有し,スタッフの知識向上につながった.
【結果】
HDS-R:7/30点 FIM:80/126点 FBS:10/56点 DBD:29/112点
VI:6/10点 Dダイマー:2.8㎍/㎖
起居動作修自立,起立動作見守り,移乗動作見守り,端坐位保持自立,
歩行はArm Walker見守り,トイレ動作は見守り.
【考察】
Dダイマー高値,血栓有無が不明な状態で積極的なリハビリ介入困難であったが高齢なこともあり廃用リスクが高く早期離床が必須な症例であった.カンファレンスの実施を行い,エコー検査にて血栓の有無を確認した.また,多職種と連携して介入する事で歩行訓練を含めた積極的なリハビリ介入が可能になった.座位の耐久性向上により離床時間が増加した事もあり認知機能低下を予防できたと考えた.PNsよりDダイマーに関するリスク管理についての研修を行ってもらい全体で情報共有し,スタッフの知識向上につながった.また,今まで実践できていなかったエコー検査を実施できたことにより,類似した症例に対して安全な早期介入,円滑な退院支援ができると考えた.