[PN-7-10] 人口減少地域における療育支援関係者が求めること
講演会のアンケート調査より
"<はじめに>
近年,作業療法士(以下OTR)がかかわる放課後等デイサービス(放デイ)や児童発達支援事業所などが増えている.しかし,人口減少地域においては放デイや児童発達支援事業所などにOTR などリハビリテーション専門職(以下リハ職)がいない事業所も多く,北海道S地域にはリハ職が常駐する放デイや児童発達支援事業所はない.そのような中で,支援者たちはより具体的な支援を保護者などから求められている.今回,S地区で4年にわたり年1回の実施している講演の講演後のアンケートからから地域の支援者が求めるOTRによる支援内容を検討する.
<対象>
2020年~2023年にS地域療育推進協議会で行われた第1回研修に出た参加者のべ226名.なお,アンケート提出により調査に同意を得ている.なお参加者は教員,保育教諭,幼稚園教諭,保育士,保健師,相談支援事業所,行政関係,地域づくりコーディネーター,理学療法士,言語聴覚士,精神保健福祉士,医療関係などが参加していた.
<方法>
2020年~2023年にS地域療育推進協議会で行われた第1回研修に出た参加者に対し,研修会修了後に満足度,今後の講演希望についてアンケート調査を行い,その結果を集計した.なお,満足度は6項目,講演希望は5項目からの選択とした.また,研修会の講演内容はS地域療育推進協議会から依頼されたテーマに沿ってOTRが行った.テーマは2020年は「言葉の発達と行動の関係」2021年は「体の不器用さと感覚処理の理解」,2022年は「言葉と体の発達~言語面を中心に~」2023年は「体幹の弱い子の効果的な遊びについて~楽しみながら遊びを通して行える体幹のトレーニング方法について~」であった.
<結果>
1.アンケート回収率 アンケート回収率は2020年70.2%,2021年77.5%,2022年83.8%,2023年85.2%であった.
2.講演の満足度としては大変良かった,よかった,わからなかった,面白かった,難しかった,興味がでた6項目で2020年は順に28%,39%,0%,10%,2%,21%,2021年は37%,42%,0%,13%,3%,5%,2022年は53%,24%,0%,11%,0%,12%,2023年は46%,31%,0%,17%,3%,3%で,概ね満足度は高く,言語や身体の発達に関するものに興味を持つ人が多かった.
3.今後の講演希望に関しては言語面,運動面,発達面,行動面,その他に分け,順に2020年は8%,16%,36%,35%,5%,2021年は36%,10%,26%,36%,6%,2022年は14%,13%,33%,31%,9%,2023年は29%,15%,25%,26%,5%であり,発達面や行動面に関する要望は合わせるとは毎年50%以上あった.その他にはケーススタディや不登校,障害について,個別事例への対応などであった.
<考察>
講演のテーマやアンケートより地域の放デイなどの支援者は発達に関する知識面から具体的な支援方法まで幅広い関心を示していることがわかった.特に発達面や行動面などに関しては講演会で具体的な支援方法を伝えた年は要望が微減したことから,普段の支援のヒントになった可能性があったと考える.よって,放デイなどの支援者は発達の基礎知識や具体的な支援方法を求めており,OTRは作業療法の知識を生かした遊びや生活の中での発達の促し方を説明,伝授していくことが必要であると考える.
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近年,作業療法士(以下OTR)がかかわる放課後等デイサービス(放デイ)や児童発達支援事業所などが増えている.しかし,人口減少地域においては放デイや児童発達支援事業所などにOTR などリハビリテーション専門職(以下リハ職)がいない事業所も多く,北海道S地域にはリハ職が常駐する放デイや児童発達支援事業所はない.そのような中で,支援者たちはより具体的な支援を保護者などから求められている.今回,S地区で4年にわたり年1回の実施している講演の講演後のアンケートからから地域の支援者が求めるOTRによる支援内容を検討する.
<対象>
2020年~2023年にS地域療育推進協議会で行われた第1回研修に出た参加者のべ226名.なお,アンケート提出により調査に同意を得ている.なお参加者は教員,保育教諭,幼稚園教諭,保育士,保健師,相談支援事業所,行政関係,地域づくりコーディネーター,理学療法士,言語聴覚士,精神保健福祉士,医療関係などが参加していた.
<方法>
2020年~2023年にS地域療育推進協議会で行われた第1回研修に出た参加者に対し,研修会修了後に満足度,今後の講演希望についてアンケート調査を行い,その結果を集計した.なお,満足度は6項目,講演希望は5項目からの選択とした.また,研修会の講演内容はS地域療育推進協議会から依頼されたテーマに沿ってOTRが行った.テーマは2020年は「言葉の発達と行動の関係」2021年は「体の不器用さと感覚処理の理解」,2022年は「言葉と体の発達~言語面を中心に~」2023年は「体幹の弱い子の効果的な遊びについて~楽しみながら遊びを通して行える体幹のトレーニング方法について~」であった.
<結果>
1.アンケート回収率 アンケート回収率は2020年70.2%,2021年77.5%,2022年83.8%,2023年85.2%であった.
2.講演の満足度としては大変良かった,よかった,わからなかった,面白かった,難しかった,興味がでた6項目で2020年は順に28%,39%,0%,10%,2%,21%,2021年は37%,42%,0%,13%,3%,5%,2022年は53%,24%,0%,11%,0%,12%,2023年は46%,31%,0%,17%,3%,3%で,概ね満足度は高く,言語や身体の発達に関するものに興味を持つ人が多かった.
3.今後の講演希望に関しては言語面,運動面,発達面,行動面,その他に分け,順に2020年は8%,16%,36%,35%,5%,2021年は36%,10%,26%,36%,6%,2022年は14%,13%,33%,31%,9%,2023年は29%,15%,25%,26%,5%であり,発達面や行動面に関する要望は合わせるとは毎年50%以上あった.その他にはケーススタディや不登校,障害について,個別事例への対応などであった.
<考察>
講演のテーマやアンケートより地域の放デイなどの支援者は発達に関する知識面から具体的な支援方法まで幅広い関心を示していることがわかった.特に発達面や行動面などに関しては講演会で具体的な支援方法を伝えた年は要望が微減したことから,普段の支援のヒントになった可能性があったと考える.よって,放デイなどの支援者は発達の基礎知識や具体的な支援方法を求めており,OTRは作業療法の知識を生かした遊びや生活の中での発達の促し方を説明,伝授していくことが必要であると考える.
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