[PN-7-11] 作業療法士と学童保育支援員を中心に多職種で行なったオンライン勉強会
OTにITの取り組み第4報
【はじめに】2016年より岡山県学童保育連絡協議会が中心となり,学童保育に作業療法士(以下,OT)が訪問してコンサルテーションを行うモデル事業が始まった.その取り組みは全国各地で広がりを見せ,OTが講師となる研修会も多く開催されていた.しかし,コロナ禍により直接訪問してコンサルテーションを行うことや対面研修の開催が困難になっていたが,学童保育支援員からのニーズもあり,2020年5月よりOTを中心に多職種でのオンライン勉強会(OT にIT)を開催し,学びの機会を継続していた.筆者らはその取り組みや勉強会によって得られる,地域分野におけるOTのキャリア選択について考察し,3年連続本学会で報告している.勉強会継続4年目を迎えOT以外にも参加者の層が幅広くなっている.今回は第4報としてその経過を報告する.尚,この勉強会は参加者,講師共に無料で行っているので利益相反はない.
【開催方法】2020年5月より毎週火曜日21時~22時半にオンライン会議ツールZoomを使用し開催した.各回のテーマは参加者の希望を元に運営チームで検討し,Facebookのイベントページ及びLINEのオープンチャット機能で告知した.勉強会終了後は毎回Google formのアンケート記入を参加者に依頼した.
【経過】2024年2月20日時点で全195回実施している.勉強会開催当初は,発達領域のOTや学童保育支援員,助産師など子どもに関わる専門職が中心に講師を務め,内容も発達障害の基礎知識やアセスメント,子どもの育成支援に関わる多職種の取り組みが多くを占めていた.4年目を迎えた現在は,実際の学童保育や地域における子どもの支援の事例をもとに様々な立場の多職種で検討する回やOTと学童保育支援員のコンサルテーション場面を実際に再現してみる模擬カンファレンスなども取り入れた.
【結果】毎回30~70人程度の参加があった.アンケート結果から5~6割がOTで学童保育関係者を含む残りは多職種であった.参加頻度は,約半数がほぼ毎回継続して参加しており,3割は月に1~2回であった.テーマによって初めて参加する方も毎回1~2割ほどいた.参加者は地域や子ども分野で活躍しているリハビリテーション職や福祉専門職,行政職員,会社経営者などだった.地域課題について議論することが多くなり,実践での困りごとのアドバイスや解決策を参加者で出し合う機会が増えた.アンケートの自由記載欄では,「OTの話をもっと聞いてみたいと思った」「OTの視点は学童保育での子どもを捉えるうえで参考になる」「もっと色んなOTが地域に出てほしいと思った」などの感想が聞かれた.
【考察】厚生労働省は地域共生社会への実現に向けた今後の方向性として,「専門職による多職種連携,地域住民等との協働による地域連携」と記している.日本作業療法士協会は「多職種との交流からは,様々な領域の専門的知識や情報を得ることができ,多職種の中の作業療法士の役割をより俯瞰することができる」と述べている.OTが地域で活躍するには多職種連携や多職種協働が必要不可欠である.勉強会4年目を迎え,テーマや講義内容の変化から参加者の地域課題への興味関心が高いことが伺え,またその解決策の一つとしてOTが求められていることが示唆された.学童保育支援員を含め職種問わず議論したことや模擬カンファレンスを行ったことはOTにとって地域で多職種と関わるうえで考え方や多職種理解に触れる機会に繋がっていたのではないだろうか.OTと学童保育支援員を中心に多職種で開催している勉強会が職種間の垣根を越え,協働しながら地域課題を考えるきっかけの一助や場になってきているのではないかと考えられる.
【開催方法】2020年5月より毎週火曜日21時~22時半にオンライン会議ツールZoomを使用し開催した.各回のテーマは参加者の希望を元に運営チームで検討し,Facebookのイベントページ及びLINEのオープンチャット機能で告知した.勉強会終了後は毎回Google formのアンケート記入を参加者に依頼した.
【経過】2024年2月20日時点で全195回実施している.勉強会開催当初は,発達領域のOTや学童保育支援員,助産師など子どもに関わる専門職が中心に講師を務め,内容も発達障害の基礎知識やアセスメント,子どもの育成支援に関わる多職種の取り組みが多くを占めていた.4年目を迎えた現在は,実際の学童保育や地域における子どもの支援の事例をもとに様々な立場の多職種で検討する回やOTと学童保育支援員のコンサルテーション場面を実際に再現してみる模擬カンファレンスなども取り入れた.
【結果】毎回30~70人程度の参加があった.アンケート結果から5~6割がOTで学童保育関係者を含む残りは多職種であった.参加頻度は,約半数がほぼ毎回継続して参加しており,3割は月に1~2回であった.テーマによって初めて参加する方も毎回1~2割ほどいた.参加者は地域や子ども分野で活躍しているリハビリテーション職や福祉専門職,行政職員,会社経営者などだった.地域課題について議論することが多くなり,実践での困りごとのアドバイスや解決策を参加者で出し合う機会が増えた.アンケートの自由記載欄では,「OTの話をもっと聞いてみたいと思った」「OTの視点は学童保育での子どもを捉えるうえで参考になる」「もっと色んなOTが地域に出てほしいと思った」などの感想が聞かれた.
【考察】厚生労働省は地域共生社会への実現に向けた今後の方向性として,「専門職による多職種連携,地域住民等との協働による地域連携」と記している.日本作業療法士協会は「多職種との交流からは,様々な領域の専門的知識や情報を得ることができ,多職種の中の作業療法士の役割をより俯瞰することができる」と述べている.OTが地域で活躍するには多職種連携や多職種協働が必要不可欠である.勉強会4年目を迎え,テーマや講義内容の変化から参加者の地域課題への興味関心が高いことが伺え,またその解決策の一つとしてOTが求められていることが示唆された.学童保育支援員を含め職種問わず議論したことや模擬カンファレンスを行ったことはOTにとって地域で多職種と関わるうえで考え方や多職種理解に触れる機会に繋がっていたのではないだろうか.OTと学童保育支援員を中心に多職種で開催している勉強会が職種間の垣根を越え,協働しながら地域課題を考えるきっかけの一助や場になってきているのではないかと考えられる.