[PN-8-2] 山口県防府市の短期集中予防型通所サービス
サービス終了1年後の状況について
【はじめに】山口県防府市の短期集中予防型通所サービス(以下,短期集中)は2021年1月から事業を開始し,これまでの短期集中終了時には67%の利用者が介護サービスを利用しなくても生活が送れるようになる状態(以下,卒業)に至っている.短期集中では動機づけ面談を用いて,普段の利用者の生活を振り返り,次の通所までにどのように行動をするのか話し合う.そして,生活の困りごとに対して対処する力であるセルフマネジメント力を向上させ,終了時に卒業が可能となる.2019年の短期集中モデル事業終了者に対する調査では,卒業者ほぼ全員が終了後1年以上介護サービスを使わずに生活を続けることができていた.しかし,その際には,利用者達が元気に過ごせているのかということまでは把握できなかった.今回,短期集中を終了しても元気に生活できているのかについて調査を行った.
【方法】防府市では,短期集中終了後に通所系のサービスを利用しない場合は,ケアマネジメントBを設定でき,1年間地域包括支援センター担当者によるフォローを行う制度設計となっている.対象は2022年4月から2022年12月までに短期集中を終了した後,ケアマネジメントBが適用され,その後ケアマネジメントBが終了となった50名(男性11名,女性39名,平均年齢83±5.9歳)である.調査は地域包括支援センター担当者へのアンケートにて行った.データ使用に関しては防府市の承諾を得ている.
【アンケート内容】アンケートは,「1.セルフマネジメントは現在も継続できていますか」「2.生活における活動量の変化はありましたか」「3.本人の役割について変化はありますか」「4.何らかの疾病による体調の変化はありましたか」「5.身体機能の変化はありましたか」「6.身体の痛みの変化はありましたか」「7.毎日の活動力や周囲に対する興味が低下したと思いますか」「8.毎日が退屈だと思うことが多いですか」「9.外出や何か新しいことをするより家にいたいと思いますか」「10.この1年間で資源(本人の資源,通いの場など)の利用に変化がありましたか」「11.生活環境の変化はありましたか(例:転居,家族構成の変化,ペット,近隣の友人など)」の11項目とした.
【結果】ケアマネジメントBは1年以内でも新たにサービス利用を開始する場合や利用者との合意によって終了することがある.1年間ケアマネジメントBを利用して終了した者は43名,途中サービスを利用開始した者は3名,合意によって早期に終了した者は4名であった.アンケートにおいては,セルフマネジメントを継続できている76%,短期集中終了後の活動量について維持・増加している70%,身体機能について維持・改善している70%,資源の利用について維持・増加している82%などの結果が得られた.
【考察】防府市の短期集中の特徴はリエイブルメント型プログラムであり,動機づけ面談を用いて,セルフマネジメント力の向上を目指すということである.1年後のアンケートを行ったことで,この手法が短期集中利用中だけでなく,卒業後の生活を維持・向上させる効果もあることが示唆された.他にも,短期集中期間中に地域包括支援センター担当者と事業所が何度もやりとりをする中で,支援の方向性が統一され,ケアマネジメントBが,自立した生活を送るための支援として効果を発揮できているとも考える.一方で,セルフマネジメントを継続できていない者,身体機能が悪化した者も一定の割合で存在するため,より効果が続くように,短期集中の質の向上や,総合事業の施策を考えていくことに対して,今後課題として取り組んでいきたいと考える.
【方法】防府市では,短期集中終了後に通所系のサービスを利用しない場合は,ケアマネジメントBを設定でき,1年間地域包括支援センター担当者によるフォローを行う制度設計となっている.対象は2022年4月から2022年12月までに短期集中を終了した後,ケアマネジメントBが適用され,その後ケアマネジメントBが終了となった50名(男性11名,女性39名,平均年齢83±5.9歳)である.調査は地域包括支援センター担当者へのアンケートにて行った.データ使用に関しては防府市の承諾を得ている.
【アンケート内容】アンケートは,「1.セルフマネジメントは現在も継続できていますか」「2.生活における活動量の変化はありましたか」「3.本人の役割について変化はありますか」「4.何らかの疾病による体調の変化はありましたか」「5.身体機能の変化はありましたか」「6.身体の痛みの変化はありましたか」「7.毎日の活動力や周囲に対する興味が低下したと思いますか」「8.毎日が退屈だと思うことが多いですか」「9.外出や何か新しいことをするより家にいたいと思いますか」「10.この1年間で資源(本人の資源,通いの場など)の利用に変化がありましたか」「11.生活環境の変化はありましたか(例:転居,家族構成の変化,ペット,近隣の友人など)」の11項目とした.
【結果】ケアマネジメントBは1年以内でも新たにサービス利用を開始する場合や利用者との合意によって終了することがある.1年間ケアマネジメントBを利用して終了した者は43名,途中サービスを利用開始した者は3名,合意によって早期に終了した者は4名であった.アンケートにおいては,セルフマネジメントを継続できている76%,短期集中終了後の活動量について維持・増加している70%,身体機能について維持・改善している70%,資源の利用について維持・増加している82%などの結果が得られた.
【考察】防府市の短期集中の特徴はリエイブルメント型プログラムであり,動機づけ面談を用いて,セルフマネジメント力の向上を目指すということである.1年後のアンケートを行ったことで,この手法が短期集中利用中だけでなく,卒業後の生活を維持・向上させる効果もあることが示唆された.他にも,短期集中期間中に地域包括支援センター担当者と事業所が何度もやりとりをする中で,支援の方向性が統一され,ケアマネジメントBが,自立した生活を送るための支援として効果を発揮できているとも考える.一方で,セルフマネジメントを継続できていない者,身体機能が悪化した者も一定の割合で存在するため,より効果が続くように,短期集中の質の向上や,総合事業の施策を考えていくことに対して,今後課題として取り組んでいきたいと考える.