[PN-8-8] 地域ケア会議からはじまった車いす街歩きによる地域づくり
一般社団法人WheeLogと地域包括支援センターとの協力を通して
【はじめに】
地域ケア会議は,個別課題の解決,地域包括支援・ネットワークの構築,地域課題の発見,地域づくり・資源開発,政策の形成の機能を有する.
今回,地域ケア会議から,地域課題とニーズを多職種で検討した結果,WheeLogの協力を得て,車いすでの街歩きが八広はなみずき高齢者支援総合センター(地域包括支援センター)(以下,八広はなみずき包括)の継続事業に至った.ここに東京都作業療法士会(以下,都士会)の作業療法士(以下,OT)が中核として関わり,車いす街歩きを活かした地域づくりの支援とOTの役割について報告する.なお本報告にあたり,対象者および墨田区からの承諾は得ている.
【地域ケア会議から車いす街歩きでの支援とOTの役割】
1.地域ケア会議
2022年4月にWさん本人が参加する地域ケア会議に参加した.Wさんは70歳代,男性,要支援1,35年前に脳出血により右片麻痺となり単身独居で生活していた.30年前から電動車いすを利用し,地域のバリアフリー情報を自ら文書にまとめていた.Wさんは「障害を持っても移動手段とバリフリー情報があれば1人で自由に外出できる.その経験や情報を地域の人と共有したい」と希望していた,地域課題は,車いすを利用している人,利用を検討している人が安心して外出できる情報が不足していた.協議を重ねた結果,地域のバリアフリー情報の調査とマップ作成が目標となり,OTよりWheeLogの車いす街歩きプログラムを提案した.
2.WheeLog協力による車いす街歩きの実施
関係機関で会議を重ねて,2022年6月,WheeLog主催の全国車いす街歩きのイベントに15名で参加した.さらに同年11月に街歩きを行い22名が参加した.OTの役割は実施・運営の中心として取りまとめを担った.車いす街歩きプログラムは,車いすの体験,バリアフリー調査,参加者同士での気づきの共有から構成されている.バリアフリー調査は「WheeLog!アプリ」を使用して,チーム対抗で様々なミッションを実行しながら情報収集をする.
3.WheeLogのWAM助成事業への支援
WheeLogのWAM助成事業に計画段階から関与し,「車いすで安心して外出できる地域支援体制のモデル構築事業」を墨田区,町田市と協力して開催した.車いす街歩きプログラムを実施・運営できるコア人材の育成を含めて街歩きプログラムを墨田と町田で2回ずつ実施した,参加者は小学生から高齢者まで多世代に渡り合計のべ140名以上が参加した.また2024年2月にWAM事業の報告会を行った.OTの役割は,墨田と町田の街歩きプログラム運営の中心を担い,報告会でプレゼンテーションを行った.
4.バリアフリーマップの作成
八広はなみずき包括に協力して,街歩きで得たバリアフリー情報よりパンフレットを作成して地域に配布する予定である.OTの役割は,地域への掲載協力の依頼とマップ作成の助言を行った.
【考察】
地域支援に関わるOTがハブとなって,様々な関係機関とネットワークを構築し地域づくりに貢献できる.バリアフリー化への地域づくりや地域共生社会の実現に向けて,WheeLogの車いす街歩きプログラムは優れたなコンテンツであると考える.
地域ケア会議は,個別課題の解決,地域包括支援・ネットワークの構築,地域課題の発見,地域づくり・資源開発,政策の形成の機能を有する.
今回,地域ケア会議から,地域課題とニーズを多職種で検討した結果,WheeLogの協力を得て,車いすでの街歩きが八広はなみずき高齢者支援総合センター(地域包括支援センター)(以下,八広はなみずき包括)の継続事業に至った.ここに東京都作業療法士会(以下,都士会)の作業療法士(以下,OT)が中核として関わり,車いす街歩きを活かした地域づくりの支援とOTの役割について報告する.なお本報告にあたり,対象者および墨田区からの承諾は得ている.
【地域ケア会議から車いす街歩きでの支援とOTの役割】
1.地域ケア会議
2022年4月にWさん本人が参加する地域ケア会議に参加した.Wさんは70歳代,男性,要支援1,35年前に脳出血により右片麻痺となり単身独居で生活していた.30年前から電動車いすを利用し,地域のバリアフリー情報を自ら文書にまとめていた.Wさんは「障害を持っても移動手段とバリフリー情報があれば1人で自由に外出できる.その経験や情報を地域の人と共有したい」と希望していた,地域課題は,車いすを利用している人,利用を検討している人が安心して外出できる情報が不足していた.協議を重ねた結果,地域のバリアフリー情報の調査とマップ作成が目標となり,OTよりWheeLogの車いす街歩きプログラムを提案した.
2.WheeLog協力による車いす街歩きの実施
関係機関で会議を重ねて,2022年6月,WheeLog主催の全国車いす街歩きのイベントに15名で参加した.さらに同年11月に街歩きを行い22名が参加した.OTの役割は実施・運営の中心として取りまとめを担った.車いす街歩きプログラムは,車いすの体験,バリアフリー調査,参加者同士での気づきの共有から構成されている.バリアフリー調査は「WheeLog!アプリ」を使用して,チーム対抗で様々なミッションを実行しながら情報収集をする.
3.WheeLogのWAM助成事業への支援
WheeLogのWAM助成事業に計画段階から関与し,「車いすで安心して外出できる地域支援体制のモデル構築事業」を墨田区,町田市と協力して開催した.車いす街歩きプログラムを実施・運営できるコア人材の育成を含めて街歩きプログラムを墨田と町田で2回ずつ実施した,参加者は小学生から高齢者まで多世代に渡り合計のべ140名以上が参加した.また2024年2月にWAM事業の報告会を行った.OTの役割は,墨田と町田の街歩きプログラム運営の中心を担い,報告会でプレゼンテーションを行った.
4.バリアフリーマップの作成
八広はなみずき包括に協力して,街歩きで得たバリアフリー情報よりパンフレットを作成して地域に配布する予定である.OTの役割は,地域への掲載協力の依頼とマップ作成の助言を行った.
【考察】
地域支援に関わるOTがハブとなって,様々な関係機関とネットワークを構築し地域づくりに貢献できる.バリアフリー化への地域づくりや地域共生社会の実現に向けて,WheeLogの車いす街歩きプログラムは優れたなコンテンツであると考える.